経営における理論や思考を通じて

 

実践に役立てる情報を発信します。

 

 

 

変革への挑戦を応援するコンサルタント

 

荒井竜哉です。

 

 



 

昨日の日経平均

 


昨日の日経平均の終値は3万6863円

 

前日比743円高と大幅に反発しました右下矢印

 

 

 

前々日、米国でハイテク株が上昇しており、

 

東京市場でもこれに関連する

 

半導体関連企業の株価が上昇しました。

 

 

 

また半導体設計大手の米アーム社が

 

好決算だったことを受け、

 

親会社であるソフトバンクグループが

 

大幅に上昇しており、

 

半導体関連企業とともに

 

日経平均への寄与が大きい銘柄が

 

株高を牽引しました。

 

 

 

加えて日銀副総裁が

 

「マイナス金利解除後も緩和的な状態を続ける」

 

と発言しており、

 

投資家に安心感が広がって

 

日本株の買いを後押ししたと

 

見られています。

 

 

 

 

 

コロナ禍で不調に陥っているワークマン

 

 

コロナ前まで効率経営で好調だった

 

ワークマンですが、

 

コロナ禍を経て不調に陥っている

 

という記事がありました。

 

 

 

株価は

 

2019年に記録した最高値1万590円から、

 

直近7日終値は3990円

 

4割程度の水準まで落ち込んでいます。

 

 

 

収益力を測る指標のひとつである

 

ROE(自己資本利益率)

 

2023年3月期で15.3%

 

同社が上場する

 

東証スタンダード市場の平均6.6%よりも

 

高水準ではあるものの

 

2021年3月期の20%超からすると

 

5ポイントも低下しています。

 

 

 

 

ROEは、

 

収益性(売上高当期純利益率)、

 

資産活用(総資産回転率)

 

負債活用(財務レバレッジ)

 

の3つに分けることができます。

 

 

 

 

 

画像:米国株ひぺろぐ

 

 

 

この2年でROEが下がった要因を

 

これら3つの観点から確認すると、

 

収益性 :16.1% → 13.0%(低下)

資産活用:1.01回 → 0.98回(低下)

負債活用:1.25倍 → 1.20倍(低下)

 

とすべてにおいて悪化しています。

 

 

 

売上は伸びているものの

 

その要因は新規出店によるもので

 

既存店の売り上げは下がっています。

 

 

 

物価高騰などでコストが上がるなか、

 

価格は据え置きで利益が出づらく、

 

 

 

店舗ブランドで取り扱い商品が重なり、

 

ブランド間で競合して営業効率が下がり

 

 

 

さらに投資に回すお金が減って

 

資金も有効活用できていない、

 

 

という状況です。

 

 

 

 

 

ワークマンが不調を打破するための業態転換

 

 

この状況をワークマンは

 

どのようにして打破しようと

 

しているんでしょうか。

 

 

 

直近の決算発表の資料を見ると、

 

作業服中心の「WORKMAN」の店舗は増やさず、

 

むしろ改装して他業態へと転換し、

 

アウトドアやスポーツカテゴリの商品を取り扱う

 

「WRKMAN Plus」の店舗数が逆転しています。

 

 

 

 

 

出所:ワークマン

 

 

 

「WRKMAN Plus」への期待が

 

大きいことがわかりますが

 

店舗比率と売上比率を確認してみると、

 

「WRKMAN Plus」の売上貢献は不十分です。

 

 

 

 

 

 

 

既存店の売り上げが下がっていることから

 

リピート利用が不十分と考えられ、

 

 

 

そのための商品開発と

 

売り場での価値訴求のための投資

 

強化するようです。

 

 

 

また今後は売上貢献の大きい

 

女性向け、カジュアルブランドの店舗を拡大させ、

 

ブランド力を高めていくようです。

 

 

 

 

出所:同上

 

 

 

 

業態転換を進める不調打破の順番

 

 

同社の戦略で重要なのは、

 

ROEを構成する、

 

①収益性(売上高当期純利益率)

②資産活用(総資産回転率)

③負債活用(財務レバレッジ)

 

の3つのうち、

 

 

 

①収益性については

 

一部、乖離の大きい商品において

 

値上げをする方針ではあるものの

 

 

 

無理な値上げで収益性を高めるのではなく、

 

まずは②、③を中心に

 

施策を展開するところでしょう。

 

 

 

「収益性」は

 

顧客に価値を感じてもらった結果として

 

得られるもの。

 

 

 

まずは

 

自社でコントロールできる業態転換を通じて

 

資産を効率的に活用し、

 

そこで必要な投資を行う。

 

 

 

過渡期にあるワークマンの業態転換の取り組みは

 

同じように収益性や資産活用、負債活用で悩む企業にとって

 

参考になるんじゃないでしょうか。

 

 

 

 

荒井 竜哉

パラレルワークで経営と現場の両面からマネジメントを支援します。

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IBS CONSULTING (for Improving our Business & Society)
中小企業診断士
ITコンサル会社勤務