シンプルなケーキが結局おいしいと思う人生折り返しつつ/藤田美香

 

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おいしいと言えばそればっかり作るから黙って食べる芋の煮っころがし/蛇口ひろこ

 

 

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ちょっとだけ、あれこれ反論された短歌?と思いつつ、でもこの短歌も好き。とても。

ちゃんとケーキ食べてるけど、凝ったものじゃないんだね。「人生折り返しつつ」で、わかるー胃もたれするよねーと共感させるようでいて、これ人生の比喩だよね、ケーキが。飽きないもんね。シンプルなケーキって。

ふつうであることのありがたさ。しみじみいい歌。

こういう下の句の持っていき方ができるようになりたい。

そして食べる短歌を続けちゃった。

 

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鬼まんじゅうの由来を言い当てていて、どうなるかと思ったら調べて納得していて笑った。

見た目が鬼だからって中身も鬼とは限らないわけよ。

 

>余計な思いつきでした。

 

これはそんなことないよ。私の技術力の問題。やってみたけどいいかんじにできなかった。あとちょっと押しつけがましい気もして。歌としてもだけど、行為としても。

実景は、持っていくか聞いたら、「食べたいけどおなかいっぱいだから帰り道では食べられないかもしれない」と言われたんだけど、「食べられなかったら冷凍すればいいから」って渡したんだよね。当日しかおいしくないことを子は知っていて、冷凍で味がどうなるかはわからないまま。すでにウザい親だね。だからまぁ、出した短歌でいいや、という思いもあり、鬼まんじゅうを知らない人に説明する意図もあり。邪道なんだろうだけど。

 

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コメダ短歌について。

 

>コメダが生活圏内にない、あの視点の短歌は私だけだったんじゃないかと思う。

 

間違いない。とてもよかった。

私がうまくできなくて諦めた短歌、「いつものコメダ」を入れたかったくらいだから。

好きな短歌ばかりだったけれど、私は辻さんのがいちばん好きでした。

これ、別で書いたほうがいいかもしれないね。

 

 

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【91.4B→92.絵画教室→93.終わったら→94.冬→95.白鳥→96.岸→97.牡蠣→98.消し炭→99.代償→100.もどれる→101.わかめ→102.磯野→103.層→104.痕跡→105.特技→106.落とされて→107.涙→108.さざめく→109.木→110.鬼→111.蒸す→112.今日→113.ケーキ→114.おいしい→115.   】

 

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