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パラレルワークの強みを生かし、


コンサルティングを通じて

 

事業マネジメントを推し進めます。


荒井竜哉です。

 



 

昨日の日経平均

 


昨日の日経平均の終値は2万7090円

 

前日比853円高と大幅に反発しました右上矢印

 

 

 

日経平均を構成する企業数は225社ありますが、

 

うち、下落したのは日本ハム1社のみ

 

 

 

その他224社は株価が上昇しています。

 

 

 

米国では消費者物価指数が

 

予想を超える伸びだったにも関わらず

 

米国市場の株価が

 

大幅に伸びたことが影響したようです。

 

 

 

米国の長期金利は

 

4%目前まで上昇したにも関わらず

 

ナスダックは2%超、

 

ダウ平均に至っては3%近く

 

上昇していました。

 

 

 

上昇の背景には、

 

これまでの下落続きの反動があった

 

と見られていますが、

 

はっきりとした要因がわからないまま

 

この米国株の上昇が

 

日経平均の上昇につながっています。

 

 

 

特に米国の金利上昇で

 

日米間の金利差の拡大が注目され

 

円安が加速しています。

 

 

 

日本円は1ドルあたり147円台に突入し、

 

これが好感された旅行や運輸など

 

訪日関連株が特に上昇しています。

 

 

 

 

円安で訪日関連企業の業績が回復する?

 

 

①水際対策が緩和され、

 

②さらに円安が進んでいるので

 

③外国人観光客の増加

 

④企業の業績改善が期待できる。

 

 

 

一見すると

 

理屈としては間違っていないんですが、

 

これは短絡的で

 

今後、状況を見誤りかねない

 

危険な思考だと思います。

 

 

 

水際対策が緩和されれば(①)

 

これまでキャップされていた訪日客の

 

総数が増えることになります。

 

 

 

そうなれば需要が増えるのは

 

間違いありません。

 

 

 

一方で、

 

円安が進んだからといって(②)

 

外国人観光客が

 

増えるわけではありません。(③)

 

 

 

外国人観光客が来日したときに

 

円安であれば想定よりも割安なため

 

消費が多くなり需要が増える

 

と捉えるべきだと思います。

 

 

 

円安が進めば進むほど、

 

「訪日客が増えていれば」

 

訪日関連企業の業績は上がりますが

 

 

 

仮に日本の魅力が減ってしまったり、

 

不景気で旅行客自体が減ってしまうなど

 

「訪日客が減ってしまえば」

 

円安がいくら進んだところで

 

思っていたように

 

訪日関連企業の業績が

 

上がるわけではありません。

 

 

 

 

経営判断のための数字を見誤らないように

 

 

と、えらそうに書きましたが

 

これは旅行大手HISの矢田社長の

 

「為替相場と海外旅行客数は歴史的に相関が薄い」

 

というコメントを見て思ったところです。

 

 

 

 

 

 

 

矢田社長は他にも

 

国際線の燃油サーチャージは

コロナ前の約4倍に上がり、

航空券の単価は上昇している

 

訪日外国人旅行が本格再開すれば

航空座席の供給数も増え、

値下がり要因になる

 

といったコメントを出されています。

 

 

 

旅行需要に関連する数字

 

ひとつひとつ、

 

つぶさに確認しているのが伝わってきます。

 

 

 

 

「水際対策が緩和されて訪日客が増える!」

 

「円安が企業の業績回復につながる!」

 

 

 

テレビ番組などで

 

こういったわかりやすいメッセージが

 

発信されているのを見かけることが

 

少なくないですが、

 

 

 

これを真に受けると危険です。

 

 

 

いくら円安が進んでも

 

訪日客がこなければ意味がなく、

 

 

 

本当は外国人の旅行需要を意識すべきところ

 

ドル円相場ばかり追いかけて、

 

円安だから訪日客向けの事業を拡大しよう!

 

と誤った経営判断をしてしまいかねません。

 

 

 

経営判断するための指標は

 

何が適切なのか。

 

 

 

変化の多い今の経済動向は

 

自社の経営指標を改めて確認してみる

 

良いきっかけになるのではないかと思います。

 

 

 

 

荒井 竜哉

パラレルワークで経営と現場の両面からマネジメントを支援します。

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IBS CONSULTING (for Improving our Business & Society)
中小企業診断士
ITコンサル会社勤務