早すぎる猛暑が鳴りを潜めたと思いきや、今度は連日の雨続き。

昨日は豪雨の中の仕事でしたが、覚悟していたせいか、それほどダメージでもなかったです。

とまあ、繁忙期で連勤が続いていましたが、今日は久々の休み。

相変わらず連休ではないし、今日も雨模様なので、まあ晴れていても同じなんですが、ライフワークの朝からのグウタラ音楽鑑賞三昧。

 

今日最初にチョイスしたのは、ジェファーソン・スターシップのベスト盤「At their best」です。

60年代のキング・オブ・ヒッピーサイケのジェファーソン・エアプレーンではなく、そのメンバー中心に70年代半ば近くからスタートした後継バンドだ。

 

 

ファーストアルバム「Dragon Fly」より、Ride The Tiger

 

とまあ、このバンドは先ほども言った通り、ジェファーソン・エアプレーンが母体で、60年代ヒッピー好きなわたしは、エアプレーンは全アルバム揃えています。

それくらい好きで好きで仕方がないバンド・・・かと言われたら、実はそれほどでもなかったりするんですよね。

 

エアプレーン、曲自体には名曲だと思える曲はパラパラとあるのですが、正直彼らは退屈で、「ヒッピーサイケに名盤少なし・・・」と言われるのは、間違いなく60年代ヒッピーバンドの代表である、彼らの名盤の無さからきているのではないかと、私は密かに思っているくらいです。

 

ジェファーソン・エアプレーンの何が退屈なのかというと、常にラブアンドピースでキメていたせいか、どうも演奏に躍動感がなく、ダラダラまったり聴こえることです。

それに、どこか独特の妖しいというか、不気味な感じの歌と相まって、聴いていてあんまり興奮しないというか、楽しくないというか・・・

 

おまけに、エアプレーンには、以前日本のチャーさんがフェイバリットの一人にあげていた、準名ギタリストと言える、ヨーマ・カウコーネンさんというギタリストがいるんですが、この人はブルース、カントリーと言ったアメリカンルーツミュージックに深く、そうしたルーツを感じさせる渋いプレイをします。

わたしの嫌いな要素は一つもないはずなんですが、でもこの人の演奏や曲を、なぜか非常にわたしは退屈に感じて仕方がないのです。

この人と、ベースのジャック・キャサディーさんがやった、ホット・ツナというバンドなんか、退屈の極みで、内容はわたし好みなはずなのに、ホントつまらない。

 

とまあ、思わずボロクソけなしてしまいましたが、そんな二人が抜け、先日紹介した、これまた知る人ぞ知るヒッピーバンド「クイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィス」から、ベーシストのデヴィッド・フライバーグが合流し、エアプレーンからスターシップに名を変え始動。

妖しくけだるいまったり音楽から、いかにも70年代ロックみたいな、やや売れ線を意識した路線に少しづつ変化し、音楽的にも演奏的にも非常に聴き心地がよくなります。

 

 

Devils Den

クイックシルヴァー~から加入した、デヴィッド・フライバーグさんの、ファンキーなベースがカッコよく光る。

この人のベースプレイも、もっと知られてもいいんじゃないかと思うくらい素晴らしいと思うのですが・・・。

 

 

1975年、全米3位を記録したというミラクルズ

マニアックなカウコーネンからチェンジし、このスターシップから加入した、ピート・シアーズ、グレイグ・チャキーソさんというギタリストたちの手腕も、売れ線バンドに変貌出来た理由の一つな気がします。

 

 

とまあ、スティーブ・ミラーバンドとか、ジャーニーとか、スティックスとかみたいな、代表的70年代アメリカン・メインストリームロックバンド?になったジェファーソン・スターシップですが、80年代に入るとさらにその売れ線産業ロックに磨きがかかり、やがて「スターシップ」と名前を変え、バブル世代で洋楽を少しでもかじった人ならだれもが知る「シスコはロックシティー」「セーラ」なる、バリバリの売れ線産業歌謡ロック化してゆくのです。

 

 

ど売れ線のスターシップ

メンバーのほとんどが入れ替わっているとはいえ、ルーツにヒッピーサイケバンドがいるとは思えない音楽性になってしまっています。

ちなみに、ジェフアーソン・エアプレーン、スターシップの看板の一人、グレース・スリックは唯一ここで健在しています。

 

とまあ、今では余程のことがないかぎり気付かない、すっかり隠れてしまっているバンドの一つですが、70年代アメリカンロックが好きなら、このジェファーソン・スターシップは押さえておいて損はないバンドでしょう。