*王様と私(11)ー終幕・王様の死(2)ー* | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

ミスター・ビーンのお気楽ブログ

好きな音楽の話題を中心に、気の向くままに書いていきます。

部屋に入ってきたアンナを見て王様は、王子・王女をはじめシャム
の人間はアンナの帰国を悲しんでいると言って再び指輪をアンナに
渡し、指にはめるように頼みます。
そのとき王子・王女たちが王様に最後のお別れをするために部屋に
入ってきます。そして幼い王女ヤオラクがアンナへの伝言を伝えま
す。
「アンナ先生。どうがお願い、どこへも行かないで。先生は大事な
人。私たちを暗闇に取り残さないで。今まで通り優しく見守り正し
い道に導いて下さい。
                 先生の教え子 ヤオラク王女」


アンナはヤオラク王女を抱きしめ、ルイスに「船長に荷物を降ろす
ように言ってちょうだい」と命じます。

王様は枕元に皇太子を呼び、王位を次ぐことを命じ、皆の前で即位
のスピーチをするように言います。
また、アンナを呼んで書記として新王のスピーチを書き取るように
命じます。
 
新王がスピーチを始めます。
「国王への蛙のようなお辞儀はやめる。それは体に無理な姿勢を強
いるし、国民の心を卑屈にしたりエトセトラで良くない。そう思う
けど… お怒りですか、お父様?」
そう言って父の方を見ます。
王様は、
「即位すれば、お前はこの国の王だ。病人の意見など聞くな。女の
意見もだ。(アンナを見て)国王への土下座廃止のふれはそちに責
任があると見た。」
「そうだとすれば、何よりも嬉しいことですわ。」とアンナは答え
ます。
すると王様は皆を整列させ、こう告げます。
「今後は、国王に敬意を示すのにひれ伏す必要はない。国を治める
べく王者の修養を積んできた者の言葉だ。」
そう言って静かに床に横たわります。
新王がスピーチを続けます。
「今後、蛙のように這ってお辞儀はしない。だが敬意を示さぬとい
うのではない。こんな風に胸を張りあごを引いて、国王と同じく堂々
とした態度で向かい合う。そうやってこそ人は互いに相手を認め合え
る。目と目を合わせ、静かにまっすぐ立つ。人間らしく堂々と…」


新王のスピーチが続くなかで、王様は静かに息を引き取ります。それ
に気がついた首相クララホムは王の枕元に駆け寄り、深々と頭をたれ
て蹲り、アンナは王様の左手を取り静かに頬に当てます。
画面には「Something Wonderful」の合唱が静かに流れています。


Something Wonderful
This is a man who thinks with his heart,
His heart is not always wise.
This is a man who stumbles and falls,
But this is a man who tries.


あの方は心でものを考える方
いつでも賢いわけではない
ときには躓き 時には転ぶ
でもめげずに進む方なのです


This is a man you'll forgive and forgive,
And help and protect, as long as you live...
He will not always say
What you would have him say,
But now and then he'll say
Something
Wonderful.


あの方を許してあげて下さいね
命の限り守ってあげて下さいね
いつでもこちらの意に沿うことを
おっしゃるわけではありません
でも ときに陛下はおっしゃるの
素晴らしいお言葉を!


The thoughtless things he'll do
Will hurt and worry you.
Then all at once he'll do
Something wonderful.


心無い仕打ちもなさいます
傷つき不安になることも
それでも突然なさるのです
素晴らしい行いを!


He has a thousand dreams
That won't come true,
You know that he believes in them
And that's enough for you.


幾多の夢をお持ちです
たとえ実現しなくとも
夢を信じていらっしゃる
それで十分ではないかしら


You'll always go along,
Defend him where he's wrong
And tell him, when he's strong
He is
Wonderful
He'll always
Need your love
And so he'll get your love.
A man who needs your love
Can be
Wonderful.


いつもお側にいて下さい
誤りを犯された場合には
陛下を守ってさしあげて
ご立派な振る舞いをなされたら
陛下を誉めてさしあげて
陛下にはあなたの愛が必要です
あなたが愛して下されば
素晴らしい人になれるはず


(私訳)

王様の臨終

Something Wonderful