ホームズ対フロイト / キース・オートリー | jakeのブログ 

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昨日読了した、ホームズ・パスティーシュ作品です。



キース・オートリーという心理学者によるホームズのパスティーシュもので、翻訳・監修はあの小林司・東山あかね夫妻。3部構成であとがきを含め500ページ超という文庫にしては、なかなかにボリュームのある1冊で、恥ずかしながら昨年末から読み始めて、3ヶ月ほどかかってしまいました。


時間がかかってしまったのは、この本に…というより読み始めた昨年末から最近まで、興味の中心が読書以外のことにあって、そちらに時間をかけていたこと(これを言い訳という…^^;)もあるのですが…、事件の中心人物である女性の語りと、その女性の治療にあたるフロイトの研究論文という構成で書かれている第1部が、とにかく長い!(ちなみにホームズ&ワトソン・コンビの登場は第2部から)。

この第一部、よく言えば事件の背景を丁寧に描写している…とか、作者が心理学者であるからこその深み…ということなのでしょうが、誤解を恐れずに言えば、僕にとっては、その描写がかえってくどく感じてしまい数ページで読み疲れ「もう充分です。ごちそうさまでしたッ!」なんて本を閉じ…ってな状態で、この第1部を読み切るのに、とにかく時間がかかってしまいました。

ホームズ対フロイトといいつつも、実際に両者が対面するのは、1度きり。ただ、その1度きりの対面がホームズに与えた影響は…という点が、この物語の1つのポイントなのですが、このポイントをどう評価するか…で、この本の好き嫌いが別れるのかもしれません。僕の個人的な感想は、このポイントが、淡白すぎて、ちょっとだけ物足りない感じでした。


とはいえ。ホームズの推理力や行動力、ワトソンの友達思いの良い奴ぶりはイメージとおりですし、その二人の活躍は非常に楽しく読むことができ、語られざる事件にまた1つ、出会えたことは、大いなる喜びでした。





ホームズ対フロイト (光文社文庫)/キース.オートリー
¥820
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☆余談


ホームズとフロイトといえば、こんな作品も持っています。



ニコラス・メイヤー作のパスティーシュ、「シャーロック・ホームズ氏の素敵な冒険」。


映画化(映画時のタイトルは「シャーロック・ホームズの素敵な挑戦 」)もされていて、若かりし頃、深夜に映画が放送されていて、録画して観たことをきっかけに購入しました。


この物語では、ホームズがフロイトからコカイン中毒からくる精神疾患の治療や、最後には催眠療法まで受けていたりと、その関係は「ホームズ対フロイト」よりもぐっと深いことになっています。ちなみに、二人を引き合わせたのが、善良なる紳士・ワトソン博士であることは共通。


後半は、フロイトの治療で見事に立ち直ったホームズが大活躍!さらには、あの大空白時代の秘密も…という、原作と創作をうまく組み合わせた面白い作品です。