飛び石で休みが続きますが、梅雨で日々天気が悪いのが、疲れたおじさんにはいいのか悪いのか・・・
ホント、若いころ、「聴くためじゃない!コレクションするのがオレの使命なんだ!!」といわんばかりに収集していた、この大量の古い洋楽ロックCDがありがたい。
今になって、その本来の役目が果たされるとは思いませんでした。
というわけで、「おれはこんなものまで買っていたのか!」と、自分で再発見も多い今日この頃ですが、そうして発掘したMyCDの中で、買った当時はほぼ印象にないけれど、年取った今シックリくるというものも多く、今日はそんな最近、気持ちよく夢うつつの昼寝をしたい時良くチョイスする作品を、午前一でチョイス!
その作品とは、Very Best Of Supertrumpという、スーパートランプというバンドのベスト盤です。
1979年、英米でトップ10入りヒットしたというThe Logical Song
このスーパートランプ、あんまり馴染みのないグループかもしれませんが、70年代半ばくらいから80年くらいまでに活躍したバンドです。
わたしが最初に彼らを知ったのは、ベストヒットUSAという、80年代初頭にやっていた深夜TV放送での1コーナー、過去の名作「タイムマシーンコーナー」かなんかでだった記憶がありますが、そんなにインパクトのあるバンド紹介でもなかったんですが、なんか覚えていたんですよね。
ちなみにわたしはずっとこのバンド、アメリカのバンドだと思っていたのですが、イギリス出身のバンドで、デビューの切っ掛けは、オランダの大金持ちに気に入られ、スポンサーを買って出てくれたこと、みたいな記述が、CDのライナーノートに書かれていました。
彼らの音楽は、上の映像でも感じるかとは思いますが、10ccほどまでではないけれど、どことなくちょいひねくれたPOPというのか、・・・こういうサウンドを何といえばいいのだろう?
でも表現が難しい音楽と言うわけではなく、70年代中後期のアメリカにはよくあったようなサウンドと言えば、そんな感じではあるんですが、でも一言でなかなか言いづらいんですよね。
でも、それは悪い意味ではなくて、ヘンな奇のてらいはないけれど、個性的で良質の70年代後半風POPロックということなんですが。
彼らのサウンド、70年代中~後半風プログレハードサウンド、みたいな風に捉えられ方をされている部分もあるようですが、どこか他の定型な70年代後半のバンドとは、聴いた感触が少し違う感じがします。
70年代初頭みたいな泥臭さはないし、かといって70年代後期のUSプログレ的産業音楽によくあった大仰さもさほど感じず、上品なPOPロックバンドという感じがわたしはするんですよね。
でも3分の短い絵にかいたような、親しみやすいどPOPとは違い、先ほども言ったように、ちょっぴりひねっているというか、またプログレ的な変化は多く、通な音楽リスナーもそれなりに面白く聴けるバンドだと思う。
でも、ロック的衝動というか、荒っぽさの無さ、派手な意味でのインパクトの薄さが、意識高い系日本人ロック愛好者にはスルーされがちなんでしょう。
こうした彼らのサウンドの特徴なんですが、多分ドライブしたギターの派手な音があまり主役という感じではなく、クリアーなエレクトリックピアノの音がメインなので、どこか上品で当たりが柔らかく聴こえるんじゃないかと思う。
なので、70年代中期の曲も、オシャレじゃなくどちらかと言えば野暮ったいのに、どこか洗練されているみたいな・・・80年代初頭のバンドのサウンドみたいに聴こえるんですよね。
そういう意味では、時代の先を行っていたバンドなのかもしれない。
It's Raining Again
旬を過ぎた1982年の曲ですが、大瀧詠一さんがやりそうな、爽やかで秀逸なPOPソングだ。
というわけで、ロックの名盤や歴史に欠かせない・・・という登場の仕方はしないグループかもしれませんが、良質なバンドとして、これ毎回言っていますが、歳行った疲れているおじさんには心地いいグループで、わたしと同じような方にはお勧めのバンドです。