*椰子の実* | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

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今日はちょっと季節外れですが(笑)、大中寅二作曲、島崎藤村作詞の

「椰子の実」

です。

この話は有名なのでご存知の方も多いでしょうが、1898年(明治31年)後に偉大な民俗学者となる柳田國男が東京帝国大学2年生だったときに、愛知県の伊良子岬に1か月ほど滞在しました。
その滞在中、柳田は海岸に漂着した椰子の実を見つけ、日本民族の故郷は南洋諸島だと確信したそうです。

柳田が親友の島崎藤村にその話をすると、藤村はいたく感激し故郷を離れて漂白する自らの境涯をこの椰子の実に重ね、後に歌曲となる「椰子の実」の詩を詠んだということです。同じ椰子の実について、学者である柳田と詩人である藤村の感性の違いも面白いですね。

大中寅二は、作曲家であり教会オルガニストです。作曲を山田耕筰に師事し1924年にベルリンに留学しています。
1936年、「NHK国民歌謡」から依頼されこの曲を作曲しました。


ヤシの実


 椰子の実
名も知らぬ 遠き島より
流れ寄る 椰子の実一つ
故郷の岸を 離れて
汝(なれ)はそも 波に幾月(いくつき)

旧(もと)の木は 生いや茂れる
枝はなお 影をやなせる
われもまた 渚(なぎさ)を枕
孤身(ひとりみ)の 浮寝(うきね)の旅ぞ

実をとりて 胸にあつれば
新(あらた)なり 流離(りゅうり)の憂(うれい)
海の日の 沈むを見れば
激(たぎ)り落つ 異郷の涙

思いやる 八重の汐々(しおじお)
いずれの日にか 国に帰らん




鮫島有美子


歌手不明


倍賞千恵子


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