公式サイトで「『ウルトラマンティガ』の真髄を継ぐものとして企画」と紹介されたのが去年の4月だから、ほぼ1年間くらいこの一文にモヤモヤしてたことになるなぁ…

ティガの真髄 って 結局なんだったんだろう

解答が載るかもしれないと期待してたフィギュア王 トリガーメイキング企画でしたが、直接的な答えは載ってませんでした。

というかたぶん継がれた真髄は、ないです。

そもそも"ティガの真髄"が何かという問いに明確に一つの解答が出ることはなく、ドキュメント本を読んだ感じからすると当時のスタッフさん達に聴いてもさまざまな答えが返ってくるだろうし、ファンの間ならなおさら色々な答えを出すと思う。人それぞれにティガの真髄なるものを心の中に持っているのではないでショウカ。。

しかしてフィギュア王誌を読んだ限りだと、制作サイドはティガ本編内容の理解に乏しく、制作にあたってティガ全52話・ないしは十数話見返したのかどうか怪しい。ティガ放映当時凄かったよ〜ていう経験は伝わってくるけど個別の回については全く触れてこないし愛も感じない。
放送開始前後に「心に残ったエピソード5話挙げられる人ならこんな設定にはしない」と思ったけどあながちハズレではない気がするなぁ。。


とりあえず、トリガー本放送を観て感じた「謎のティガ要素&セブン要素チョイス」「なんか表面的?なオマージュ」「どうしてこんなに"わかってるね〜っ!!“と古参が楽しめることがないのか」について制作の裏側はどうだったのか、読んでて理解できる部分もあったので 心の決着の意味も込めてまとめたいと思います。

先にことわっておきますが、視聴は途中で辞めてますし 作品の内容の良し悪しには触れられません。 あくまで番組立ち上げ時に取り入れられたティガ要素についての考察になります。


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ティガの真髄を継ぐ とか NEW GENERATION TIGA と銘打たれて、ティガファンとしてはどんなオマージュがあるのか・新しい解釈によってどんなブラッシュアップが観れるのか・復活怪獣etcで懐かしめたりするのかな、そんなことを楽しみにしてたと思う(してた)。
でもその期待はことごとく崩れ去っていくんですが、その要因を大きく3つにまとめてみました↓↓

【1】企画チームの想定以上にティガっぽいフォーマットが導入され、世界観の"軸"として考えていた新しい要素が"ティガっぽくない要素"として浮いてしまった
【2】円谷プロ側・バンダイ側 双方の担当者に「ティガオタク」がいなかった
【3】リアタイ世代はターゲットだがティガオタクはターゲットではなかった


まずは【1. 企画チームの想定以上にティガっぽいフォーマットが導入され、世界観の軸として考えていた要素が"ティガっぽくない要素"として浮いてしまった】について。

トリガーって企画構想段階では全然ティガっぽくない設定だったそうで。
企画チームは「予算/スケジュール/ファンの需要的にもティガと同スケールの作品・続編やリメイクは無理筋」と断定して 全く違う新しい作品を作ろうとしていた事実は驚きでした。
初期の構想は「地球人/古代人/宇宙人の3人がそれぞれウルトラマンに変身する」というものだったそうなんですね。しかも防衛隊も出さない案が濃厚だったと。
セットにメカに出演料!とにかくコストとスケジュールを圧迫する防衛隊はティガには欠かせないけど今は無理だろう…というのが企画チームの読みだったみたいです。だからこそのこの異色の設定だったと。

さらに主役3人のうちの1人・宇宙人の相棒として、異星人のマスコットキャラも考えられていたそうですね。イメージはスターウォーズのチューバッカ。おぉ、これには世界観の広がりを感じます。お察しの通りマルゥルの原型。しかもまだメトロンとは決まってません。

主役の次はニュージェネお馴染みのヴィラン枠。3人のウルトラマンに対して因縁を持つ3人のヴィラン……ここでティガから持ってきたのが闇の三巨人であったと。
なんでTVシリーズからじゃなく映画(しかも割と否定的なファンがいる印象)から持ってきたかと思えば、理由は明快なものでした。

この辺まで読んで 個人的には新しい世界観に期待感が湧きましたし、闇の巨人のチョイスも ティガの新しい一面を拡げてくれる予感がしました。なんせ全く新しい世界観ですから…

ところが突如上層部から軌道修正申し入れがあり、「ティガをモチーフにした作品を謳うならばヒーローは単体で」いけと方針転換を余儀なくされてしまった…
防衛隊についても、現場の予想を覆し導入することが決定。
円谷プロとしては覚悟をみせた形…と誌面では評されてましたが 1ヶ月も待って予想と逆の方向になったことは企画チームにとっては一大事だったんじゃないかなぁ…

ともかく このお達しによって当初の構想は変更され、消えた要素・残った要素・形を変えて引き継がれる要素が相まった結果が、アレです。。


防衛隊がいない世界で出自の違う3人がそれぞれウルトラマンに変身する…その中にイグニスだったりマルゥルがいるのと、
ティガっぽいウルトラマンとGUTS-SERECTという名前のチームにの中にマルゥルがいたりトレジャーハンターだというイグニスがいるのとじゃ全然印象違うな〜て思います。

後者だと「ティガっぽくないじゃん」が先頭に来ちゃう。逆に言うと「ティガっぽいことやるんだよねぇ?」という前提の頭になりやすいと思う。宇宙人マスコットキャラだったり人型のヴィランが既にニュージェネでやってることだから、なおさら「ティガに余計なニュージェネ要素入れてきた」になってしまう…。

この一連の流れから感じるのは、企画チームと上層部で目指すものにギャップがあったってことですね。
企画チームは全く違うもの作りたい
上層部はティガっぽいもの作りたい
もちろん、社外各所からの要望もあったのでしょうが 意思統一されてないと何事も大変なことになるな〜っていう。
リメイクでもリブートでもない何か…は、だいぶ初期から判然としなくなったんだなぁ って感じです。


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と、ここまでは う〜ん 許容範囲の事情だったんですが、、ここからは あもうダメだーて感じのやつです。

【2. 円谷プロ側・バンダイ側 双方の担当者に「ティガオタク」がいなかった】ですが、、

まず なんかこう 「ティガ」を見てあれをやりたいとかこれをやりたい っていう意欲はない気がしてですね… こう、フワッとしてるんですよね。これやったら当時のファン喜ぶだろう!っていうプラス要素よりも、これはやらないと(ガッカリされる)っていうマイナス要素を避けることが多くて。

「当時のティガファン、つまり親世代を落胆させるようなことは避けたい」を筆頭に 「今の親世代が落胆しない規模の組織感を出すためにはやっぱりGUTSレベルの司令室のセットを用意する必要がありますから」とか、なんか落胆とか炎上を避けるような? とこが多い。それだけティガが破格の予算と物凄い人力をかけてやってたってことなんだろうけど…

そこは逆に坂本監督が引っ張ってて、隊員の人数は多い方がいいと粘ったりしてたそうです。
(これは邪推だけど、監督自身の主張で隊員数を見劣りしない人数にできたが、ギャラや出演時間まで拡大するわけにはいかず 監督がキャスティングにもある程度責任を持つ形で 過去に自作で出演してもらった俳優さんに出演時間が短いことを折り込んでお願いしたんじゃないかな…など)
あとティガトリビュート作品だからあの終盤のインパクトを再現したくて ガタノゾーア級の巨大怪獣を出したり最終特別形態を出したりしたと。

……なんどけど、、そこ?って感じがしなくもない。
ファンが落胆せず 盛り上がったり唸ったりするのって、もっとこう…あるだろ!
原典に返ってSFやホラーテイストにするとか、1話完結のオムニバス形式を強めるとか、人類科学の発展と自然環境・怪獣との共存とか、エボリュウ細胞にまつわるあれこれとか、マキシマオーバードライブ開発の歴史とか、ゴルザ(強化)ならぬメルバ(強化)とか、人間ウルトラマンの苦悩とか、レナとダイゴとか、人類(イルマ)と救世主(ダイゴ)の関係とかさぁ!モチーフにできるものいっぱいあるじゃん!!(エピソードZはこの辺上手くやったらしいですね。)

なぜ母艦のデザインにナースを持ち込んだり隊のメンバーにメトロン星人を入れることが落胆に繋がらないと判断したのかが疑問…だったけどその疑問は読み進めることで解消できました。

まずナース。
これは玩具展開優先の結果でした。
アートデッセイ号リスペクトで母艦登場させたい→今の世の中変形ギミックは欲しい→有名怪獣に変形させよう→全然フィットする怪獣いないよどうしよう…→そういえばナースって子供に人気なんですよね…完

アートデッセイ号も玩具展開を考える上で生まれたアイテムなんだろうけど、これをリスペクト/トリビュートと呼んでいいのか?

そして問題のマルゥル。これが一番のガッカリでしたね。
ジードにおけるペガと同じ理由で導入されたマスコットキャラ(坂本監督談)。最初はティガ出身宇宙人から候補を探したそうなんですが、知名度があるキャラがいないと。そして足木プロデューサーの談↓
「例えばレイビーク星人をアレンジしたマスコットキャラというのもちょっと違うというか。『レイビーク星人って何だっけ?』みたいになっちゃうんじゃない? というのが企画チームの見解でした」

それでメトロン星人するって……よくティガトリビュート作品だなんて言えたなと。
トリビュートって意味をネット検索しちゃいましたよ。

『トリビュート:「称賛・賛辞・貢物」といった意味であり、自分自身に大きく影響を与えたり、尊敬していたり、あこがれの存在であったりするアーティストに対して敬意を表すアルバムであることを示唆する呼称である。』

だそうです。

田口監督がセブンガーを起用するために制作スタッフに猛プッシュしたのとは180度違う姿勢ですよね。
ティガを推すんだ!という気概は全くなくて、子供向け番組(玩具販売予定)において売れる当たるやつを念頭に考えると。。まぁどっちもプロの仕事なんでしょうけど、ファンとしては心底落胆しました。


あとは、最近PERFECT MOOCのコラムを読んで初めて知った、作品に多大な影響を与える部署、バ○ダイの玩具開発担当者さんですね。

トリガーの担当者さんは間違いなくティガの内容を覚えてないです。リアタイ世代の方なんだそうですが今回の仕事にあたり見返したのは最初の数話なんじゃないかと。

それがわかるのがGUTSスパークレンス開発のくだりですね。

ティガトリビュート作品の変身アイテムを考えよう→スパークレンスをベースにしよう、玩具として楽しいギミックのせたいから銃から変身アイテムに変形させよう→超古代を起源にするのは無理あるから、超古代の力を研究した天才青年が現代の最新技術を使って新たに開発した設定にしよう

この人マサキケイゴ知らないですよね←
知ってたらこの設定避けませんか?

これを受けて円谷プロのプロデューサーのコメントがこちら

「ウルトラマンの変身アイテムは出自に説得力を持たせることや、主人公が手にするまでの経緯が難しい、今回初めて「人類が発明した装備」というコンセプトになって新しい方向性が見えたと感じた」

この人はニュージェネレーション・タンゴ博士の素質があると僕は思いました←
たぶんF計画爆進派ですね。
あとガイア見ろ。来年やるんだろがよ。

主要スタッフの中にティガ全話見返した人はいないんですか? 坂本監督は仮面ライダーオーズの映画撮るとき本編全部見たらしいんだけどな…
これは唸るオマージュを期待しても無理だわ と思いました。。


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その玩具開発担当者さんのコメントにこんなのがあって

「アイテム名も『ティガ』の時と全く同じで構わないくらいに思っていて。音声もなじみのあるワードを散りばめて記憶を喚起しようと」
「親世代のほとんどが一度ウルトラマンという作品から離れ、お子さんを通じてまた戻ってくるでしょうから、そういう方々に『懐かしい(!)けど、新しい!』と思ってもらえるようにしたい」

んーー………これ読んだときドキっとしました。

もしかしておれら古参のファンはお呼びでない…?と…

それとシリーズ構成の方のコレですね↓↓

「作中の名称には『ティガ』を観ていた視聴者の方の記憶に触れるワードを入れています」
「有名なワードをあえて違う意味合いを持ったものに付けることもあり、"ルルイエ"はその一例です」

遊び心のあるオマージュはクスッと笑えたり 通なチョイスには唸らされたりしますが、よりにもよってそのワードかよって感じがしますね、ルルイエは。
深読みしますからね。特に今回は闇の巨人達が絡んでたわけですし。
「ファンの考察が深くて驚きました」みたいなコメントがいつだったかあったと思うんですが、ルルイエについて言及してるならファンとの意識のギャップに気づいて欲しいばかりです。

手塚治虫先生のスターシステムならまだしも、今回はティガをモチーフにして似たキャラクターに似た名前をつけさせてるわけですから、この辺のバランス感覚は自分にはよくわからなかったです。

総じて【3. リアタイ世代はターゲットだがティガオタクはターゲットではなかった】のかなっていう印象を受けました。

自分にとってティガは思い出の"記憶"ではなく今も好きでみている"リアル"なので…



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長々と書いてきましたが、要するにティガに熱心なファンを魅了するようには作られてない"ってことなんだと思います。

もちろんスタッフさんの中には魅了したい!という方もいらっしゃるのでしょうが(坂本監督はそうなんじゃないかと思ってる。個人的には)、やっぱりメインは出戻り層を掴むことになってるし、体制的に違う感じがします。

タチが悪いのはやっぱりティガの真髄を継ぐ と NEW GENERATION TIGA の宣伝文句ですかね。どうしたってティガファンは注目しますし、。

出戻り層を掴むための宣伝文句だったかもしれないけど、もう少し見続けてるファンにも心から楽しめる物は欲しかった。
それはやっぱり『トリガー』という作品はトリガーだからです。

ティガが客演したからトリガーが好き〜とはならないと思うんです。
やっぱりトリガーはトリガーとして好きになる。
だから「なんか変な風にティガを擦った作品だな」って思っちゃうと トリガー単体として作品を見る目は濁ってしまいましたね..

過去作をオマージュする・リスペクトする・モチーフにするといった作品の類いで『トリガー』は本当異色の作品だったと思います。モチーフにしながらそのモチーフが並行世界にあってこちらにも影響を及ぼしてるという…

願わくば次の作品はゴンドウ参謀の魅力を語れる人達に作って欲しいなと思います。。