経営における理論や思考を通じて
実践に役立てる情報を発信します。
変革への挑戦を応援するコンサルタント
荒井竜哉です。
昨日の日経平均の終値は3万5751円、
前日比485円安と下落しました
米国ではテスラやインテルの業績悪化が報じられ
ハイテク株が下落していました。
年始からの日経平均の高騰から
利益確定売りが多くなっていましたが
それでも下げ幅を小さくとどめていたのは
好調なハイテク株に支えられていたためでした。
米国のハイテク株の下落は
東京市場の半導体関連株にも波及し、
節目である3万6000円台を下回る結果となりました。
企業の決算発表が本格化しはじめたことに加え、
来週、米国で金融政策を決める会合が控えており、
これらを見極めたい投資家が多かったことも
大幅な下落の背景にあったようです。
私が所属している
大阪府中小企業診断協会、
中小企業人づくり研究会で
研修合宿があり
京都の老舗企業の経営者の方から
お話しを伺う機会がありました。
「人づくり」という名前のとおり、
経営における人材に関わる研究しており、
ここ2年ほどは「Well-being」が
テーマとなっています。
今回の合宿でも
経営における「人」との関わりを中心に
お話しを伺ったのですが、
人材の多様化とともに多様性が重視され、
経営において人的資本が注目される今、
リーダーシップのあり方や
人との関わり方について
ヒントとなるようなエピソードが
数多くありましたので
部分的にはなりますが
ご紹介したいと思います。
最初に伺ったのは
京都・烏丸御池近くにある松栄堂さま。
線香や焼香、匂い袋のほか、
茶の湯の席で用いられる香木なども取り扱われ
香りに関わるさまざまな商品を
製造・販売されています。
「老舗」と一言で表現していますが、
京都の老舗は
通常、想像されるような
50年とか100年とかいう次元ではなく、
松栄堂さまは300年も続く企業だそうで
創業は1700年ころまでさかのぼるそうです。
これだけ長い歴史がありながら
昔ながらの伝統的な商売だけでなく
香りを使ったカードゲームを開発されたり、
お香の移動販売車を都内で運営していたり、
さまざまな新しいことに
チャレンジされています。
本店の横には
「薫習館」
という香りを体験する施設があり、
いろいろな香りを体験することができました。
また聞香(もんこう※)という
香木を焚いて香りを楽しむという
貴重な体験もさせていただきました。
※香りは「かぐ」という表現以外に
「聞く」という表現もするそうです
これらの体験をさせていただいたあと、
畑専務より事業内容や経営における取組について
お話しを伺ったのですが、
これらの新しい取り組みの多くが
従業員からの発案で行われたそうです。
ほかにも「薫習館」には
匂い袋のガチャガチャが
置いてあるのですが
これは従業員の方から提案のあったものを
畑専務は一度、退けたそうです。
その後、従業員の方がめげずに再提案し、
採用したところ、
大人気商品となって
とうとう売上トップの商品になったそうで・・・。
普通、一度提案して退けられたら
もう一度提案しようと思わないものですが、
松栄堂では自分から積極的に提案する風土が
存在するようでした。
お話しを伺って、
この風土づくりには
ハード面の整備とソフト面での心がけが
機能していることがわかりました。
この風土づくりの具体的な内容と
これがどのようにして新商品開発に結びつくのか、
私の想像と私見を交えてで恐縮ですが、
次回、整理してみたいと思います。