市庁舎公園の奥には立派な尖塔がそびえるウィーン新市庁舎があり
ます。
6月30日から9月2日までは、広場に大型モニターが設置され、日が
沈むとコンサートやオペラ、オペレッタなどが上映されるそうです
が我々が行った日は映画祭が行われることになっていたようです。
入場料は無料とのこと。広場には屋台がオープンし、世界各国の名
物料理を売っていました。
環状道路(リンク)を挟んで市庁舎公園の向かい側にあるのがブル
ク劇場。
1888年に現在の位置に完成しましたが、1945年の爆撃と火災で焼失。
1955年に再建されたのが今の建物です。
モーツアルトの「後宮からの誘拐」、「フィガロの結婚」、「コジ・
ファン・トゥッテ」、ベートーヴェンの交響曲第1番はこの劇場で初
演されたそうです。
さて、市庁舎公園を通り過ぎ、通りを一つ越えるとやや小ぶりな古い
建物が見えてきます。ウィーン大学です。
大学というと、門があり広々としたキャンパスの向こうに建物がある
というイメージがありましたのでちょっと驚きました。
門もなにもなく石の階段を登るとすぐに正面玄関になります。
ウィーン大学正面全景
正面入り口
正面建物の上部に彫られた彫刻
ウィーン大学は1365年に創立され、ドイツ語圏では最古のそして最大の大学
です。ルドルフ4世がチェコのカレル大学に対抗して創立したもので、最初は
「ルドルフ4世大学」と呼ばれていたそうです。
主に理系を中心に多くのノーベル賞受賞者を輩出しています。大学構内には
受賞者の銅像が立ち並んでいました。
この大学で教鞭をとった著名な学者も多く、その中には作曲家のアントン・
ブルックナー、精神分析学者のジクムント・フロイト、哲学者、物理学者の
エルンスト・マッハ、物理学者、数学者のクリスチャン・ドップラーなどが
います。
また、この大学で学んだ著名人には、詩人、作家、劇作家のフーゴー・フォン・
ホフマンスタール、作家のカール・クラウス、作曲家、指揮者のグスタフ・
マーラー、遺伝学の祖グレゴール・ヨハン・メンデル、作家・評論家のシュテ
ファン・ツヴァイク、日本人では、歌人、精神科医の斉藤茂吉などがいます。
どうやら出入り自由のようなので、思い切って建物の中に入ってみます。
ホールに入ると、若い女性が二人カウンターに並んでいて観光客の相手をして
います。金額は忘れましたが、手数料を支払うと英語で構内を案内してくれ
るそうです。
我々はそこまでの興味もないので、勝手に構内を見物することに決めました。
最初に目についたのは、ホールの片隅になにやらびっしりと名前のようなもの
を書き込んだコーナーが有ります。これがなんと卒業生名簿らしい!
中庭に出るとこんな感じです。
アーケードの下には、作曲家のブルックナーをはじめ著名人の胸像、ノーベル
賞受賞者の胸像が並んでいます。
最新の研究成果を発表するパネルも並んでおり、ドイツ語と、とてもわかり易い
英語で解説されていました。
中庭の真ん中には、白い女神像が有りその足元には蛇の像が有ります。知恵の
象徴という意味なのでしょうか?
そろそろ日も傾いて来たので、我々はウィーン大学を後にして、大学の近くにある
大きな教会へと向かいます。
では、最後にブラームスの
「大学祝典序曲」
を聴いてお別れします。