*フランク・シナトラ(13)ー酒と薔薇の日々ー* | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

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【1960~1970年①】
1960年代に入り、シナトラの60年代最初のアルバム「ナイス・アンド・イージー(Nice 'n' Easy)」は、ビルボード・チャートのトップになり決定的な称賛を獲得しました。
シナトラは、しだいにキャピトル・レコードに不満を抱くようになり、ワーナー・ブラザーズ・レコードとの共同出資で、彼自身のレーベル「リプリーズ・レコード(Reprise Records)を立ち上げることに踏み切ります。これは、シナトラの作品と彼の音楽仲間であるサミー・デイヴィス・ジュニアやディーン・マーティン等の作品を発売する為の会社です。もっとも、後にシナトラはレコード会社の経営に興味を失い、ワーナー・ブラザーズ・レコードが彼の株を買い取り吸収合併することになります。
リプリーズ・レコードでの最初のアルバムは、1961年の「リング・ア・ディン・ディン(Ring-A-Ding Ding!)」ですが、大成功を収めピーク時にはビルボード・チャートで4位、the UK・チャートでは8位を記録しました。

シナトラの4度目の、そしてこれが最後になるタイメックスTVスペシャル(Timex TV special)は1960年3月に放送されますが、大変な高視聴率をあげました。
「旅は素敵(It's Nice to Go Travelling)」というタイトルのこのショーは、むしろ「お帰り、エルヴィス(Welcome Home Elvis)」という名前で知られています。陸軍除隊後、エルヴィスがこのショーに出演したことは、幾分皮肉なものでした。1950年代中盤、シナトラはエルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)には極めて批判的だったからです。
「ああいう音楽は嘆かわしい。腐った臭いのする媚薬のようなものだ。それは若者の心にある否定的で破壊的な傾向を助長する」
これに対して、プレスリーはこう応酬しました。
「シナトラは偉大な成功者だし、素晴らしい俳優だ。でも、ああいう発言はどうかと思うね。ロックンロールは時代の潮流なんだ。シナトラだってデビューの頃には、時代の潮流に乗ったのさ」
皮肉なことに、その後シナトラはレコードの売上を維持するために、プレスリーのヒット曲「ラヴ・ミー・テンダー(Love Me Tender)、ポール・サイモンの「ミスィズ・ロビンソン」、ビートルズの「イエスタデー」、ジョニー・ミッチェルの「ボース・サイド・ナウ」等を録音することになりました。




今日は、1964年、リプリーズ・レコードからリリースしたアルバム「シナトラ、アカデミー賞受賞作品を歌う(Sinatra Sings Days of Wine and Roses, Moon River, and Other Academy Award Winners)」の中から

「酒と薔薇の日々(Days of Wine and Roses)」

1962年の同名の映画の主題曲。作曲はヘンリー・マンシーニ(Henry Mancini)、作詞はジョニー・マーサー(Johnny Mercer)。アカデミー・ベスト・オリジナル・ソング賞を受賞しました。1963年のアンディ・ウィリアムズのレコードが定番となっていますが、シナトラの他にペリー・コモウエス・モンゴメリー等、多くの歌手がカヴァーし、ジャズのスタンダードになっています。


映画「酒と薔薇の日々」




Days of Wine and Roses
The days of wine and roses laugh and run away like a child at play
Through a meadow land toward a closing door
A door marked "nevermore" that wasn't there before


酒と薔薇の日々は
笑いながら駆け抜けていく
それはまるで草原に遊ぶ子供のよう
駆け抜けて、閉まりかけた扉に向かうと
そこには前にはなかった言葉がある
「二度と開かぬ」という言葉が


The lonely night discloses just a passing breeze filled with memories
Of the golden smile that introduced me to
The days of wine and roses and you


孤独な夜に現れるのは
思い出に満ちた吹き抜ける風
光り輝く微笑みの思い出
あの日々に私を導いた微笑み
酒と薔薇と
そしてあなたのいる日々に


(The lonely night discloses) just a passing breeze filled with memories
Of the golden smile that introduced me to
The days of wine and roses and you-oo-oo


(孤独な夜に現れるのは)
思い出に満ちた吹き抜ける風
光り輝く微笑みの思い出
あの日々に私を導いた微笑み
酒と薔薇と
そしてあなたのいる日々に


私訳

シナトラ


アンディー・ウィリアムズ


ペリー・コモ