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変革への挑戦を応援するコンサルタント

 

荒井竜哉です。

 

 



 

JR西日本も車内ワゴン販売を終了

 

 

昨年10月、東海道新幹線では

 

車内のワゴン販売が終了しました。

 

 

 

 

 

 

10年くらい前までは

 

新幹線に乗っていても車内販売を利用する人は

 

それなりにいましたし、

 

私もたまに飲み物などを購入していたんですが、

 

 

 

ここ数年は、

 

めっきり利用することがなくなり、

 

だれも購入しないので

 

販売員の人もどこか所在なさげに

 

ワゴンを引いているように

 

見えていました。

 

 

 

実際、2008年から2018年までの10年で

 

売上は45%も減っていたようです。

 

 

 

ですので

 

ワゴン販売を終了すると聞いても

 

正直、それほど驚きませんでした。

 

 

 

先日、山陽新幹線でも

 

普通車での車内販売を3月に終了することが

 

発表されました。

 

 

その背景には

 

近年の駅構内・駅周辺店舗の品揃えの充実、

飲食物の車内への持ち込み の増加、

また将来にわたる労働力不足への対応等

 

とあり、JR東海と同じ状況なんだと思います。

 

 

 

 

 

 

高額ツアー商品が人気の理由

 

 

このように縮小傾向にある

 

新幹線内でのサービスですが

 

車内でのサービスがなくなるのかというと

 

そういうわけではないようです。

 

 

 

先日、

 

JR東海はツアー商品として

 

「おいしい新幹線」

 

を発売し、

 

これが好評で予約が埋まっているようです。

 

 

 

雑誌「danchyu(ダンチュウ)」との

 

コラボ企画だそうで

 

その内容は

 

①「後楽寿司 やす秀」による、

 握り(10貫)、肴(6種)、日本酒(3銘柄)など

②『dancyu』編集部長・植野広生によるトークショー

③ 銀座の老舗和菓子店「木挽町よしや」の

 「どら焼き」(おいしい新幹線の焼印付き)

④ 日本酒 酒器(おいしい新幹線のロゴ付き)

 

といったものです。

 

 

 

時間のかかる「こだま」

 

東京から名古屋まで約2時間半

 

 

 

しかも片道

 

 

 

グリーン車なので

 

普通車よりも座席は広いものの

 

食堂車でもなく、

 

ツアーのメインである

 

「後楽寿司 やす秀」の店主は

 

「無茶なお題だな(笑)」

 

と感じたそうです。

 

 

 

そんなツアー商品の価格は55,000円。

 

 

 

決して安価ではありませんが、

 

それでも好評です。

 

 

 

安くて取り扱い商品も多く、

 

いつでも利用できた車内ワゴン販売が

 

売上が伸びず、サービス終了する一方で

 

 

 

高額で一見すると不便そうなサービス商品が

 

好評なのは、

 

コンセプトによる力が大きいと思います。

 

 

 

エキナカ施設が充実した今、

 

車内ワゴン販売は

 

どこでも買える食べ物や飲み物を

 

買いそびれた人に提供する役割を担いますが

 

そこに明確なコンセプトは感じられません。

 

 

 

買えればどこでもいいわけです。

 

 

 

一方、「おいしい新幹線」では

 

“移動の手段”を“ワクワクする空間”に変える

 

という明確なコンセプトを掲げています。

 

 

 

有名すし店の店主が握る、

 

東海道沿線エリアで捕れた

 

魚介を中心にしたお寿司を味わい、

 

 

 

グルメ雑誌の編集長から

 

鮨にまつわる話を聞くことができるサービスは

 

 

 

コンセプトに基づいた「楽しい体験」を

 

イメージすることができます。

 

 

 

「楽しい体験」を

 

イメージさせることができるかどうか。

 

 

 

今後、サービス業界では

 

特にこれを重視することが

 

求められるように思います。

 

 

 

 

 

荒井 竜哉

パラレルワークで経営と現場の両面からマネジメントを支援します。

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IBS CONSULTING (for Improving our Business & Society)
中小企業診断士
ITコンサル会社勤務