*よそ者ージョルジュ・ムスタキー* | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

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好きな音楽の話題を中心に、気の向くままに書いていきます。

昨日に続いて、今日もムスタキの話題です。

1968年、アルティスト・アンガジェ(政治や社会問題に積極的に参加する
アーティスト)として、Le Métèque(よそ者)を作詞・作曲、さらに自ら
それを歌います。これがムスタキの歌手としてのデビューとなりました。

Le Métèqueは、夢想家で根無し草、多少軽薄な異邦人を歌ったロマンチッ
クなバラードですが、フランスのみならず国際的にも成功を収めました。

1970年1月にはボビノ座で初のコンサートを開きますが、以来ムスタキの
コンサートは聴衆に直接熱く語りかけるスタイルをとります。

また、彼の曲, Sans La Nommer(名も告げずに)では、トロッキーの「永久
革命」の理論に彼なりの形を与え、トロッキストとしの一面ものぞかせまし
た。
その後、30年にわたり世界中を回りコンサートを開くとともに新たなインス
ピレーションを求め続けます。

2009年1月8日、バルセロナの舞台に立ったムスタキは、呼吸器系の疾患
でこれ以上コンサートは開けなくなることを聴衆に告げます。
そして2011年10月14日、もはや歌うことが不可能になったことを新聞で発表
しました。


(フランス語版、ウィキペディアを参照しました)



Le Métèque(よそ者)
Avec ma gueule de métèque
De Juif errant, de pâtre grec
Et mes cheveux aux quatre vents
Avec mes yeux tout délavés
Qui me donnent l'air de rêver
Moi qui ne rêve plus souvent
Avec mes mains de maraudeur
De musicien et de rôdeur
Qui ont pillé tant de jardins
Avec ma bouche qui a bu
Qui a embrassé et mordu
Sans jamais assouvir sa faim


顔は「よそ者」、さまよえるユダヤ人
ギリシャの羊飼いって顔つきさ
髪は四方に伸び放題
瞳はたっぷり潤んでいて
夢見る人を思わせる
もう夢なんかあまり見ないがね
手は畑荒しの手
ミュージシャン、浮浪者の手でもある
山ほど畑を荒らしてやった
飲んで、キスして
噛み付いた僕の口
だけど餓えは満たされない


Avec ma gueule de métèque
De Juif errant, de pâtre grec
De voleur et de vagabond
Avec ma peau qui s'est frottée
Au soleil de tous les étés
Et tout ce qui portait jupon
Avec mon coeur qui a su faire
Souffrir autant qu'il a souffert
Sans pour cela faire d'histoires
Avec mon âme qui n'a plus
La moindre chance de salut
Pour éviter le purgatoire


顔は「よそ者」、さまよえるユダヤ人
ギリシャの羊飼いって顔つきさ
泥棒、浮浪者の顔かもね
夏になれば太陽と
片っ端から女と親しんだ僕の肌
それなりに苦しんだし
苦しませもした僕の心
だからって、悶着を起こしたわけじゃない
魂と言えば
もうこれっぽっちも救いはないさ
煉獄行きを避けたんだから


Avec ma gueule de métèque
De Juif errant, de pâtre grec
Et mes cheveux aux quatre vents
Je viendrai, ma douce captive
Mon âme soeur, ma source vive
Je viendrai boire tes vingt ans
Et je serai prince de sang
Rêveur ou bien adolescent
Comme il te plaira de choisir
Et nous ferons de chaque jour
Toute une éternité d'amour
Que nous vivrons à en mourir


顔は「よそ者」、さまよえるユダヤ人
ギリシャの羊飼いって顔つきさ
髪は四方に伸び放題
行ってあげるよ 優しい僕の囚われ人
僕の好伴侶、命の泉の君のもとへ
貴公子にだって
夢見る人、十代の若者にだってなってあげよう
それは君のお望みのままさ
そして僕らは毎日を
永遠の愛に変えるのさ
死ぬほどそれを味わうために


Et nous ferons de chaque jour
Toute une éternité d'amour
Que nous vivrons à en mourir


そして僕らは毎日を
永遠の愛に変えるのさ
死ぬほどそれを味わうために


(私訳)