ブログとかSNSに追悼文を書くのは好きではないんですが、でも昨日のチバユウスケ氏の訃報には衝撃を受けています。

ジョージ・ハリスンが亡くなったとき以来くらいの大きな衝撃かもしれない。

 

衝撃を受けている理由は多分二つある。

一つは勿論、「日本人のミュージシャンは嫌い」というわたしの気持ちの中で、数少ない例外に当たる人で、ミッシェル・ガン・エレファントは、まだ全然売れる前に丸山晴茂がらみで知っていました。

 

彼らの曲を始めて聴いた時はショックでしたよ。

かつて自分がやりたかったけれど、うまくやりきれなかったことを、スマートに激しく実現していて、自分はもう音楽活動をやめたほうがいい、そう思わせられたバンドの一つでした。

 

ミッシェルで一番好きだった曲GWD↓

 

彼の詩も非常に良かったんですね。

それまで自分は、歌詞はきちんと誰にでも理解が出来る、明確なメッセージがないとダメだ・・・という信念があったんですが、とある一緒にやったアマチュア女性ボーカルと、このチバさんの歌詞を聴いて、その思いは覆されました。

 

「一見、何がいいたいのか、シュールで良くわからない歌詞なんだけれど、なんか魅力がある」、そういう歌詞もアリだな・・・と。

マーク・ボランじゃないけれど、それくらい、なんか惹きつけられる、独特の歌詞を書く人だったと思う。

 

そして、もう一つのショックな理由は、彼がわたしと同い年だったことです。

同い年の人が、それもうちの父と同じ、食道癌で亡くなったと・・・

父の亡くなる直前くらいの、癌の苦しみを見ているので、それを想うとなんとも言えない気持ちになる。

父がなったということは、わたしもそうなる可能性があるわけで、で、同い年・・・。

 

わたしは今でこそクリーンになり、酒もタバコも一切やりませんが、20代の頃くらいまでは酷かったからな・・・。

 

とまあ、そんな惜しいな、残念だなという気持ちの他に、同い年なだけに、何とも言えない複雑な感情も正直あります。

それは、やはり同い年で、似たことをしてきたのに、結果が大きく違うということがあるのかもしれません。

 

彼の経歴を見ると、大学に入ってから本格的に活動したということで、高校時代からライブハウスやコンテストなどでガンガンやっていたわたしより、後発なんだなぁ~と思いました。

それで、わたしが、ジャンルそのままではないですが、その頃こんなふうに日本のロックをやりたいと思っていたことを、後から見事にサッサと実現し、こうしてみんなから追悼されるスターになっている。

 

他人ごとではないという思いと、残念という思いと、ロックをやってきた人間としてある意味うらやましいヤツだという嫉妬心と、そうした複雑な思いが交差し、いつも愛聴していたほど熱狂的な信者ということもないのに、こんなにいろいろ思ってしまうんだろう。

でも改めて感じるのは、やはりバンドって、ボーカルだな・・・ってことですね。

 

最近は、目上の人からは「まだまだ若じゃない・・・」なんて言われますけど、年齢的にも、時々死というものを考えます。

生まれる前が「無」なのと同じく、死んだらきっと「無」になるのだろう。

そう考えると、楽になるのか、喜びも何もなく味気ない物なのか、まあここまで行くと哲学とか宗教の分野みたくなるのでしょうが。

 

ともかくまあ、この人の訃報は、いろんな意味で、わたしの「神」ビートルズ並みのショックでした。

ご冥福をお祈りしたい。