*サウンド・オブ・ミュージック ープロローグー* | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

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好きな音楽の話題を中心に、気の向くままに書いていきます。

さて、今日から、あまりにも有名なミュージカル映画「サウンド・オブ・
ミュージック」
について書いてみたいと思います。

このミュージカルの原作は、マリア・フォン・トラップの自叙伝「トラ
ップ・ファミリー合唱団物語」ですが、これは前編と後編があります。
前編はトラップ一家がアメリカに亡命するまでを、後編はアメリカでの
トラップ一家の活躍を扱っています。
ミュージカルおよび映画の「サウンド・オブ・ミュージック」はこの
前編に基づいて制作されました。

作詞がオスカー・ハマーシュタイン・ジュニア、作曲がリチャード・ロジ
ャースのゴールデンコンビによる最後のミュージカル作品です。
1959年、ブロードウェイで初演され、1965年に20世紀フォックスによって
映画化されました。

ところで、このマリアの自叙伝に基づく映画は「サウンド・オブ・ミュー
ジック」が最初ではないのです。
すでにドイツで「菩提樹」という題名で1956年に映画化されていました。
さらに、1958年には自叙伝の後編に基づく「続・菩提樹」が制作されて
います。

今日は、ドイツ映画「菩提樹」からトラップ一家がシューベルトの「菩提樹」
を合唱している場面と、実際のトラップ一家の写真をアップしてみます。



Der Lindenbaum 菩提樹

Am Brunnen vor dem Tore,        市門の前の 泉の側、
Da steht ein Lindenbaum,        そこに一本の菩提樹が立っている。
Ich träumt' in seinem Schatten        僕はその木陰で見たものだった、
So manchen süßen Traum.            とてもたくさんの甘い夢を。

Ich schnitt in seine Rinde        僕はその皮に刻み込んだ
So manches liebe Wort;            とてもたくさんの愛の言葉を。
Es zog in Freud' und Leide        嬉しい時も悲しい時も
Zu ihm mich immer fort.            僕はいつもその樹に惹かれていった。

Ich mußt' auch heute wandern        僕は今日も木の側を通って
Vorbei in tiefer Nacht,            真夜中に旅立たなければならなかった。
Da hab' ich noch im Dunkeln        その時、僕は真っ暗闇にもかかわらず
Die Augen zugemacht.            目を閉じてみた。

Und seine Zweige rauschten,        するとその枝たちがざわめいた、
Als riefen sie mir zu:            まるで僕に呼びかけるように。
Komm her zu mir, Geselle,        「こっちへ来なさい、友よ、
Hier findst du deine Ruh'.        ここに あなたの安らぎがあります」

Die kalten Winde bliesen        冷たい風が僕の顔に向かって
Mir grad' ins Angesicht,        正面から吹いてきた。
Der Hut flog mir vom Kopfe,        帽子が僕の頭から飛んでいっても、
Ich wendete mich nicht.            僕は 振り返りはしなかった。

Nun bin ich manche Stunde        いま 僕は何時間も
Entfernt von jenem Ort,            あの場所から離れたはず。
Und immer hör' ich's rauschen:        けれど僕にはずっと ざわめきが聞こえたままだ
Du fändest Ruhe dort!            「あなたはここで安らぎを得られたのに!」


ドイツ映画「菩提樹」


実際のトラップ・ファミリー