*パリ祭* | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

ミスター・ビーンのお気楽ブログ

好きな音楽の話題を中心に、気の向くままに書いていきます。

さて、今日は7月14日「パリ祭」ですね。言わずと知れたフランスの
「革命記念日」です。
1789年の7月14日、フランス革命がパリ市民の蜂起により起こり、政
治犯を収容していたバスティーユ監獄が陥落。
1880年になって、7月14日が共和国建国記念日として国家祝祭日に定
められました。

ところでこの日を、「パリ祭」と言っているのは日本だけで、フラン
スでは「ル・キャトルズ・ジュイエ(Le Quatorze Juillet)」つまり、
「7月14日」と呼んでいます。英米では「バスティーユ・デイ(Bastille
Day)」と言ってますね。

日本だけがこのように呼ぶようになったのは映画の影響です。
1933年、ルネ・クレール監督の「14 Juillet(キャトルズ・ジュイエ)」
が封切られ、その邦題が「巴里祭」でした。当初は「パリまつり」と言っ
ていたのですが、それがいつの間にか「パリさい」という読み方に変わっ
たようです。

映画のストーリーは、清純な花売り娘とタクシー運転手の青年との恋物語
で、それがパリの裏町を背景に「革命記念日」の前日から繰り広げられて
いきます。いわゆるパリの下町人情ものの代表作で、その背景に流れてい
るのが

「巴里祭 A Paris Dans Chaque Faubourg」

です。

作詞は監督のルネ・クレール、作曲はモーリス・ジョベール

今日は、まず「Mademoiselle de Paris」のジャクリーヌ・フランソワ
次に、これは大変珍しいと思うのですが往年の大女優、ダニエル・ダリュ
と国民的人気歌手パトリック・ブリュエルのデュエット・ヴァージョン
がありましたのでアップしておきます。



À Paris dans chaque faubourg
À Paris dans chaque faubourg
Le soleil de chaque journée
Fait en quelques destinées
Éclore un rêve d´amour
Parmi la foule un amour se pose
Sur une âme de vingt ans
Pour elle tout se métamorphose
Tout est couleur de printemps
À Paris quand le jour se lève
À Paris dans chaque faubourg
À vingt ans on fait des rêves
Tout est couleur d´amour


パリでは、どの街も
毎日、日が昇ると
お定まりのように
恋の夢が花開く
とりわけ恋心が芽生えるのは
二十歳になった若者の心
昨日とは何もかもが別世界
春の色に染められる
パリでは、日が昇ると
パリでは、どの街も
二十歳で若者は夢を見る
全てが恋の色に染まるのさ


Ils habitaient le même faubourg
La même rue et la même cour
Il lui lançait des sourires
Elle l´aimait sans lui dire
Mais un jour qu´un baiser les unit
Dans le ciel elle crut lire
Comme un espoir infini


二人は同じ街に住んでいた
同じ通り、同じ路地裏さ
若者は娘にいつも微笑みを投げかけていた
娘は、言葉には出さぬが、若者を愛していた
でも、ある日、口づけが二人を一つにした
そのとき娘は分かったのさ
見上げる空に、限りない希望があることを


(Après des jours dépourvus d´espoir
Tous deux se sont rencontrés un soir
Ils n´ont pas osé sourire
Mais leurs regards ont pu lire
Que bientôt ils pouvaient être heureux
Et s´ils n´ont rien pu se dire
Leurs yeux ont parlé pour eux
À Paris dans chaque faubourg
Quand la nuit rêveuse est venue
À toute heure une âme émue
Évoque un rêve d´amour)


(失望の日々が続いたが
ある晩、二人はばったり出会った
微笑みこそ交わすことはなかったが
見交わす瞳に見て取れた
いつか幸せが訪れると
言葉こそ交わすことはなかったが
見つめる瞳が語ってくれた
パリでは、どの街も
夢を誘う夜ともなれば
絶えず心は波立って
恋の夢が現れる)


Des jours heureux il ne reste trace
Tout est couleur de la nuit
Mais à vingt ans l´avenir efface
Le passé quand l´espoir luit
À Paris dès la nuit venue
À Paris dans chaque faubourg
À toute heure une âme émue
Rêve encore à l´amour


幸福な日々は、跡形もなく消え
全てが闇の色に染まる
でも、二十歳のときは、また希望が輝き
未来が過去を消し去ってくれる
パリでは、夜が来れば
パリでは、どの街も
絶えず心は波立って
また恋を夢見ることになる


(私訳)

*( )で囲んだ部分は残念ながら歌われていません。

ジャクリーヌ・フランソワ


ダニエル・ダリュー、パトリック・ブリュエル