今日エネルギー基本計画 が閣議決定されました。
原発は「重要なベースロード電源」という位置付けで、原子力規制委員会の審査で安全性が確認されれば、再稼働させると明記している一方で、再生可能エネルギーなど電源別の具体的な比率の明示はされず。
このニュースで思い出したのは、現政権与党の自民党が政権を取り戻した平成24年の衆議院選挙。このときにエネルギー政策について、自民党は次のように公約しています。
全てのエネルギーの可能性を徹底的に掘り起こし、社会・経済活動を維持するための電力を確実に確保するとともに、原発に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立を目指します。 (※下線/太字は僕がほどこしたものです)
当時、「あの(原発を推進していた)自民党ですら脱原発を打ち出した!」ことは大きなニュースになりました。
そして見事(?)政権を取り戻し、アベノミクスだ!増税だ!靖国だ!解釈変更だ!と様々な話題をばら撒きつつ好き放題突っ走って迎えた平成26年春。
「ベースロード電源」という、わかったようなわからないような業界用語で誤魔化して、「原発に依存します!」と高らかに宣言されたわけです。
ちなみに、自民党はホームページ内(自民党HP公約関連 )で、“公約”というというものを、次のように定義しています。
自民党がみなさんにお約束する公約を掲載しています。自民党では、実現できる約束こそが本当の公約だと考えています。(※下線/太字は僕がほどこしたものです)
もう一度、平成24年の公約を見てみると。
全てのエネルギーの可能性を徹底的に掘り起こし、社会・経済活動を維持するための電力を確実に確保するとともに、原発に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立を目指します。 (※下線/太字は僕がほどこしたものです)
これを読んだとき、「実現できる約束こそが本当の公約」なんて、よくもまぁ堂々と書けたもんだ!冗談じゃない!今回の閣議決定は思い切り公約を無視してるじゃないか!と思いました。
次の一文を読むまでは…。
エネルギー政策に関する公約は、先ほど書いたもの以外にもあり、次に紹介するものも、そのうちの1つ。
原子力の安全性に関しては、「安全第一」の原則のもと、独立した規制委員会による専門的判断をいかなる事情よりも優先します。原発の再稼働の可否については、順次判断し、全ての原発について3年以内の結論を目指します。安全性については、原子力規制委員会の専門的判断に委ねます。(※下線/太字は僕がほどこしたものです)
独立した規制委員会による専門的判断をいかなる事情よりも優先…という部分も、ホントかよって感じですけど、政治家…特に権力を取り戻したいばかりの政治家というのは、やっぱ賢いんですね(もちろん嫌味)、あとで「再稼働させる」という本音を切り出しても問題がないよう、ちゃんと巧妙に準備しておられる。
原発の再稼働の可否については、順次判断し、全ての原発について3年以内の結論を目指します。
うまいですね。
今回の「重要なベースロード電源として再稼働させる」という結論も、「順次判断して3年以内に結論を出したもの」には違いない。むしろ、「公約したよりも早く結論を出した。これが決める政治ですよ」くらいのことを言いそう。
いやはや、お見事です。完全にやられました。やっぱ、賢いわ、あの人達。
でも、僕が国のリーダーたる政治家期待してる賢さって、そういうのじゃないんだけどなぁ…。
そういう知恵、もっと正しい方向に使ってほしいよ…。
ところで自民党さん、核廃棄物はどうするのさ?
伝家の宝刀「先送り」の登場かい?