あの廊下とトイレの“静けさ”は今でも覚えています。
ページをめくる音やマークシートに書き込む音と、受験生の緊張感に占拠された空間から出た瞬間「こんな静かな空間があるんだなぁ~」なんて思いました。
会場の部屋からトイレまでの距離が近かったし、生理的に切羽つまっていた状況なので、ほんの数秒そう感じただけだと思いますが…。
そんな静けさの中を歩いてトイレへ(僕以外誰もいなかったです)。用をたして手を洗い、思いっきり背伸びしたとき、なんだか急に気分が軽くなりました。
その瞬間、何故か「あ、オレ、今年合格するな」なんて思って、自分の表情が笑顔になっていくのに気が付きました。
ちょうどそのとき、見まわりの方がトイレの様子を見にきたのですが、そんな僕を見て「きょとん」としていました。ひょっとすると「こいつ、大丈夫か…?」くらいに思われていたかもしれませんが…。
トイレで自分の顔を見て笑ってる奴を見たら…不気味な奴だと思われても、仕方がないですけどね(;^_^A
挙動不審と思われて失格になっちゃうとシャレにならないので、鏡に写った自分に「さぁ、行こうぜっ!」と心の中で声をかけて教室に戻りました。
〔続く〕