*とざした唇に Lippen schweigen* | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

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レハールと言えば、オペレッタ作曲家としてもヨハン・シュトラウス2世と肩を並べる存在。
中でもシュトラウス2世の「こうもり」と双璧をなすウィンナ・オペレッタの傑作「Die lustige Witwe(Merry Widow)」があります。
今日はその中でも特に有名な曲

「とざした唇に(Lippen schweigen)」

パリのポンテ・ヴェドロ公使館の書記官ダニロと莫大な遺産を受け継いだ未亡人ハンナの二重唱で、「メリー・ウィドウ・ワルツ」という別名でもよく知られている曲です。


《あらすじ》

【時と場所】 
1905年当時、フランス・パリ

【登場人物】
ダニロ(T、Br): 公使館の書記官
ハンナ(S): 老富豪の未亡人(ウィドウ)
ツェータ男爵(Br): パリ駐在のポンテヴェドロ公使
ヴァランシエンヌ(S): ツェータ男爵の妻
カミーユ(T): パリの色男
ほか

【第1幕】
時は1905年当時、舞台はパリ。パリにあるポンテヴェドロ(仮想の小国)公使館では、公使のツェータ男爵が悩みを抱えていました。それは、老富豪と結婚後わずか8日で未亡人となったハンナが、パリに居住を移したこと。もしハンナがパリの男と結婚したら、莫大な遺産が母国ポンテヴェドロから失われることとなり、国の存亡に関わるのです。
そこでツェータ男爵は、公使館の書記官ダニロを彼女と結婚させて、遺産が他国に流出するのを食い止めようとします。実はダニロは、ハンナと過去に愛し合っていた仲でしたが、身分の違いから彼の親族が反対したため、結婚できなかったという経緯がありました。彼は、大金持ちとなったハンナに、いまさら結婚したいと言い出せません。ハンナとしても意地があるわけで、素直になることはできません。
 
【第2幕】
翌日、ハンナ邸で開かれた夜会で、ツェータ男爵の妻ヴァランシエンヌが、パリの色男カミーユに口説かれていました。ヴァランシエンヌは自らの扇子に「私は貞淑な人妻です」と書いて誘いを断ります。けれど、ヴァランシエンヌはとうとうカミーユの誘いを振り切れず、庭の小屋で二人きりになります。それに気付いたのが夫のツェータ男爵。怒って現場を押さえようとすると、小屋から出てきたのはカミーユとハンナでした。ヴァランシエンヌを救うためにハンナがうまく入れ替わったのです。そして成り行きでハンナは、カミーユとの婚約を発表します。それを聞いて驚いたのはダニロ。彼は心の中の動揺が隠せません。彼の動揺する姿から、ハンナは自分への愛を確かめることができました。
 
【第3幕】
祖国存亡の名目もあり、ダニロは、ハンナとカミーユの結婚を阻止しようと、ハンナを説得します。カミーユとの結婚は無しとなり、ダニロとハンナは和解しましたが、それでもダニロは結婚を申し込もうとしません。
このときハンナは、亡夫の遺言に「再婚するなら、彼女は全財産を失う」とあることを明らかにします。それを聞いて喜んだダニロは、即座に求婚しました。ハンナは喜んでこの申し出を受けて、遺言の続きを明らかにします。そこには「彼女の失った全財産は、再婚した相手に与える」とあったのでした。
ところで、ハンナ邸の庭の小屋にヴァランシエンヌの扇子が落ちていたことから、カミーユとの一件が、ツェータ男爵の知るところとなります。ツェータ男爵がヴァランシエンヌに離婚を告げると、彼女は扇子を開くように言います。そこにはもちろん「私は貞淑な人妻です」と書かれており、ツェータ男爵は妻に許しを求めたのでした。

(以上、「わかる!オペラ情報館」より引用)


Lippen schweigen


Lippen schweigen (Merry widow waltz)
(Danilo)
Lippen schweigen, 'sflüstern Geigen:
Hab' mich lieb!
All' die Schritte sagen bitte,
hab' mich lieb!
Jeder Druck der Hände
deutlich mir's beschrieb
Er sagt klar, 'sist wahr, 'sist wahr,
du hast mich lieb!

 
(ダニロ)
夢見る調べが
愛を
運ぶ足取りに
愛を
にぎりしめた
手と手には
あなたの愛が
ささやく


(Hanna)
Bei jedem Walzerschritt
Tanzt auch die Seele mit
Da hüpft das Herzchen klein
es klopft und pocht:
Sei mein! Sei mein!
Und der Mund er spricht kein Wort,
doch tönt es fort und immerfort:
Ich hab dich ja so lieb,
Ich hab dich lieb!


(ハンナ)
ワルツにのり
飛ぶおもいよ
揺れる胸は
ときめき
ふるえる
何も言わないで
心から愛を
捧げますわ
あなたに


(Danilo, Hanna)
Jeder Druck der Hände
deutlich mir's beschrieb
Er sagt klar: 'sist wahr, 'sist wahr,
du hast mich lieb!


(ダニロ,ハンナ)
にぎりしめた
手と手には
あなたの愛が
ささやく



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