Joyは1989年11月1日発売された山下達郎2枚目のライブアルバム、
31年ぶりとまではいかないまでも暫くぶりに
このアルバムを聴いてみて作品(ライブ)の
クオリティの高さに驚くばかりでした。
2枚組のCDに22曲収録されてますが、そのうちの
何曲か掻い摘んでレビューしてみたいと思います。
アルバムの1曲目に選ばれている「ラスト・ステップ」
この曲は89年4月7日宮城県民会館大ホールでの録音と
ありますが曲の終盤のあたりで聴くことができる
達郎さんのロングブレスが見事!
ここから「SPARKLE」(#2)に流れていきます。
イントロの達郎さんのギターカッティングが素晴らしい。
力強くて優しい、荒々しくも繊細というカッティング。
息つく間もないバンドの演奏と卓越した中でも土岐さん
のサックスソロが素晴らしい。
等など、、色々素晴らしいのですが、6曲目に収録された
「The War Song」がまた素晴らしい。ライナーを見ると
1986年7月30日中野サンプラザ・ホールとあります。
1曲で10分を超える壮大な曲であります。
今ならこんな長い曲はネットに排除されるかもしれませんね(笑)
そう考えると達郎さんがサブスク不参加なのもさもありなんと
思わないでもないです。
イントロからシンセで始まりますが、演奏は重実徹さん。
今や音楽界の重鎮であります。(実はライナー見るまで
難波さんかと思ってました、ゴメン)
そして”重戦車軍団”と呼びたくなるようなリズム隊はドラム青山純、
ベースが伊藤広規。
達郎氏のボーカルを引き立てる鉄壁のコーラス隊は佐々木久美、CINDY
そして村田和人さん。
この曲を聴くだけでもこのアルバムを手にする価値は十分あると思います。
ラストの土岐さんが素晴らしですね!お疲れさまです、土岐さん。
そしてこの曲に続いて「蒼茫」。
ウォーソングが10分越えでしたが、こちらは13分越え。
石川さゆりは天城越え✨
13分息つく暇もなければ一部の隙も無い音は達郎さんのライブ以外では
なかなかお目にかかれません。会場で生で聴いたことも(当然?)
ありますけれど、本アルバムに収録されている宮城県民会館での音は
悲しいほどに聴く者の心に突き刺さります。
素晴らしいの一言。
しばらく前から海外から逆輸入されて8~90年代の日本のこの手の音楽を
「シティポップ」という言葉で括って紹介されることが多くなりました。
それと同時に山氏達郎、大貫妙子、大瀧詠一、、といった面々の
旧作が再び脚光を浴びるようになりました。
そんな事を思いながら聞いてみた本作は正しく「シティポップ」の
王道を行く作品なのではないか、その意味では達郎作品でもベストの1枚
なのではないかと思うに至りました。
達郎さんは今もツアーの真っ最中。バリバリの現役でステージにアルバム制作に
大活躍されているのは周知のとおりです。名盤、名作の多い達郎さんですが
是非本アルバム「Joy」を聴いて脂が乗り切った最高に格好いい山下達郎の
音を一人でも多くの人に楽しんでもらいたいと思います。