パラレルワークの強みを生かし、
コンサルティングを通じて
事業マネジメントを推し進めます。
荒井竜哉です。
昨日の日経平均の終値は2万8820円、
前日比278円安と続落しました
前日に、高値が続いていたダウ平均の下落があり、
東京市場でも利益確定売りが多かったようです。
中でもファナックや日立など、
決算発表で業績を下方修正した企業の
株価の下落が目立ちます。
一方で今期の見通しを上方修正した企業は
株価が上昇していて、
この日は業績の見通しで
株価の騰落が分かれました。
先日、新聞を読んでいると
「詰め替え洗剤が本体より高い」
という記事が目に留まりました。
詰替え用の方が
明らかにプラスチックの使用量が少ないですし
体積が小さく重量も軽いので輸送コストも少なく、
環境面、コスト面のどちらから見ても
詰替え用を買わない理由は
ないと思っていました。
実際、購入するときは、
一応、ボトル入りの本体と価格を見比べていて、
価格は拮抗しているものの、
詰替え用の方が少しばかり安かったりするので
まさかコストが高いとは思いませんでした。。。
なぜコストが高いのか。
記事によると、
どうやら詰替え用よりも
ボトル入りの方が内容量は多いらしく
仮に小売価格は同じくらいであっても
洗剤そのものの単価でみると
詰替え用の方が高くなることは
珍しくないようです。
背景には、
メーカーはまず「ボトル入りの本体」を
購入してもらうために
利益が少なくなってでも価格を抑えていて、
その後の「詰替え用」で
継続購入してもらって利益を確保する
そんな価格戦略があるためです。
ただし、小売価格においては
ボトル入りよりも詰替え用の方が高くなってしまうと
他のメーカーに乗り換えられることになるので
内容量でうまく小売価格を調整しているようです。
最初に本体を安く買ってもらう。
中身を継続購入してもらい利益を確保する。
プリンター本体を安くして、
インクで利益を出す事務機器メーカーや
カミソリ本体を安くして
替刃で利益を出すカミソリメーカーの
利益構造と似ています。
これらは「リカーリング」といって
繰り返し利用してもらうことで
収益化するモデルです。
洗剤のリカーリングで特に注目したいのは、
プリンターやカミソリのような
「モノ」に対して「もったいない」という意識をもたせるのではなく
「ボトル」という
「モノ」にはほとんど価値がないにも関わらず
「もったいない」という意識が生まれている点です。
その根底には昨今の環境に対する意識の高まりもありますが
日本人の詰替え商品を購入意欲が高いことも
背景にありそうです。
出所:電通・電通総研「サステナブル・ライフスタイル意識調査2021」
洗剤の詰替え用の浸透ぶりを見ると、
モノ自体に価値がなくても
顧客とのつながりがあり、
エコ意識に沿ったビジネスであれば
リカーリングで継続的に収益化できる可能性があると
いえそうです。
最近では詰替えからさらに一歩進んで
量り売りも広がりつつあります。
昨年8月に一部のコンビニで始まった
洗剤などの量り売りは対象店舗を増やし、
別の店舗ではナッツなどの食品も
展開しはじめています。
無印良品がリニューアルした
量り売りの売り場は圧巻です。
画像:無印良品
環境配慮の意識面からリカーリングを考える
よいきっかけになりました。