注意!今回は尾籠な記述ありマス | 躍人日記 2

躍人日記 2

模型とか、日々の出来事とか。

躍人です。こんばんは。
この期に及んでカゼひきました。
だってラリーの現場、夜は寒かったんだもん。
てなわけで参戦記書かせていただきますが、タイトルにもありますように若干尾籠なネタがございますので、お食事中あるいはその前後の方は十分ご覚悟の上お読みください。
また、例によって長文になっております。悪しからず。

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さてさて今回はうどんで超有名な某県にて開催される、当地区戦シリーズの開幕戦にエントリーであります。
設定としてはSSがトータル20キロ弱、我々ナビ(ナビゲーター。TCラリーではコドライバーって呼びますね)が一生懸命に計算する区間もしっかりあるという、TCラリー全盛の昨今ではちょっと古いスタイルのラリー。
因みにこの計算区間ていうのがどんなものかと言いますと、簡単に言うとSSでない区間を指示された速度(平均速度:アベレージといいます)で走る区間なのであります。区間の距離は事前に分からないようになっていて、実際に走行して計測します。車載しているラリーコンピュータ(以下ラリコン)が1m単位で計測してくれて、アベレージを入力してやれば、時刻と距離とアベレージから現在アベレージに対して何秒くらい遅れているか、あるいは先行しているか計算してくれるわけです。この遅れや先行をゼロにしてチェックポイント(区間の終了地点)に入ればいいのです。
計算区間の一種に申告区間というのがあります。これは実際にアベレージで走行する必要はなく、アベレージ走行した場合にチェックポイントを何時何分何秒に通過するのが正解かを申告するというもの。基本的には同じものですが、チェックポイントでの作法が違うだけです。
なんだ計算するのはラリコンであってナビじゃないじゃん、とお思いでしょう(笑
でも実際は様々な要因により、きっちり正確には走行できません。正解の距離はオフィシャルカーで計測されていますが、まったく同じ条件で走れる訳はありませんよね。当然自車で計測した距離とオフィシャルな距離は微妙に誤差が出てきます。これをいろんなデータを元に補正するのがナビなわけです。分かりましたでしょうか。

さて計算する仕事があるのも久しぶりです。ラリコンの使い方覚えてるかなぁ?
まあなんとかなるだろ。
と、根拠のない楽観と共に運転手オトト君との集合場所へ。
…ところでオトト君。

いつの間に車が変わったの?(前回までのクルマはこちら
聞けば1月頃に買い換えたそうで。まだ乗り慣れてないし、セッティングもしっかり出てないそうですが…前のよか絶対速いはず!期待していいかも!
テンション上げ上げで高速道路を東へ疾走。

途中のSAで飯など食いつつ、5時前に現地に到着。

受付が5:30から。
それまで挨拶がてら各テントを回って情報収集。
「こんちわ~」
「おお、これはこれはオトト・躍人コンビ。優勝候補が来たな」
「なになに、なんでウチが優勝候補なの?」
「(昨年のクラスチャンプである)Mさんがエントリーしてないのじゃ。エントリー台数もお前らのクラスは4台しかおらんし」
「え、マジ?」
チャンスかも。上げ上げである(喜)。そこへ某Y氏登場。
「あ、こんちわ。Yさん今日は誰のナビ?」
「えーとね、Kのとこ」
「げげげぇ、Kが出るんか!アカンわ…」
Kというのは地元でめちゃめちゃ速い若手なんである。メインがダートラなのでラリーは滅多に出てこないが、出れば勝つという凄腕。あっと言う間に下げ下げ(悲)
確かにKは速い。しかし今回ウチはホンダパワーをGETしています。なんとかなるかも…イッパツ狙っていきましょう。
それに勝てなくても2位にはなれそうなので(4台しかおらんからな:笑)、いっちょ頑張るでぇ。
受付して、車検があって、ルートマップをチェックして、ドライバーズブリーフィングが終わればスタートを待つのみ。スタートまで1時間あったので、飯食っておきましょう。サービス隊がうどんを茹でてくれております。
そこへ先ほどの某Y氏がふらりと現れ「スタート前に飯食えるとはウラヤマシイ…」。実はこの某Y氏、経験も実績もある優秀なナビなんですが、唯一の欠点が“乗り物酔いしやすい”こと…。「Yさん大丈夫じゃろ。あんた経験も豊富なんだし」「いやー、最近はプレッシャーからか年々酷くなってるんだよね…今日なんかすでに気分悪いし…」
Kのとこはナビがこの調子。自爆してくれるかもしれんな(喜)
うどん食ったあと余裕ぶっこいてスタート直前にクルマに乗り込み、ラリコンやマップを準備して、ナビランプのスイッチを入れたところ…あれ、ランプが点かない?
ナビランプというのは、ナビの手元を照らすために取り付けられたランプで、↓こんなのが一般的(ピラーに付けます)。

いろいろ弄っていると、点いたり消えたり。ぼんやりと点いたり。これは困った!
これが無いとマップも見えないのでだましだまし行こうとしたら、オトト君が言うに「もしショートしたらラリコンのヒューズが飛ぶから、消した方がいいですよ」。マジでかぁ。
ラリコンに死なれたら終わりなので泣く泣くスイッチOFF。唯一の明かりはラリコンの入力ボタン部を照らすちーさいランプのみ。↓こんな感じデス。

なんとか手元が見えなくはない。ダメならルームランプ点けよう(悲)
悲喜交々ありながらも、ラリーが整然とスタートします。

スタートしてから国道を走り、だんだんと山の中に入っていきます。
まずOMCPという距離補正の基準となる地点まで行き、オフィシャル距離(マップに書かれた距離)と自車の距離を比較・補正します。
今回のような正確さを競う区間があるラリーでは、これが大変に重要です。
また、オフィシャルカーと同じ様な走り方をしないと、大変に誤差が大きくなってしまいます。この走り方には「車線のあるところは車線の略中央を、車線の無い道ではキープレフト」という作法があるんですよ。
ところがオトト君、これを盛大に無視。右コーナーではインカット、左コーナーではインベタ。
「おいおい、ちゃんと走ってくれんと合わないぞ」「はい~」
とか言うけれど、ほんの少し改善されただけで根本的にダメ。
アカン。こいつまるで分かってない。これは俺がなんとか補正いれなきゃいかんな。まあええ、腕の見せ所じゃ~(見せる腕なんかないくせに:笑)。
OMCPを終え、すぐに最初のチェックポイント。申告区間でしたので、正解時間を申告します。
以前のラリーのように談合したいのですが、チェックポイントのあとすぐにSSスタートに誘導され、そんな余裕なし。ま、区間が短かったから補正無しで大丈夫だろ。
申告チェック後、すぐにSS1です。ターマックの3.3km。
さてホンダパワーのお手並み拝見。カウントダウンのあとスタート!
VoVoVoVoooooooo!うはー、ランエボ程ではないけれどスゴイ加速。エンジンもいい音してます。こりゃ速いや。
あっと言う間にゴール。
「いや~躍人さん、パワーがありすぎてスタートが上手くないですわ~。すぐホイルスピンするんですよ~」うんうん、そうじゃろう(喜)
「加速が凄くてコワイくらいです~」うんうん、そうじゃろう(喜)
次のSS2まで移動です。ちょっと長めのリエゾン区間です。ここは仕事もないので暢気に走っていると、前ゼッケンのKのクルマに追いついてしまいました。なんかゆっくり走ってんなぁ…と思っていたら急停車。助手席のドアが勢いよく開き、某Y氏が転がるように出てきて、道端の草むらにアタマを突っ込んで「う●▲■×÷*@&$~!!!」
うあー、やってるよ…。早速ですか。道幅がせまいので、追い越していくワケにもいかず。うーむ。初っぱなからやなもん見ちゃったなぁ(笑
続いてSS2。舗装の4.2km。
ちょっとホイルスピンしてスタート。やっぱり速いなぁ。
しかし2本目になって私も落ち着いてきまして。冷静に走りを観察してみますと。
速いんだけどなんだか勢いがないことに気がつきました。オトト君はこんなスタイルと言えばそれまでなんだけど…なんだろ。
あ、わかった。減速Gが弱いんだ。コーナーの進入でブレーキ踏んでないんじゃないの?どうやらコーナーの結構手前でアクセルオフしてエンジンブレーキで減速してるみたい。それに直線でもレッドゾーン前でぶんぶん回している様子。そこまで引っ張ったら、さっさとシフトUPすりゃいいのに。
うーむ。これはタイムは期待できないかも。
SSゴールしてから聞いてみると、クルマに慣れてないのと、舗装用の足のセッティングが出来てないとのこと。仕方ないけど、もちょっとがんばれると思うんだが。
SS2を終えて、SS3までは再び申告区間です。ここでもオトト君は作法無視のマイペース走行。これで合うのか?俺は合わせられるのか?(悲)
もうすぐチェックポイントかな、というところで前走車が溜まっております。ちょうどいいからウチも止まって計算しよう。
「躍人くん、ここまでの距離は?」某Y氏が情報交換にやってきました。「ちょっと計算するら待ってね。えーと…」「…う…ううう…」急に不穏な声を出す某Y氏。も、もしや(汗
案の定、某Y氏は草むらに向かってダーッシュ「う●▲■×÷*@&$~!!!」
またかよ。難儀ですなぁ。
SS3を終えたら、第一セクションが終了。サービス会場に戻ります。
ここで1時間ほど休憩です。焼き肉で腹ごしらえです(喜)

いろいろ情報を集めてみると、ウチはSSタイムで3位。3位と言ってもブービー賞(悲)。申告の減点はどうやら少ないみたいで少し安心。
ナビランプはこの時間を利用して修理。無事に機能回復。ああ、これで不自由なくマップが見られる。
焼き肉食ってると、遠くから雄叫びが聞こえてきます。某Y氏がまたまたやっちゃってるようです。同じテントの運転手N氏曰く「あれ聞くと、ラリーの現場にいるなぁ、って感じますね」。もはや風物詩か(笑

第二セクションは第一セクションと殆ど同じ設定。
端折りますけど、オトト君は同じ様に走って、某Y氏は同じようにハジけて(笑。
つつがなくゴール。この走りじゃあ3位は確定ですなぁ。
コントロールシートを提出にHQに行くと2位のとこのベテランナビであるキョクチョー氏に会ったので「どうでした?」と聞くと「いや、はや、もう、10分も申告で喰らっちゃって…」「またまた、三味線ひいちゃって~」
とか言ってたら、ホントに10分(600点:1秒で1点です)も減点くらってらして、ブッチギリの最下位。おかげでウチは繰り上がりました。このように、どんなにSSが速くてもナビのワンミスで台無しになるようなラリーのスタイルってどうなの?と思ってしまいますね(だからTCラリーが増えたんでしょうね)。
結局、1位K・某Y氏組。2位ウチ。というオーダーでした。
某Y氏も少し失敗してて、申告減点計22点。私が7点。ナビが15点(秒)もマージン稼いだのに負けてるとは何事かねオトト君(悲)。SSのタイムだけでは52秒差。SSトータルが19.2kmだから、1kmあたり2.7秒も負けてるじゃんよ!
私が叱る前に、周囲のベテラン連から蕩々と説教されておるオトト君。頑張って練習せいよ。
夜が明けたら表彰式です。

久しぶりにメダルもらっちゃったですよ。

帰り道、オトト君のクルマに以前乗ったナビがどんなだったのか聞いてみました。
オトト君、数年前に結構速い時期があったので、そのときナビはどんなだったのかなと。
どうやらSSで「アクセル踏め~!踏め~!行ける行ける!!」とムチをくれてたみたいです。
「それで何度も落ちそうになって、そんな無茶なーって思いました~」
でもどうやらオトト君の場合はムチくれた方がいいみたいかも。いままでドライバーなりに走らせてましたが、次回からはモード変更するぜ。オトト君には覚悟してもらおう(笑
<おしまい>