全日本ラリー選手権 久○高原ラリー
うわぉ。全日本だぜ。
てなわけで、つまんないですけどオフィシャル参戦記ぃ。
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午前12:30。家を出る。
ハッキリ言って睡眠時間ゼロ。9時頃に一度寝ようかと思ったんですが、起きる自信がなかったのでこういうことに。えらく寒いので(現地は標高もあるしもっと寒いはずなので)完全防寒です。
1時にクラブのメンバーと待ち合わせて、乗り合いで出発。
すごく順調に走って午前3時の集合時間に1時間も早着。
まだスタッフは寝てるかと思ったら、すでにHQでは警備員の皆さんへのブリーフィングが始まっていたりして、結構な緊張感に包まれております。

そういう状態ですからHQにも入れず、真冬並みの寒さの中、ぽつりぽつりと集まってくる顔見知りとダベりながら時間つぶし。
月が綺麗な丑三つ時でございます。

かなり人数も集まってきて、そろそろオフィシャルミーティングが始まるかな~と思っていたら「おい、兄ちゃん兄ちゃん」と主催クラブの某エライ人に肩を叩かれました(一時期、弟と一緒にラリーに出ていた関係で、地元ではよく「兄ちゃん」と呼ばれます。ポン引きではありませんよ:笑)。
「あ、おはようゴザイマス」
「兄ちゃん、オマエのクラブの会長に聞いた?」
「え、なんスか?聞いてないですけど」
「あんな。オマエと一緒にTC(タイムコントロール)やる予定だったベテランのIさん、急に来れんようになったから」
「え、マジですか!」
「今年はオフィシャル人数も十分に集まらなくて、もう一人も余ってなくて人数は割けん。あとはオマエに任せた」
「そ、そんな無茶な。ボク、TCラリーはエントラントとしての経験はありますけど、オフィシャルしたことないんですよ!!」
「エントラントの経験があれば十分じゃ…とりあえず奈良から来てくれてるSさんが同じTCにおるから、なんとか頑張ってくれ。ホントは何とかしてやりたいがもうどうにもならんのじゃ」
「…分かりました。なんとかやってみます…」
死守命令を出された孤島の守備隊な心境(笑
事前にSSスタート前のTCをやるとは聞いていて、一応役務の予習はしてきていましたが、まさか責任者になろうとは。全日本なんてエントラントは殆どがラリーで飯を食ってるプロ。そのためちょっとしたミスでも目くじら立てて抗議に来たりするので責任重大…(汗
責任者云々はともかく、どう考えても人数が足りない。1個のTCやるには最低(ホントに最悪最低で)3人必要なのに、私とSさんの2人しかおらんのです。
いろいろ情報を集めるに、事前登録していないけれどオフィシャルに来てるのが数名いることが判明。その中でラリーの運転手している柿ピー君を捕まえることに成功。これでなんとか動かせる。
オフィシャルミーティングが始まりました。
私の担当はTC2、4、7。つまりSS2,4,7の入口のTCをやれということです。SS2,4は全長25キロにも及ぶロングステージ。さらにSS7に至っては3キロ足して全28キロという全日本ラリー最長のSS。このステージの現場責任者であるマウンテン君がやってきて「躍人さん、今回のラリーの成否はこのステージにかかっています。責任重大です。よろしくお願いします」などと言いやがります。ほんならもっとメンバー考えろよ~(涙
ミーティング後に朝食の配給がありました。

サンドウィッチ。バナナ半分。茶…これだけで昼まで保たせろと…。欲しがりません勝つまでは~(泣
飯食ったら夜が明けてきました。一応パドックの写真でも撮っておこう。

さて現場に移動です。ロングSSを逆走してTC地点に向かいます。
柿ピー君の軽四に乗せてもらって爆走。HQからTCまで小一時間かかってしまいましたよ。流石ロングSS。
早速TC設営です。


メンバー3人でいろいろと打ち合わせをして、なんだかんだと準備しているうちに、真のラリーの先頭であるインフォカーが到着。
練習がてらインフォカーのTC処理をして、TC設営状況のチェックを受けて、インフォカーは50m先のSSスタートに向かいました。
さて、次の00カー到着まで小一時間あります。今回はTCに無線がないので情報も入って来ません。SS中に一定間隔で置かれたラジオポイントの連中がトラッキング(SS中の状況を逐一HQの管制に報告)に使うのに必要でTCにまで無線が回ってこないという状況なんです(連絡がある場合は携帯電話を使うことになっています)。
インフォカーのTC処理での問題点を洗い出し、マニュアルとにらめっこして対応案を準備したらすることなくなりました。
仕方ないのでSさんとラリー談義に花を咲かせることにしました。この方、ラリーに関しては経験豊富な大ベテランで、さらに関西のノリですから、大変に楽しく盛り上がりました。
そんなことをやってるうちに00カーがやってきました。

運転手は大ベテラン、T口S一郎。もうなんか知らんですが、やる気マンマンな爆音と共にSSに向かわれました。ミスファイヤリングシステムの音だなありゃ。もうすぐ還暦なはずなのにヤルなぁ。
このあと0カーが通過して、その10分後にいよいよゼッケン1がやってきます。
そしてついにゼッケン1がTCイン。私のすぐ横にスバルワークスのインプが停まります。緊張~。
一応あいさつしとこ、と思ったら先にクルーの方から「おはようございまーす。お世話になりまーす」うわ、なんて低姿勢。過去の経験からしてこんなこと言うトップクラスのクルーって居ないと思っていたんですが。
「あ、えと、おはようございます。お疲れ様です」タイムカードを受け取り、緊張でうまく動かない指で時間を記入し、サインして控えを切り取り、次ページにSSスタート予定時刻を記入すれば終わり。カードをクルーに返却「はいどうぞ。頑張ってください」。その間にゼッケン2がTCインして待っております。休むヒマもなくどんどんTC処理していきます。挨拶だけは忘れずにと。
SS1を終えてからココまで来てますので、一部1分間隔でないところもありましたが、なんとかこなしていきます。
そのうち、なんだか分かんないですがSS2のスタートが止まったみたいで、TCの先にどんどん車が溜まって行きます。
「あれ、スタート止まってるんですか?」そんなこと聞かれてもウチには無線がないのでさっぱりわかりません。「そうみたいです。申し訳ないですが無線が無くて情報が入ってません。そのうちSSスタートから何らかのインフォメーションがあると思います」。
後で知ったことですが、リタイヤ車がどこで停まっているか分からなかったのが原因だったそうで。
TC内に車が溢れる前にSSスタートが再開。なんとか無事TC2が終わりました。ふー、なんだか疲れた~。
各車、SS3(3キロ:ギャラリーステージ)を走ったあと20分のサービス。その後再びこのステージにSS4を走りに来ます。
よく考えたら、次のTC4はサービス後のリグループを出てから来るので、各車確実に1分間隔でTCインすることになります。さっきのTC2で慣れたし、もしや楽勝?
案の定、TC4は楽勝でした(笑
結構リタイヤも出ていて台数も減っていたし。
TC4を終え、配給の弁当(今度は幕の内弁当でした)を食ったらTC7までちょっとヒマ。昼寝しようと思ったけどなんだか寝付けず、日向ぼっこをエンジョイ。暖かいし、山の中は気持ちいいなぁ。リフレッシュ~。
こういうときは無線を聞いてると楽しいんですが、まあ雑音が無いのもたまには良いでしょう。
やがてラリーカーの隊列がやってきます。最後のお仕事TC7。時間はすでに午後4時を回っています。
TC7もTC4と同様、リグループ後にやってきますので、きっちり1分間隔で楽勝!台数は更に減っているし、すんなり終了。多くのクルーが「一日ありがとうございました」と言ってくれるのが嬉しいですよ。いつの間に全日本はこんなに紳士的になったんだろ。以前はオラオラで怒鳴られた経験もあったりするんですけども。TCラリーというシステムが良いのはあると思うんですが、それだけじゃ無いような気がします。
さて全SSが終わって撤収~。
問題のロングSSを順走で走ってHQに帰ります。
途中でこんな風景が。

明らかにコースアウトしちゃたブラックマーク。ここは下りだし、ドアンダーで行っちゃったみたいですねぇ。こんなのが、最低でも5つはありましたよ。
会場に到着。各車すでにパルクフェルメされています。

片付けを手伝ったり、物品担当の若いのと一悶着あったり(怒)しながら、一緒に帰るクラブの会長(今回の競技長)を待ちます。
日没後の寒い中、テントの片付けをやってる横では、暖かい部屋で表彰式が始まりました。

あー終わった終わった。
表彰式が終わると、競技長である会長が解放され、やっと撤収。
家に帰り着いたら9時。風呂に入って布団に入ったら10時。実に連続40時間起きていた計算。
泥のように眠りました。
どうでもいいですけど、帽子の鍔で隠れきれていなかった口の周りが日焼けでヒリヒリするのが未だに治まりません。
<おわり>