急な雷雨で

銀行にいた私は雨宿りをすることに。


でも、何分経っても降りやまず、

滞在時間が長くなるにつれて、

なんとなく居心地が悪くなってきて、次々と意を決して傘を広げて出ていく人たちを見ながら、

傘を持たない私は雨脚が弱くなるのを今か今かと待っていました。


すると、

警備員さんが一言、

「降ってきましたね~ 凄いですね~」

と声をかけてくれました。

その一言で、さっきまで感じていた居心地の悪さが消えて行きました。


仕事で次の予定が入っていたので、

仕方なく意を決して少し小降りになった雨の中、

いそいで職場に戻りました。


でも、職場に着いたころには、

すっかりずぶ濡れで、シャワーを浴びたような出で立ちになっていました。

職場の同僚たちが、大騒ぎをしながら私を出迎えてくれて、

それを聞きつけたディレクターが、風邪を引かないようにと、

自分の着替えに持ってきていた(汗対策?)シャツを貸してくれました。


着替えた私をみて、

「見慣れないけど、結構似合ってるよ」

と、普段私が身に着けないような色と柄のシャツを着ていることをおもしろがりながら、

次々に同僚たちが声をかけてくれました。


警備員さん、同僚たち、そしてディレクター。

雨に負けない位、投げかけられたやさしさに打たれながら、

なんてやさしい世界に私は住めているんだろうと、

しみじみ思いました。


急などしゃぶりに、なんてついていないんだろうとため息をつきましたが、

その雷雨がやさしい世界を見せてくれました