パラレルワークの強みを生かし、
コンサルティングを通じて
事業マネジメントを推し進めます。
荒井竜哉です。
昨日の日経平均の終値は2万7901円、
前日比326円高と反発しました
金融引き締めの長期化の心配から
連日株価が下がっていた米国ハイテク株ですが、
前々日は特に材料がなかったにも関わらず
自律的に反発して上昇しました。
ただしその勢いは小さく、
来週の消費者物価指数や
金融政策の決定会合の結果を見極めたい
投資家が多かったようです。
東京市場もこの流れを受けて
ハイテクとの関連が強い
半導体関連株の買戻しが
相場を押し上げましたが、
勢いは徐々にしぼんでいきました。
来週の消費者物価指数や
金融政策の決定会合という
2つのイベントが
次の株式市場の動きのきっかけになりそうです。
先日、近所のマクドナルドにいくと
カウンター前に無人で注文できる
オーダー端末(キオスク)が
設置されていました。
このキオスク端末、
どうやら海外では広く
導入されているみたいですが
日本ではここ1~2年で
本格的に導入が始まったようです。
コロナ禍以降、
デリバリーが増えたことで
注文でカウンターに並ぶ人が減り、
これに伴って
カウンターで接客するスタッフも
減りました。
このお店もキオスク端末の導入で
さらに接客スタッフが減っていました。
ただ、少し異様だったのは
注文した人が
多く目の前にいるわけでもないのに
カウンター内では調理したり、
ドリンクやポテトを準備するスタッフが
大わらわになっていたことです。
それもそのはずで
マクドナルドの注文を受ける窓口は
ここ数年で一気に増え、
従来のカウンター注文、
スマホアプリによるモバイルオーダー、
ウーバーなどの外部デリバリーサービス、
さらにキオスク端末が追加になり、
対面・非対面問わず
四方八方から入ってくるオーダーを
さばいています。
さらにこれを
店内飲食やテイクアウト、
ドライブスルーといった
従来方法だけでなく、
自社、外部のデリバリーや
駐車場で手渡しする「パーク&ゴー」など
提供(デリバリ)方法も
多岐になりました。
この取り組みでマクドナルドの売上は好調で
注文に対応するために
厨房設備を強化したり、
客席やドライブスルーのレーンを増やすなど
生産力と収容力も高めています。
コロナ禍で変化した需要をつかみ
今後の成長のために大きく投資をし、
売上規模も右肩上がりのマクドナルド。
出所:日本マクドナルド 2021年12月期通期決算説明会資料
ただ、規模の拡大とともに
効率性は落ちてきているようです。
売上高に占める純利益の割合や
資産を効率的に活用できているかを表す
総資本回転率は
どちらも売上規模が現在の3/4だった
2017年を下回っています。
これはおそらく投資によって拡張された
チャネルとデリバリが
うまく店舗運営に連携できておらず
以前のように効率的に
オペレーションできていないため
だと思われます。
実際、マクドナルドの店内を観察していると
あちこちからいろいろなオーダーが入り、
スタッフは非常にせわしく、
マルチに対応しています。
規模を拡大したマクドナルドは
オペレーションの安定、効率化という
新たな課題に対応する局面にありそうです。
もう1点気になるのは
非常に忙しい今の環境にスタッフが定着するか
という人材面の課題です。
コロナ禍でモバイルオーダーが人気となった
米国のスターバックスでは
目の回るような忙しさで
オーダーに対応しきれず
顧客からのクレームが増え、
スタッフの離反、離職が相次ぎました。
その結果、スターバックスの一部店舗では
労働組合を結成して
待遇や賃金の改善を求める動きが生まれるなど
労使間の関係が悪化しています。
日本マクドナルドは
オペレーションを安定させ、
効率的にするとともに
かつ人材が働きやすいような配慮が
求められるんじゃないかと思います。
今後の業績の推移とともに
これらの施策にも注目です。