*シェルブールの雨傘 (1)* | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

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好きな音楽の話題を中心に、気の向くままに書いていきます。

ミュージカルというと、ブロードウエイというイメージが
ありますが、フランス産で世界的に大ヒットした作品も
あります。

「シェルブールの雨傘」です。
撮影は『突然炎のごとく』のジャン・ラビエ、音楽は
『5時から7時までのクレオ』のミシェル・ルグラン
主演はカトリーヌ・ドヌーヴニーノ・カステルヌオーボです。

時は、1957年、フランスはアルジェリア戦争の真っ只中でした。
舞台は、フランス北部,英仏海峡に臨む小さな港町シェルブール。
エムリー夫人は小さな傘屋さんを経営する未亡人ですが、一人娘の
ジュヌヴィエーヴ(ドヌーヴ)は自動車修理工のギイ(カステルヌオーボ)
と恋仲でした。二人はお互いに結婚を誓っていましたが、エムリー夫人は、
まだ若すぎるということで反対しています。
そんなとき、ギイに召集令状が来ます。2年間アルジェリアの戦場
で戦うことになったのです。ギイはジュヌヴィエーヴに結婚は除隊
するまで待ってくれと頼み、その夜、二人はギイのアパートで初めて
結ばれます。

ところで、歌詞のことですがネットで紹介している歌詞は映画とは
大分違うようです。
台本があれば一番いいのですが、手に入らないのでyoutubeから聞き取った
フランス語の歌詞を書いておきました。ただ、殆ど直訳に近い英語
の字幕が付いているのでそちらも参考にしてください。


Geneviève: J'avais tellement peur de ne pas te retrouver.
       Je suis si heureuse d'être avec toi.
       Maintenant je ris parce que je me rends compte
       combien je suis bête quand je suis toute seule.
       J'ai parlé à maman de notre mariage.
       Elle m'a dit évidemment, “Très, très folle!”
       Et puis, ce soir, elle m'a interdit de te voir.
       Tu vois, j'ai eu si peur.
       J'aime mieux partir n'importe où, ne plus la voir, maman,
       que de te perdre.
        Nous nous marierons en cachette.

      もう会えないんじゃないかってすごく心配だったわ。
      あなたといられてすごく嬉しい!
      ねえ、笑っちゃうわね、一人ぼっちになると本当に私、馬鹿なんだから。
      ママに結婚のこと話したのよ。
      そしたら、案の定「馬鹿をお言いでないよ!」だって。
      それから、今夜はあなたに会っちゃダメって言うの。
      分かるでしょう? 私、すごく怖かった。
      あなたを失うくらいなら、私どこだって行くわ、
      ママにも、もう会わない!
       だれにも知られずに結婚しましょう。

Guy:   Oh, tu sais maintenant, ça n'a plus d'importance.
       Nous avons même de notre temps.
        Ce matin, j'ai reçu cette feuille de recrutement.
        Et je dois partir pour deux ans.
       Alors le mariage on en reparlera plus tard, avec ce qui
       se passe en Algérie en ce moment.
       Je ne reviendrai pas d'ici longtemps.

     ねえ、ジュヌヴィエーヴ、もうそれどころじゃないんだよ。
     それに、僕らには時間はたっぷりある。
     今朝、召集令状が来たのさ。
     それで、2年間は兵隊に行ってこなきゃいけないんだ。
     だから、結婚の話はその後のことだよ、なにしろ今
     アルジェリアはあんな状態だからね。
     しばらくは戻って来れないんだ。

Geniviève: Mais, je ne pourrai jamais vivre sans toi.
      Je ne pourrai pas, ne pars pas, j’en mourrai.
      Je te cacherai et je te garderai.
      Mais, mon amour, ne me quitte pas.

     でも、あなたがいなけりゃ生きていけない。
     だめよ、行かないで、私、死んでしまうわ。
     あなたをかくまってあげる、私が守ってあげる。
     

Guy:    Tu sais bien que ce n’est pas possible.
Geneviève: Je ne te quitterai pas.
Guy:     Mon amour, il faudra pourtant que je parte.
       Tu sauras que, moi, je ne pense qu’à toi.
      Mais, je sais que, toi, tu m’attendras.

        ギイ:そんなこと出来っこないってよく分かってるだろう。
ジュヌヴィエーヴ:離れるもんですか!
        ギイ:それでも、行かなくちゃいけないんだよ。
         分かるだろう、君のことしか頭にないんだ。
         でも、きっと僕を待ってくれるよね?

Geneviève: Deux ans, deux ans de notre vie.
Guy:      Ne pleure pas, je t'en supplie.
Geneviève: Deux ans, non, je ne pourrai pas.
Guy:      Calme-toi, et ne reste que si peu de temps.
         Si peu de temps, mon amour, qu’il ne faut pas le gâcher.
        Il faut essayer d’être heureux. Il faut que nous gardions
         de nos derniers moments un souvenir plus beau que
        tout, un souvenir qui nous aidera à vivre.

ジュヌヴィエーヴ:2年よ、一生のうちの2年もよ。
        ギイ:泣かないで、お願いだから。
ジュヌヴィエーヴ:2年もよ、ダメ、耐えられないわ。
        ギイ:気を鎮めて、僕らに残された時間はほんのわずかなんだ。
         そのわずかな時間を台無しにしちゃだめだよ。
         幸せにならなくちゃね。残された時間を何よりも
         美しい思い出にしなくちゃ。
         これからの僕たちを支えてくれる思い出にするんだよ。  

Geneviève: J’ai tellement peur quand je suis seule.
Guy:     Nous nous retrouverons, et nous serons plus forts.
Geneviève: Tu connaîtras d’autres femmes, tu m’oublieras.
Guy:     Je t'aimerai jusqu'à la fin de ma vie.
Geneviève: Guy, je t'aime. Ne me quitte pas.

ジュヌヴィエーヴ:わたし、一人になるとすごく怖いの。
        ギイ:必ずまた会えるよ、そのとき僕らはもっと強くなってるんだ。
ジュヌヴィエーヴ:他に女の人ができて、私のことなんか忘れてしまうわ。
        ギイ:死ぬまで君を愛し続けるよ。
ジュヌヴィエーヴ:ギイ、愛してるわ! 私から離れないで!

Geneviève: Mon amour, ne me laisse pas.
Guy:     Viens.
Guy:     Viens, mon amour, mon amour.

ジュヌヴィエーヴ:お願い、私を置いてかないで。
        ギイ:おいで。
        ギイ:おいで、ジュヌヴィエーヴ。

(私訳)



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