Victor SX-V1-Mを手に入れる | オーディオ&トラベル・ジャイロカフェのブログ

ビクターのSX-V1-Mを手に入れました。

 

1995年頃に発売されたブックシェルフ型の小型スピーカー。

クルトミュラー社のコーン紙にアルニコ磁石を用いたウーファー、羽二重シルクソフトドームトゥイーター、マホガニーの無垢材を使ったキャビネットなどが売りでした。

 

無垢材を使ったスピーカーが大好きなので、マホガニーの無垢材使用という今となっては、とても贅沢なこのスピーカーには以前から興味津々でした。

 

ただ、増え続けるスピーカー、置き場所、お財布の中身、オーディオを聴くのに使える時間などから、本当に必要なのか?買っても聴くのか?と自問自答しておりました。

 

でも、新年を迎えるにあたって、これからの人生での時間の使い方を考えると、好きなことは徹底して極めようという想いが強くなり、気になる機材は可能な限り聴こうと腹をくくりました。


 

発売当時から、SX-V1シリーズは、音楽性の高いスピーカーとして、評価が高く、各オーディオ専門誌で、評論家が絶賛し、実際人気も高く結構売れたようです。

 

その証左に、SX-V1A-M、SX-V1Xとモデルチェンジをしながら、2000年過ぎ頃まで販売されていたので、中古市場でも数は割と出ています。

 

モデルチェンジの際の主な変更点は、

 

【VI-M→VIA-M】 

ウーファーのエッジが、布からゴムへ

トゥイーターの磁石がフェライトからアルニコへ

 

【V1A-M→V1X】

ウーファーが、オブリコーンへ

トゥイーターが、ソフトドームからメタルハードドームへ

といった内容。

 

音の変化はというと

代を重ねるごとに

良い言い方をすると、

完成度が上がった

悪い言い方をすると

持ち味が薄まった

となるようです(笑)

 

通常、私は、そのスピーカーの持ち味が出ていると思っている初代モデルを購入するのですが、今回はV1-MにするかV1A-Mにするか、真剣に迷いました。

 

オールアルニコ磁石に魅力的を感じたので。

 

でも結局は、

ウーファーのエッジは布の方が好きなこと、

初代モデルの音を聴いてみたいこと、

スピーカースタンド込みで価格が結構安価だったことから、

V1-Mを購入しました。

 

聴くところによれば、このスピーカーは、スタンド込みで音造りをしているので、スタンドは必須らしいです。

私も、スタンド付きのものを探しました。

 

 

購入したのは、ネット経由でとあるリサイクルショップからです。

 

現物の状態は残念ながら私的には今一歩。

 

「目立った傷やスレはない」との表現がされていて、

こう書かれていると私は、

「よく見ないと、傷やスレがあることには気づかない」

と理解するのですが

ショップにとっては

「遠目からでもはっきりわかるような大きさの傷やスレがない」

ということらしい。

 

この辺は主観の違いで難しいですね。

 

ホコリも結構積もっていました。

 

ただ、幸いなことに、ユニットはウーファーもトゥイーターも綺麗な状態です。

 

取扱説明書もついておりました。

 

 

さて、キャビネット、スタンドを簡単に拭き掃除した後、いよいよ音出しです。

 

どんな音がするのだろうか?

 

いつもドキドキする楽しみな瞬間です。

 

今回の試聴のラインナップは次の通りです。

CD・・・マランツCD-34

SACD・・・パイオニアDV-S747A

プリメインアンプ・・・ミュージカルフィデリティA3.2

 

一聴して、明るい音で、前に出てきます。

 

中高音域にほんのりと甘さと艶がのり、聴いていて快楽を感じます。

 

低音域は弾むような音を十分に出します。

 

特に、ボーカルや小編成のアコースティク楽器、特に女性ボーカルが白眉でした。

 

そのため、日本の歌手を中心に女性ボーカルをあれこれ再生して、SX-V1-Mの音触が奏でるメローディーに酔いしれながら、あっという間の数時間を過ごしました。

 

時間が経つにつれて、徐々にスピーカーもほぐれてきて本来持っていた音が戻ってきます。

 

アキュレートではありませんが、綺麗で魅力的でちょっと官能的な音です。

 

ただ、基調が明るい音質なので、暗い情感を歌う曲を聴きながらしみじみと感情に浸る的な使い方は難しそう。

 

まあ、そういう用途は、イギリスの伝統的なスピーカーに任せればよいですね(笑)

 

マホガニーの無垢材キャビネットに魅せられて、このスピーカーを購入した私としては、ひどくなくても、傷やスレ、塗装の変色などの存在が

どうしても気になります。

 

なるべく綺麗な状態のもので手元に置きたい。

 

でも、たった数時間、聴いてみただけでは、このスピーカーの本質には辿り着けません。

 

飽きがくるかもしれないので、意識してしばらく使い込んでみます。

 

そして、この音触なら、ずーと手元に残して付き合いたいと確信が持てたら、キャビネットのレストアを含めた本格的なメンテナンスに出そうかと考えています。

 

近いうちに、SX-V1A-Mも手に入れて、ひとつにまとめ、オールアルニコ、ウーファー布エッジのオリジナルSX-V1を作ったらどうだろうか・・・と妄想も膨らみます。