sonaのブログ

1987年制作 リンゼイ・アンダーソン監督


キャスト

セーラ・ウェバー:リリアン・ギッシュ

リビー・ストロング:ベティ・デイヴィス


ミスターマラノフ:ヴィンセント・プライス

ティシャ:アン・サザーン


大工ジョシュア:ハリー・ケリー・ジュニア



この映画は今から、20年以上前に観てるん

ですが、全然覚えてなくて、ただ、海の小さな


入り江に住む老姉妹が、鯨が来るのを

楽しみにするというような事だけ、覚えてました。


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出演者が凄いのです!若い人は知らないでしょう、

上写真手前が、『イヴの総て』で、有名な


ベティ・デイヴィス、撮影時79才!奥の方が

サイレント時代から、活躍の、リリアン・ギッシュ


撮影時90才!ロシアの亡命貴族役の

ヴィンセント・プライス、76才、老姉妹の


幼馴染役のティシャ、78才、大工役ジョシュアの

ハリー・ケリー・ジュニアが66才


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いずれも、ハリウッド映画全盛時に大活躍

してきた方々です。


この5人が登場人物で、特にストーリーは

なく、日々の暮らしを淡々と描いているだけ


なのですが、映像の美しさはどこを

切り取っても絵画のようで、観客は、映画の


中にどんどん引き込まれます、役柄設定が

意表を突いて、79才のベティ・デイヴィスが


姉で、90才のリリアン・ギッシュが妹役!

この、リリアン・ギッシュが、90才の老婆と


呼ぶには、失礼な位、上品で、明るく

可愛らしいのです、


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物語は過去の回想シーン、セーラとリビー姉妹に

幼馴染のティシャが、セピアカラーの中に


真っ白で、お洒落なドレスを着て、入り江の

岬まで、鯨が姿を見せるのを、喜んでいる


所から、始まります、入り江の別荘は、妹セーラの家で、

50年後、目が不自由になった姉のリビーと


暮らしていますが、リビーは目が不自由に

なったイライラを、妹セーラやまわりの人たちに


意地悪を言い、とげのある言葉で、傷つけます。

人に頼らなければ生きていけない自分に


腹を立て、生き生きと家事こなしたり、庭で、絵を

描く、セーラを、一日中呼びたてるリビー、


近所に住むティシャや、入り江で釣った魚を届けて

さばいて、料理してくれるマラノフ氏にも決して


解けこもうとしないリビー、セーラは、亡き夫との

結婚記念日に、夫の写真を置き、ドレスに


着替えて、「あなたが生きていれば・・・」と

ワインを飲みながら、つぶやくシーンは


胸打たれます、


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翌朝、セーラは、今年の冬は一人で過ごすと

言ってるところに、ティシャが不動産屋を


勝手に連れて来て、この家を売って、二人で

暮らそうと提案しますが、ティシャにリビーの事を


愚痴った事を後悔したセーラは二人を追い返し

そこへ、大工のジョシュアが忘れ物を取りに来ます、


彼の登場は、まわりを明るくして、楽しい気分に

してくれて、あれほど、反対していた、セーラの


鯨を見るための、見晴らし窓を、作ることを

ジョシュアに頼むのですが、その時の、


リリアン・ギッシュの嬉しそうな顔は演技には

見えませんでした、


最後、二人は、しっかりと手を握り和解して

岬の方へ散歩に行きます・・・


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映画の中に姉妹が住む海の入り江に

輝く月、岸辺に寄せるさざなみ、


海風がやさしく吹く中を、野生のベリーを

楽しそうに摘む、アン・サザーン


満月の夜の海に輝くさざなみは、まるで

銀貨のようだけど、この銀貨は金ではなくて


さらに高い宝のような景色なのだ・・・と言う

セリフの通り、海辺の四季と、彼女たちの


人生を描いて、静かに胸の中に入ってくる

作品でした・・・・