*寝苦しい夜に…グノーのセレナード* | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

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好きな音楽の話題を中心に、気の向くままに書いていきます。

今年もまた酷暑の夏…熱帯夜ということで寝苦しい夜が続いています
ガーン

嘘か本当か分かりませんが、この時期、日本に初めて来る欧米人が最
初に覚える日本語は、「ムシアツイ!」だそうです。
私も、ここ3年ほど、この暑い時期にカナダやヨーロッパに旅行に出か
けてますが夏の快適さにはビックリしてしまいます。
確かに、日中は結構気温が上がりますがとにかく湿度が低い!
ちょっと暑いなと思っても木陰にはいると体を涼風が吹きぬけて行きます。

ただ、日本でもこういう快適さを味わえる所は無いこともない。
そう、信州の高原ですね!
北軽井沢や蓼科など、標高1000mを超える高原では全くこれと同じ気分
が味わえます。
山の日差しは強いですが、木陰に入れば別天地、全くヨーロッパと同じ
でした。
それまでは貧しい山村であった軽井沢を、見違えるような別荘地帯に開拓
したのがイギリス人だったという理由も何か分かるような気がします。

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さて、そんな寝苦しい夜が続く今日この頃、優しく眠りに誘ってくれそう
なセレナードを今日はアップしてみたいと思います。
この曲は以前、私のブログの「いっそセレナーデ」シリーズで一度取り上
げているので再登場となります。

シャルル・フランソワ・グノー(1818~1893)の

「セレナード Sérénade」

詩は、ロマン派の大詩人ヴィクトル・ユゴー
日本では、昭和10年頃に「夜の調べ」という題名でソプラノの関屋
敏子さんがレコードに吹き込み、巷でもかなりよく歌われていたよ
うです。

前回は韓国のソプラノ、スミ・ジョーのヴァージョンをご紹介しま
したが、今日はフランスのバリトン、フランソワ・ル・ルーとアメ
リカのカウンター・テナー、デイヴィッド・ダニエルズの歌唱で聴
いてみましょう。


Sérénade
Quand tu chantes, bércée,
Le soir, entre mes bras,
Entends-tu ma pensée
Qui te répond tout bas?


僕の腕に揺すられて
夜、君が歌うとき
聞こえるだろうか?
小声で答える僕の想いを


Ton doux chant me rappelle
Les plus beaux de mes jours.
Ah! Chantez, chantez, ma belle,
Chantez, chantez toujours


君の優しい歌声で
麗しい日々が蘇る
ああ、歌っておくれ、美しい君
歌っておくれ、いつまでも


Quand tu ris, sur ta bouche
L’amour s’épanouit
Et soudain le farouche
Soupçon s’évanouit.


君が笑うと、その唇に
愛の花が咲きそめる
するとたちまち
暗い疑いも消えるのだ


Ah! le rire fidèle
Prouve un coeur sans detours!
Ah! Riez, Riez, ma belle,
Riez, riez toujours


ああ、その二心ない笑(えみ)は
真っ直ぐな君の心の証(あかし)
そう、笑っておくれ、美しい君
笑っておくれ、いつまでも


Quand tu dors, calme et pure,
Dans l’ombre sous mes yeux,
Ton haleine murmure
Des mots harmonieux,


闇の中、静かにそして清らかに
僕に見守られて眠るとき
君の吐息が囁くのは
快く響く甘い言の葉


Ton beau corps se révèle
Sans voile et sans atours.
Ah! Dormez, dormez, ma belle,
Dormez, dormez toujours


美しく露(あらわ)になるのは
一糸まとわぬ君の寝姿
ああ、眠っておくれ、美しい君
眠っておくれ、いつまでも


(私訳)

フランソワ・ル・ルー


デイヴィッド・ダニエルズ