ウチの長男ポンちゃんは、スイミングに通い始めて早5年半以上。
こう書くと、さぞかし上手に泳げそうな雰囲気がします。
でも、実際はようやくアームヘルパーが取れたところでございます
というのも、ポンちゃん、ものすごいビビリでして。
(どれくらいのビビリか興味のある方はこちらもどうぞ)
そんなポンちゃんですが、9月の進級テストで7ヵ月振りに進級しました
いや〜、長かった!
まあ、今まで1年かけて進級したこともあったし、彼にしては早い方かもしれません。
水泳の才能はないのは明らかだし、やめさせれば良いのにと思うかもしれません。
私自身「よくやめさせなかったなぁ」とも思います
まあ、でも本人が楽しんで通っているので良いのかなと
長く続けていれば、そのうち泳げるようになるだろうし。
そんな思いで通わせていたのですが、ある晩ポンちゃんがプールをやめたいと言ってきました。
さあ今から寝ようと布団に入った時でした。
まさに寝耳に水!
進級したばかりなのに、どうしたんだろう?
進級してゴーグルが解禁になって喜んでいたのに?
家の中で無駄にゴーグルをつけて嬉しげに走り回っていたのに?
どうしたことだろう?と話を聞いてみました。
すると、どうやら進級テストがイヤなんだそうで
普段の練習は楽しいけれど、進級テストでは足のつかないところで長い距離を泳がされるので怖い、とのこと。
その話を聞いて私は
「急にそんなに長い距離を泳ぐなんてことはないよ」と言いました。
ところがポンちゃんは
「テストでは泳ぐんよ!」と言い張ります
「でも、コーチがそばにおるけん、大丈夫じゃない?」と言うと
「テストの時はプールサイドにおるんよ」と心もとなさそうな返事
いつも練習を見ていると、プールの端から5mくらいの距離をみんなビート板を持って顔をつけながらバタ足で進んでいます。
ところが、ポンちゃんはスタートが怖いようで行きかけては戻り、コーチに引っ張ってもらって何とかスタートしています
たまに、1人だけ腰にヘルパーをつけているなんてこともありました。
実は9月に進級した時、コーチはとても迷っていたそうで。
合格ギリギリのラインだったようです。
技術的には問題ないけれど、怖いという気持ちがあるので大丈夫かな?と思われていたらしく。
それでもお情けで進級させてもらったポンちゃん。
やっぱりビビっていたんです
でも、気持ちの問題なので励ませばいけるんじゃないかと思った私。
「合格しようと考えずに、いつも通りに行けば?」と言ってみました。
するとポンちゃんは
「でも合格したいんよ〜」とのこと。
え〜!
合格したいけれど、進級テストはイヤって。
ムチャクチャや〜!
っていうか、やめたら合格もできませんけど
とりあえず、その晩はウヤムヤなまま話が終わりました。
きっと彼は納得していなかったんだと思います。
その時のやり取りで思ったのは「私の返し、あまり良くなかったかな」ということ
ポンちゃんをスイミングに行かせようという方向で話を進めすぎたかな。
ポンちゃんは足がつかないのが怖いと言っていたのに「コーチがいるから大丈夫」という返しは、よく考えたらポンちゃんの気持ちを否定していることになるのかな。
私は、何の気なしにそういう返しをしたけれど、ビビリのポンちゃんからしたら、突き放されたような気持ちだったかもしれません。
そんな風に、後から反省しました。
そして、思い直しました。
ポンちゃんは、合格したいという気持ちはあるんだから、やる気がないわけではない。
ということは、どうしても行かせようと説得しなくても、少し勇気が出れば自分から行くんじゃないかな?
まあ、行きたがらなかったら振替にでもすればいいか。
そんな感じで見守ることにしました。
さて、進級テスト当日。
学校から帰って来たポンちゃんは
「今日って進級テストよねぇ」と少し憂鬱そうな声
説得は諦めた私は
「ああ、そうやねぇ」と、さも今思い出した風に返事をしました。
内心では「ポンちゃんは、何て言い出すのかな?」と少しドキドキ。
するとポンちゃんは
「何かしんどいなぁ」と言い出しました。
これはポンちゃんの常套句で、私の「元気のかたまり、あげるよ」という返事待ちなんです。
「元気のかたまり」とは、瀕死のポケモンのHPを全回復するアイテム。
ウチでは「元気のかたまり」=「飴玉」なんですけどね(笑)
ご要望を受けて、ウチの瀕死のポケモンに「元気のかたまり」を与えました。
すると、効果がじわじわ表れ始めました。
「テストの時、怖かったらコーチに言ったら良いかな?」と言い出しました。
おっ、ちょっと勇気が出て来たかな?
ここぞとばかり私は
「良いと思うよ。怖かったら、ヘルパーをつけてもらったら良いよ」と返しました。
それでもポンちゃんは
「ダメって言われんかな?」とまだ不安そうな様子
「コーチは優しいけん、そんなこと言わんと思うよ」
「そっか」
ポンちゃんは安心したようでした
その時「この子は、不安な時に背中を押すんじゃなくて、さすって欲しいタイプなんだな」と思いました。
次男みー君は「コーチが待ってるよ」と言うと、張り切って走って行くタイプ。
一方、ポンちゃんはそういう声掛けはプレッシャーになってしまうみたいで。
そのため、ポンちゃんの怖いという気持ちに寄り添いながら、頑張りはちゃんと見ているよということを伝えました。
すると、案外すんなりとスイミングに行きました。
私は、もっとゴネると思っていたのでほっとしました。
そして、進級テストを終えての帰り道。
ポンちゃんの様子はどうだったかというと、上機嫌でおしゃべりが弾んでおりました
行く前はヘルパーをつけてもらう覚悟だったのですが、いざ行ってみたらヘルパーなしでも頑張れたそうで。
「怖くなかったん?」と尋ねると
「ううん、ちょっと怖かった。でも、ヘルパーなしでも大丈夫かもって思って、やってみたらいけたんよ」とのこと。
合格はしなかったけれど、怖いと思っていたことに立ち向かっていけたのが彼なりに嬉しかったのだと思います。
そういう意味で、スイミングを続けさせてきて良かったなと思いました
それと、今回のことで思ったことがあって。
それは、子供の不安な気持ちに寄り添えるような親でいたいなということ。
私が小学生の頃、家族でレストランに食事に行ったことがありました。
その時に、私が水をテーブルにこぼしてしまいました。
すると、父が私に、店員さんにフキンをもらって来るようにと言いました。
でも、私は人見知りが激しかったので、そんなことは到底無理だと思いました。
でも、父に怒られるのが怖くて一応店員さんの近くまで行きました。
でも、結局声を掛けることができず、そのまま引き返してきたということがありました。
父としては、私に人見知りを克服させたかったのかもしれません。
でも、私は父に突き放されたような気持ちになったのを覚えています。
何十年も経った今でもそのことを思い出すってことは、結構辛い経験だったのだと思います。
せめて父か母が一緒に店員さんのところまで行ってくれていたら違ったんだろうなぁ。
そんなことを思い出して、ポンちゃんやみー君にはそんな思いはさせたくないなと思ったんです。
でも、ポンちゃんに対する私の最初の声掛けは、これに近かったのかなと思ったりもして。
少し間違えると、子供との信頼関係は消えてしまうのかもしれないと考え込んでしまいました。
不安な気持ちを解消してあげるのは難しくても、せめて話を聞いて気持ちを分かってあげられるような親になりたいなぁ。