*フランク・シナトラ(20)ー ハロー・ヤング・ラヴァーズ ー* | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

ミスター・ビーンのお気楽ブログ

好きな音楽の話題を中心に、気の向くままに書いていきます。

【1970年~1980年①】
1971年6月13日、ハリウッドで「映画及びTVによる困窮者救済基金」のための募金コンサートの席上、55歳になったシナトラは、自分が引退を考えており36年にわたるショウビジネスのキャリアに終止符を打つと告げます。

1973年、シナトラは「オールド・ブルー・アイズ・イズ・バック(Ol' Blue Eyes Is Back)」というテレビ・スペシャルに出演、また同名のアルバムを出すことで再び芸能界に復帰します。アルバムはゴードン・ジェンキンス(Gordon Jenkins)、ドン・コスタ(Don Costa)が編曲を担当し、大成功を収め、ビルボード・チャートでは13位、UKチャートでは12位を獲得しました。

1974年1月には、シナトラはラス・ヴェガスに戻り、シーザース・パレス(Caesars Palace)に出演します。
1970年にシーザース・パレスの支配人、サンフォード・ウォーターマンとの激しい口論の最中、彼に銃を突き付けられたシナトラは、それ以後、二度とここには出演しないことを誓っていたのですが、ウォーターマンが射殺されたためシナトラ復帰の道が開かれたのでした。


今日の1曲は1965年、ミュージカル「王様と私」からのカヴァー曲

「ハロー、ヤング・ラヴァーズ(Hello, Young Lovers)」

この曲も以前、私のブログで取り上げましたが、王様の家庭教師となったアンナが亡き夫トムの写真を眺めながら、夫への思慕を切々と歌い上げる美しい名曲。
日本ではあまり知られていないようですが、シナトラを始め、アンディ・ウィリアムス、サミー・デイヴィスJr.等、多くの歌手がカヴァーしています。

今日は、シナトラ版、1956年の映画版、2008年のカーリー・ブラッコ(Carly Bracco)版の三つを取り上げてみました。




Hello Young Lovers
When I think of Tom.
I think of a night,
When the earth smelled of summer
And the sky was streaked with white,
The soft mist of England
Was sleeping on a hill.


トムのことを思うと
ある夜のことが蘇るの
大地は夏の香に包まれて
空には白い雲の帯
丘には霧が柔らかく
眠るように漂っていた


I remember this,
And I always will...
There are new lovers now
On the same silent hill,
Looking on the same blue sea.
And I know Tom and I are a part of them all --
And they're all a part of Tom and me.


今また思い出が蘇る
色あせることのない思い出が
昔二人が佇んだ静かな丘に
新たな恋人たちが立っている
あの時と同じ青い海を見つめて
そしてトムと私も 新たな恋人たちも
同じ想いに酔いしれている


Hello young lovers, whoever you are,
I hope your troubles are few.
All my good wishes go with you tonight,
I've been in love like you.


こんばんは小鳩さんたち 見知らぬあなた方ですが
恋は上手くいってるかしら
あなたたちの幸せを 心の底から祈ってます
昔は恋した身ですもの


Be brave, young lovers, and follow your star,
Be brave and faithful and true,
Cling very close to each other tonight.
I've been in love like you.


勇気をだして進みなさい 幸せの星をつかむのよ
勇気をだして迷わずに 真実の想いをつらぬくの
今宵は二人離れてはだめ
私も昔は恋した女


I know how it feels to have wings on your heels,
And to fly down the street in a trance.
You fly down a street on the chance that you meet,
And you meet -- not really by chance.


足に翼が生えたように
夢見心地で歩いたわ
もしかしたらと胸おどらせて
すると あの人が現れるの


Don't cry young lovers, whatever you do,
Don't cry because I'm alone;
All of my memories are happy tonight,
I've had a love of my own.
I've had a love of my own, like yours-
I've had a love of my own.


泣いて欲しくはないわ お若い二人
私が一人ぼっちだからって泣かないで
昔の楽しい思い出が 今宵は全て蘇り
私も恋に酔いしれてるの
あなたたちと変わらずに
昔の恋に酔いしれてるの


(私訳)




シナトラ(1965)


映画「王様と私」(1956)より


Carly Bracco(2008)