*夜も昼も Night and Day* | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

ミスター・ビーンのお気楽ブログ

好きな音楽の話題を中心に、気の向くままに書いていきます。

【1940~1950年②】
1942~1944年のミュージシャンによるストライキの期間、コロンビア・レコードは、ハリー・ジェイムスとシナトラによる「オール・オア・ナッシング・アット・オール(All or Nothing at All)」を再リリースしました。このレコードは、最初1939年8月に録音されシナトラが有名になる前にリリースされたのですが、オリジナル版はシナトラの名前すら記載されてはいませんでした。ところが、人気上昇中のシナトラの名前を大々的に記し1943年に再リリースされると、レコードは18週間ベスト・セラー・リストに載り、1943年6月2日には第2位にチャートされました。

シナトラは、1943年6月1日、コロンビア・レコードとソロ・アーティストとして契約を交わし、1942年から1944年までのミュージシャンによるストライキ期間中に大成功を収めます。
ストライキの間、新しいレコードは出されなかったのですが、シナトラはラジオや舞台に登場し活躍します。コロンビア側は出来るだけ早くこの人気上昇中のスターの新譜を出したいと思っており、シナトラの方はコロンビアを説得してアレック・ワイルダー(Alec Wilder)を雇わせます。
そしてワイルダーの編曲と指揮で、ヴォーカル・グループ、ザ・ボビー・タッカー・シンガーズ(the Bobby Tucker Singers)とセッションを行います。最初のセッションは1943年6月7日、以下6月22日、8月5日、11月10日と続きますが、セッション中に録音した9曲の中、7曲がベスト・セラー・リストにチャートされ成功を収めました。

sinatra

さて、今日の曲はこの時期にシナトラが録音した名曲

「夜も昼も(Night and Day)」

言わずと知れたコール・ポーター(Cole Porter)作詞・作曲の名曲で、1932年のミュージカル「ゲイ・ディヴォース(Gay Divorce)」の挿入歌です。
タップダンスの名手フレッド・アステア(Fred Astaire)が先ず舞台で紹介し、更に1934年の映画「ゲイ・ディヴォース(Gay Divorce)」の中でジンジャー・ロジャースと共演して歌いました。
その後、多くの歌手によってカヴァーされ、ジャズのスタンダード・ナンバーになりましたが、今日は1943年と1961年のシナトラ版、1934年のフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースの映画版、最後にイタリア・オペラ最高のバス歌手チェーザレ・シエピ版をアップしてみます。


gay divorce


Nignt and Day
Like the beat beat beat of the tom-tom
When the jungle shadows fall
Like the tick tick tock of the stately clock
As it stand against the wall
Like the drip drip drip of the rain drops
When the summer shower is through
So a voice withn’me keeps repeating you, you, you


ジャングルに夜の帳が下りて
鳴り響く太鼓の音のように
壁に立てかけた厳めしい時計が
チク、タクと時を刻む音のように
夏の驟雨(しゅうう)が止み
雨粒がポトポトと滴る音のように
僕の心の声は絶えず繰り返すのだ
あなた、あなた、あなたと


Night and day you are the one
Only you beneath the moon and under the sun
Whether near to me or far, it’s no matter, darling,
Where you are I think of you, night and day,


夜も昼も、ただあなたのこと
月夜の下でも太陽の下でも ただ思うのはあなたのこと
近くにいようが遠くにいようが、どこにいようが同じこと
夜も昼も、ただ思うのはあなたのこと


Day and night why is it so
That this longing for you follows wherever I go?
In the roaring traffics boom
In the silence of my lonely room
I think of you night and day


昼も夜も、何故なのだろう?
何処へ行こうが、あなたを求める熱い思いがついてまわる
車の行き交う喧噪のなかでも
寂しい部屋の静寂のなかでも
夜も昼も、ただ思うのはあなたのこと


Night and day under the hide of me
There’s an oh, such a hungry yearning
Burning inside of me
And its torment won’t be through
Till you let me spend my life making love to you
Day and night, night and day


夜も昼も、僕の心の奥底には
内に激しく燃え盛る
憧れと渇望がある
そして、その苦しみは終わることはないだろう
生涯あなたを愛することをあなたが許してくれるまでは
昼も夜も、夜も昼も


(ミスター・ビーン訳)

シナトラ(1943年版)


シナトラ(1957年版)


映画「'The Gay Divorcee' (1934)」、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャーズ


チェーザレ・シエピ


ペタしてね