*「星の王子さま第12章」+ アンドレ・リュウ ・アラカルト「乾杯の歌」* | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

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宝石ブルーサン=テグジュペリの言葉
今日は「星の王子さま」第12章を全文掲載します。
王子が次に訪れた惑星には夥しい数の酒瓶を前にして、一人黙って酒を飲んでいる「飲兵衛」がいます。その悲しげで苦しげな様子に胸を痛めた王子が、「なぜ酒を飲むのか?」と訊くと、「忘れるためだ」と飲兵衛は答えます。「何を忘れるためか?」と重ねて王子が訊くと、飲兵衛は「恥ずかしいのを忘れるためだ」と答えます…


CHAPITRE XII
La planète suivante était habitée par un buveur. Cette visite fut très courte, mais elle plongea le petit prince dans une grande mélancolie :

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– Que fais-tu là ? dit-il au buveur, qu’il trouva installé en silence devant une collection de bouteilles vides et une collection de bouteilles pleines.

– Je bois, répondit le buveur, d’un air lugubre.

– Pourquoi bois-tu ? lui demanda le petit prince.

– Pour oublier, répondit le buveur.

– Pour oublier quoi ? s’enquit le petit prince qui déjà le plaignait.

– Pour oublier que j’ai honte, avoua le buveur en baissant la tête.

– Honte de quoi ? s’informa le petit prince qui désirait le secourir.

– Honte de boire ! acheva le buveur qui s’enferma définitivement dans le silence.

Et le petit prince s’en fut, perplexe.

« Les grandes personnes sont décidément très très bizarres », se disait-il en lui-même durant le voyage.



44分30秒から45分44秒まで



星の王子さま 第12章
次の惑星には飲兵衛(のんべえ)が住んでいました。この訪問はとても短かったのですが、王子をひどく憂鬱な気分にさせたのです。

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「おじさん、そこで何してるの?」と、王子は飲兵衛に言いました。彼は空の酒瓶の山とまだ封を切っていない酒瓶の山を前にして、黙然(もくねん)と座っていたのです。

「飲んでるのさ。」と、飲兵衛は陰気に答えました。

「なぜ飲んでるの?」と、王子が訊くと、

「忘れるためさ。」と、飲兵衛は答えました。

「何を忘れるの?」もうその男が気の毒になってきた王子は重ねて尋ねました。

「恥ずかしいのを忘れるためさ。」うつむきながら飲兵衛は告白しました。

「何が恥ずかしいの?」彼を救ってやりたいと思って、王子は尋ねました。

「酒を飲むことがさ!」飲兵衛はそう言い終わると、沈黙の殻にすっかり閉じ籠ってしまいました。

そこで訳が分からなくなった王子は、その惑星からもさっさと逃げ出しました。

「大人って、どう考えてもへんてこりんだ。」旅を続けながら、王子は再びそう思うのでした。


(私訳)




宝石紫今日の1曲

今日のアンドレ・リュウは、お馴染みのヴェルディのオペラ「椿姫」から

「乾杯の歌( Libiamo ne' lieti calici)」

プラチナ・テノールの3人とカルメン・モナルカ、カルラ・マフィオレッティ、スーザン・エレンスの綺麗どころが陽気に歌い上げます。
「星の王子さま」の飲兵衛とは対照的な、こういう楽しい酒ならいいんですがね
(笑)