*Sérénade(セレナード)*(グノー) | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

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今日のフランス歌曲は、シャルル・フランソワ・グノー( Charles François Gounod)(1818~1893)の

「セレナード Sérénade」

詩は、ロマン派の大詩人ヴィクトル・ユゴー。
グノーの歌曲の中では、ヨハン・ゼバスティアン・バッハの《平均律クラヴィーア曲集 第1巻》の「前奏曲 第1番 ハ長調」を伴奏に、ラテン語の聖句「アヴェ・マリア」を歌詞に用いて完成させた「アヴェ・マリア」と並んでよく知られた曲。
日本では、昭和10年頃に「夜の調べ」という題名でソプラノの関屋敏子さんがレコードに吹き込み、巷でもかなりよく歌われていたようです。一応youtubeに関屋さんのレコードがアップされていますが、失礼ながらとても聴くに堪えない歌唱というのが正直なところです。

芸術歌曲というと、日本ではどうしてもドイツ・リートが中心になりますが、フランスの場合は先ず18世紀頃から貴族のサロンで演奏されたロマンスが出発点のようです。やや甘ったるい感傷的で耳触りの良い曲が主流でした。マスネーやアーンの歌曲がその流れを受け継いでいると言えるでしょう。その後、ドイツ・リートとは全く趣を異にした芸術歌曲、メロディーが生まれ、フォーレ、ドビュッシー、ラヴェルが活躍することになります。
グノーの歌曲は、言わば「ロマンス」と「メロディー」の橋渡し的役割を果たしていると言えそうです。




Sérénade
Quand tu chantes, bércée,
Le soir, entre mes bras,
Entends-tu ma pensée
Qui te répond tout bas?


僕の腕に揺すられて
夜、君が歌うとき
聞こえるだろうか?
小声で答える僕の想いを


Ton doux chant me rappelle
Les plus beaux de mes jours.
Ah! Chantez, chantez, ma belle,
Chantez, chantez toujours


君の優しい歌声で
麗しい日々が蘇る
ああ、歌っておくれ、美しい君
歌っておくれ、いつまでも


Quand tu ris, sur ta bouche
L’amour s’épanouit
Et soudain le farouche
Soupçon s’évanouit.


君が笑うと、その唇に
愛の花が咲きそめる
するとたちまち
暗い疑いも消えるのだ


Ah! le rire fidèle
Prouve un coeur sans detours!
Ah! Riez, Riez, ma belle,
Riez, riez toujours


ああ、その二心ない笑(えみ)は
君の真っ直ぐな心の証(あかし)
そう、笑っておくれ、美しい君
笑っておくれ、いつまでも


Quand tu dors, calme et pure,
Dans l’ombre sous mes yeux,
Ton haleine murmure
Des mots harmonieux,


闇の中、静かにそして清らかに
僕に見守られて眠るとき
君の吐息が囁くのは
快く響く甘い言の葉


Ton beau corps se révèle
Sans voile et sans atours.
Ah! Dormez, dormez, ma belle,
Dormez, dormez toujours


美しく露(あらわ)になるのは
一糸まとわぬ君の寝姿
ああ、眠っておくれ、美しい君
眠っておくれ、いつまでも


(ミスター・ビーン訳)


ブルーノ・ラプラント


スミ・ジョー


Angela Gheorghiu


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