Aマッソ加納の短編小説集(『これはちゃうか』河出文庫)を読みながら、芸人が脚本家になったり画家になったり実業家になったり小説家になったり、2足のワラジの2足目の方で成果をあげるのをズルいと思ったり、嫉妬するのを感じる現実をふまえて、これはやはり大衆文化の革命の最後の段階なのだから、と思ったり。

いや芸人はもはやエリート階級なので、エリート階級で貴族同士が役割を回しているに過ぎないのだと思ったり、グルグル思ったり。

革命だったり自由だったり、かつて若者の代名詞だった概念も底が割れ、使用不可のガラクタになり果てた、もはや社会は垂直構造も水平構造も機能しない、無機的な集合体に過ぎないのだと思ったりする。つまりマップも方向も無い、無重力体の円いブヨブヨした物体が、ぼくらの社会なのだ。