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荒井竜哉です。

 



 

マクドナルド、3度目の値上げ

 

 

新年早々、値上げのニュースがあり

 

ちょっと驚きました。

 

 

 

マクドナルドが1/16に

 

ハンバーガーの価格

 

現在の150円から170円に値上げ

 

するそうです。

 

 

 

驚いた理由は

 

マクドナルドの値上げは

 

この10ヶ月間で3回目になるからです。

 

 

 

2022年3月の最初の値上げは

 

その値上げが受け入れられるかどうか

 

注目していました。

 

 

 

 

 

 

 

2022年9月の2回目の値上げは

 

低価格の象徴だったハンバーガーの相場観を

 

150円で浸透させる狙いがあるのでは、

 

と見ていました。

 

 

 

 

 

 

 

そんな経緯のあるハンバーガー単品の価格は

 

2022年3月に110円から130円へ、

 

9月に150円、

 

そして今回の値上げで170円になります。

 

 

 

実に55%も値上がりで、

 

このことがニュースでも

 

大きく取り上げられており、

 

 

 

賃金がそこまで上がっていない現状から

 

「今後、ハンバーガーは

 気軽に買うことができなくなる」

 

という、

 

ちょっと大げさな悲観論まで見られます。

 

 

 

 

値上げで注目すべき論点は

 

 

ただ、個人的に

 

マクドナルドの値上げで注目すべきは

 

「今後もハンバーガーを気軽に買えるかどうか」

 

ではないと思います。

 

 

 

いろいろと論点はあると考えていますが

 

一番注目したい論点

 

コロナ禍を経て、

 

マクドナルドの客層が変わり

 

以前のように「ハンバーガー単品」

 

マクドナルドを象徴する

 

看板メニューでなくなったこと

 

です。

 

 

 

たとえば吉野家であれば「牛丼」

 

鳥貴族であれば「貴族焼き」のように

 

 

顧客にメインでオーダーされる

 

「看板メニュー」

 

が存在します。

 

 

 

これらは利益率

 

特別低く設定する一方

 

集客力を高めてくれます

 

 

 

そしてその利益はその他の周辺メニュー、

 

吉野家でいえばたまごみそ汁などで

 

稼ぐ構造になっており、

 

企業は商品をうまくミックスして

 

適正な利益を確保します。

 

 

 

マクドナルドにとって

 

ハンバーガー110円(2022.3時点)が

 

明らかに利益率が低いことは

 

 

 

類似商品の

 

チーズバーガー2個・280円(同)が、

 

材料も手間も少ない

 

ダブルチーズバーガー370円(同)よりも

 

90円も安いことから明らかです。

 

 

 

ちなみに今回の値上げで

 

チーズバーガー2個・400円になり、

 

ダブルチーズバーガー400円

 

差額はなくなることになります。

 

 

 

 

 

「客層」と「看板メニュー」の変化

 

 

このように

 

看板メニューだったハンバーガーを

 

ここまで一気に値上げするということは、

 

その役割を終えたということに

 

他ならないわけですが、

 

 

 

その背景にあるのが、

 

前述の「客層の変化」です。

 

 

 

これまで若い学生や単身の社会人など

 

安価に食事を済ませたい客層

 

メインだったマクドナルドですが、

 

 

 

コロナ禍でファミリー層の利用が

 

拡大しました。

 

 

 

これに対応するように

 

店舗の改装調理設備の大型化

 

接客サービスの向上

 

モバイルオーダー

 

ドライブスルー強化など、

 

投資や変革を続けています。

 

 

画像:マクドナルド

 

 

 

メニューもナゲット15ピースなど

 

ファミリー向けに対応する

 

ボリュームある商品が増えました。

 

 

 

 

画像:マクドナルド

 

 

 

コロナ禍の需要変化と

 

これに対応する施策が奏功しており、

 

過去2回の値上げでも

 

客数、客単価は上昇しています。

 

 

 

 

 

画像:マクドナルドを一部加工

 

 

 

ここで注目したいのは、

 

値上げが受け入れられている

 

という点だけでなく、

 

 

 

客単価の上昇幅

 

ハンバーガーの値上げ幅ほどにはなっていない

 

という点です。

 

 

 

このことからも

 

マクドナルドのハンバーガー値上げの意図は、

 

ハンバーガーで

 

「利益を上げたい」

 

のではなく、

 

 

 

客層が変わり、

 

看板メニューとしての役割が失われ

 

他メニューでも汎用的に使える

 

バンズ、パティを

 

わざわざ安売りする必要がなくなった結果、

 

「損失を減らしたい」

 

という判断が強く働いているのではないかと

 

見ています。

 

 

 

 

 

今後のマクドナルドの看板メニューは・・・

 

 

では、今後のマクドナルドの看板メニューは

 

一体何になるんでしょうか。

 

 

 

私はやはり主要ターゲットとなった

 

ファミリー向けのメニュー、

 

現時点では

 

「ハッピーセット」

 

なんじゃないかと思います。

 

 

 

画像:マクドナルド

 

 

 

 

ハッピーセットは

 

2022年9月に値上げをしていて、

 

チーズバーガーのセットは520円

 

 

 

この価格は

 

ランチメニューの「ひるまック」

 

30~80円ほどしか変わりません。

 

 

 

 

画像:マクドナルド

 

 

 

 

 

一見するとハッピーセットは割高に見えるんですが、

 

アプリのクーポンなどを通じて、

 

常に400円ほどで販売されており、

 

以前と価格帯がほとんど変わりません。

 

 

 

 

画像:マクドナルドアプリ

 

 

 

 

マクドナルドの値上げは

 

原価高騰や為替の影響を受けたものであり、

 

利益改善が目的であることは間違いありませんが、

 

 

 

同時に主要とするターゲット顧客の変化も

 

反映しているのが見えてきます。

 

 

 

 

荒井 竜哉

パラレルワークで経営と現場の両面からマネジメントを支援します。

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中小企業診断士
ITコンサル会社勤務