*王様と私(10) ー終幕・王様の死(1)ー* | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

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好きな音楽の話題を中心に、気の向くままに書いていきます。

アンナと王様が踊っているところに、首相のクララホムがやって
来てタプティムを捕まえたことを告げます。
王様はタプティムとルンタが駆け落ちををしたことを知り激怒し、
自ら鞭を持ってタプティムを打とうとします。
アンナは「あなたには心が無いのですか! つまらぬ虚栄心故に
人を傷つけるのは野蛮だ」と激しく抗議しますが、王様は聴き入れ
ません。
「野蛮と言われようが、私は私の流儀で成敗する!」と言って、
王様は鞭を振り上げますが、毅然としてタプティムの後ろに佇ん
でいるアンナの姿が目に入ると鞭を投げ捨て自室に走り去って行
きます。
そのとき駆け込んできた兵士がルンタが死体になって見つかった
ことを告げます。
アンナはクララホムに「これを王様に返してほしい」と言って、
指輪を渡し次の船で英国に帰ることを告げます。

次々と荷物が運び出されていくアンナの部屋に、王妃チャンがや
って来て王様が危篤であることを告げます。
あの夜以来、王様は深い悲しみに沈み食事もとらずひたすら本を
読み、ため息をついてはもの思いに沈んでいるというのです。
医師の話では、王様の命はもう時間の問題であり、チャンはアン
ナに最後にぜひ王様に会って欲しいと言って、王様からの手紙を
渡します。、
その手紙にはこう書いてありました。
「どうやら私は死ぬらしい。私には無いはずの心臓がいけない。
死ぬのは世の常、不足はない。問題は最善を尽くしたかどうかに
ある。
顧みるに、そちは我が国で精一杯皆に尽くしてくれた。常に真実
を語ったが故に、腹に据えかねたこともあるが、死ぬ前に感謝と
敬意エトセトラを伝えておきたい。
女の身でよくあれだけできたものだ。それにしてもアンナよ、そ
ちは何とも頑固な女であった。こんな女は他にはおるまい。」

手紙を読み泣き崩れるアンナに息子のルイスは、
「お母様は王様と仲直りをするのですか? 僕はあの人が怖かっ
た。」と言います。
するとアンナは、
「よく知れば、あなたもお友達になれたはずよ。子供っぽい所が
あるし。でも、あんな立派な王様はいないわ。努力をしていた。
それも大変な努力を。私は王様が好きよ、大好きだわ。」

そう言って臨終の王様の部屋に向かいます。

ちょっと長くなりますので続きは次回に。