*Mr.Snow(ミスター・スノウ)*回転木馬より | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

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「回転木馬(Carousel)」は、1945年に、リチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン2世によって書かれたブロードウェイミュージカル。
原作はフェレンク・モルナールの戯曲「リリオム」で1934年には映画化されています。

「回転木馬」の方は1956年、20世紀フォックスが映画化していますが、原作の「リリオム」とはストーリーの展開がかなり違っているようです。
1993年にはリバイバル上演され、トニー賞の最優秀リバイバルミュージカル賞を受賞しています。

まず、そのオープニングのシーンと全体のダイジェスト版です。

オープニングは、天国。
主人公のビリーは、せっせと星磨きに精を出していますが身内が地上でトラブルに巻き込まれていると聞き、星守から1日地上に戻る許可を貰いに行きます。





ビリーの回想が始まります。

海岸の近くの広場にメリーゴーランドが建っています。マリン夫人の経営する「マリンの回転木馬」です。
なかなか盛況で、大勢の人々が集まり、やがて二人の若い娘、ジュリーとその友達のキャリーもやって来ます。

呼び込み係で人気者のビリーの周りに娘たちが集まり、ジュリーとキャリーも吸い寄せられるように彼の所にやって来ます。
じっとビリーを見つめるジュリー。やがてビリーもその視線に気づき二人はじっとお互いを見つめ合います。それがビリーとジュリーの初めての出会いでした。

ビリーに気のあるマリン夫人は気が気ではありません。
なにかとジュリーの邪魔をして回転木馬に乗せまいとするのですが、ビリーは夫人の隙をついてジュリーを木馬に乗せてしまいます。楽しそうに見つめ合う二人。
木馬に乗り終わって、帰ろうとするジュリーとキャリーにマリン夫人は凄い剣幕で近づき「二度とここに来るんじゃないよ!またビリーに色目を使ったら承知しないからね!」と怒鳴りつけます。
3人が言い争っている所にビリーが仲裁に入りますが、なにかとジュリーの肩をもつので、マリン夫人は終に切れてビリーをクビにしてしまいます。

ビリーは気晴らしにビールでも飲もうと言い、荷物をまとめてくる間、海岸の木陰のベンチの所で待つようにジュリーとキャリーに言って回転木馬に戻っていきます。
二人が約束の場所に向かう途中、キャリーは自分には結婚を約束した恋人がいるとジュリーに打ち明けます。


「ミスター・スノウ(Mr.Snow)」


Mr.Snow
His name is Mister Snow,
And an up-standing man is he.
He comes home every night in his round-bottomed boat,
With a net full of herring from the sea.
An almost perfect beau,
As refined as a girl could wish.
But he spends so much time in his round-bottomed boat
That he can't seem to lose the smell of fish.


彼の名前はミスター・スノウ
とても実直な人なのよ
毎晩ニシンを一杯積んで
海から船で帰ってくるの
とっても洗練されていて
申し分ないハンサムだけど
船で過ごす時間が長いから
魚の臭いが抜けないの


The first time he kissed me the whiff from his clothes
Knocked me flat on the floor of the room.
But now that I love him, my heart's in my nose
And fish is my fav'rite perfume!


初めてキスをされたとき
あまりの臭いに耐え切れず
私は気絶しちゃったの
でも今は 愛しているから気にしない
魚の臭いは大好きな香水よ


Last night he spoke quite low,
And a fair-spoken man is he.
And he said "Miss Pipperidge, I'd like it fine
If I could be wed with a wife.
And indeed, Miss Pipperidge, if you'll be mine,
I'll be yours for the rest of my life."


ゆうべ 彼がささやいたの
言葉も巧みな人なのよ
「もし僕が妻を娶るなら
立派にやってのけましょう
君が僕のものになったなら
生涯僕も君のもの」


Next moment we were promised,
And now my mind's in a maze.
For all it can do is look forward to
That wonderful day of days!


すぐに婚約したけれど
頭の整理がつかないの
だって待ち遠しくて仕方がないわ
生涯最良の日ですもの


When I marry Mister Snow
The flowers'll be buzzin' with the hum of bees
The birds'll make a racket in the church yard trees
When I marry Mister Snow
Then it's off to home we'll go.
And both of us'll look a little dreamy-eyed
A driving to a cottage by the Oceanside
Where the salty breezes blow.


私たちが結婚するときは
花にはミツバチが群れ飛んで
教会の庭では小鳥たちが大騒ぎ
私たちが結婚すると
それから新居に向かうのよ
二人とも夢見心地の顔をして
海岸沿いの新居にドライブ
潮の香りがする新居なの


He'll carry me 'cross the threshold,
And I'll be as meek as a lamb.
Then he'll set me on my feet,
And I'll say kinda sweet,
"Well, Mister Snow, here I am."


彼は私を抱えて家に入る
子羊みたいに従順な
私を彼は立たせてくれる
私は優しくこう言うの
「ねえ、あなた 私はやって来ましたよ」


Then I'll kiss him so he'll know
That evry'thin'll be as right as right can be
A living in a cottage by the sea with me
For I love that Mister Snow.
That young sea-faring,
Bold and daring,
Big bewhiskered, overbearing
Darling Mister Snow.


それから彼にキスするの
すると彼にはわかるのよ
なにもかもが上手く行くって
海辺の家での私との暮らしが
だってあの人を愛しているから
あの若い船乗りを
勇敢で大胆な
頬髯をはやした大男 貫禄十分な
愛しいあの人を


(ミスター・ビーン訳)



Jessie Mueller