けだるくやる気の起こらない5月が終わり、いよいよ6月!!

 

・・・と言っても、特に気持ちが変わるわけでもなく、相変わらず休日朝から音楽を聴いてまったりゴロゴロしているわけですが。

 

今日はまた、朝から「さて、何を聴こう・・・??」ではなく、「久々にこれが聴きたい!!」というのが明確にありまして、朝食後早々にステレオにセットしたのが、

ジョージ・ハリスンベスト・オブ・ダークホース1976-1989という作品です。

 

ジョージ・ハリスンを知らない人なんて、わたしに近い年齢のロック好きの人でいるのか?と思いますが、まあご存じビートルズのジョージです。

この作品は解散後ソロの中でも中~後半の、自主レーベル立ち上げ後の作品を集めたベスト盤です。

なので、ジョージのソロでは名盤の名高い、「マイ・スイート・ロード」が入った最初の「オール・シングス・マスト・パス」など、ソロ初期のアルバムからの選曲はされていません。

 

 

Got My Mind Set On You

ジョージ、ソロ後期の代表作と言えば問答無用でこの曲でしょう。

1987年全米No1の大ヒット。

わたしは当時バンド活動していた時期で、リアルタイムでこの曲やアルバム「クラウド9」を聴きました。

 

この曲は、オールディーズのカヴァーで、ジョージ本人の作ではなく、わたしはオリジナルを聴いたことがないのですが、でも初めてこの曲を聴いたとき、何とも言えない魅力と言うのか、大ヒットするのがホント納得できるようなものを感じました。

それが何なのかは、上手く説明できないのですが、とにかくメインの繰り返すメロディーが、ジョージにしてはドンと派手で非常にインパクト大なのが、勝因ではないのかなって思います。

 

 

 

どこかトロピカルな雰囲気のGone Troppo

この作品の入った同タイトルのアルバムは、ジョージが全く宣伝に乗り気でなかったため、ほぼチャートに入らなかった惨状だと言いますが、ベストに入っている曲を聴く限り、いい曲が多い気がする。

この歌はそんな後期のジョージの代表的な雰囲気といいましょうか・・・

 

ジョージって、基本ギタリストで、甘い流れるようなメロディックなスライドギターがトレードマークですが、他のスライド名手やイギリス系ギタリストにあるような、ブルースとかソウルみたいなルーツ色をほとんど感じないことが特徴だと思う。

 

あと、ビートルズ時代のサージェント・ペパーの「ウィズインユー・アウトユー」など、インド音楽を真っ先に取り入れたことから、どこかマニアックなイメージもありますが、でもここまで非マニアックな、分かりやすい音楽ばっかり作る人もいないんじゃないかと思う。

考えてみたら、インド、インド言うけれど、ジョージがインド風をやったのはあれだけで、その後はあまり影響が見られないんですが、あの印象がよほど大きいのだろうか?

とにかくジョージには、そういうルーツミュージック的な、濃い~泥臭さを感じさせるものがあまりなく、どこまでも親しみやすいシンプルなPOPSに特徴がある。

 

まあ、どこまでも親しみやすいシンプルなPOPSは、何もジョージに限ったことではなく、ポールもジョンも、ビートルズメンバーだった人の作品はみなそうなんですが、でもジョージは性格からか、曲にどこか控えめで淋し気な雰囲気が出てくるのが魅力だ。

ジョージがそうではなく、もし「俺を見ろ!!おれだよ俺!!」みたいな性格の人だったら、ビートルズであの位置にはいられなかったでしょうが、わたしは自分と通じるものがあるのか、そこがジョージの好きなところなんです。

 

 

こちらもクラウド9に入っている、When We Was Fab

サイケデリック風のアレンジを取り入れた、妖しくも不思議な感じのPOPな歌で、わたしの好きな曲です。

リアルタイム当時、このPVをテレビで見て、「ビートルズ3人が再会??」と熱くなった記憶があります。

 

わたしは当時、自分でもバンドをやっていたと言いましたが、この曲を聴いて、こういうのをやってみたいし、こういうのについて仲間と語りあいたいな・・・なんて思いましたが、「BOOWYが、ブルーハーツが、ジュンスカが、ユニコーンが!!」とか言っているメンバーとではまず無理だな・・・って、虚しい気持ちになったことを覚えています。

 

ちなみに、この曲なんかホント典型的ですが、ジョージの曲ってアレンジが細かいところまでしっかり練られており、目立たないけれど良く聴くと、ジョンやポールのソロ作品より、コーラスにしても楽器の入れ方にしても、芸が細かい。

こうした細かい仕掛けが、単なるありがちなPOPというだけに終わってないところが、ジョージの歌の真の魅力だなって感じます。

 

あとジョージって、割と最後まで、最新のものを取り入れるアンテナが錆びなかった人で、ジョンがAOR的な風になり、ポールがイマイチ盛り上がらなくなった80年代でも、ジョージは古さを感じさせない新鮮なことをやってたりするんですよね。

 

 

crackerbox palace

ホント、地味だけれど、どこまでもシンプルで味わい深いPOPなんだな、ジョージって。

 

ジョン、ポールとどうしても比べられちゃいますけれど、ジョージの曲って、その時の感情だけで突っ走るようなところのあるジョンやポールの曲と比べ、華と言う点では負けるかもしれませんが、あんまり何も考えずポロッとやってしまったみたいな、どうでもいい歌みたいなのが少ないです。

実はあの二人よりジョージのほうが上なんじゃないかと思えることは、ビートルズ時代初期の作品から、ソロに至るまで、結構感じられたりするんですよねわたしは。

まあ、どうしてもジョン、ポール的な存在にはなれないわたしの、ジョージびいきなところもあると思うんですけれど。

 

とまあ、こうして散々ジョージを語ってきましたけれど、実はわたしはビートルズ解散後のジョージの、初期のソロアルバムは持っていますけれど、この1976年以降のダークホースレーベル時代のものは、アルバム1枚1枚聴いていなかったりします・・・

 

かつてLPレコードで「Somewere In England」と「クラウド9」だけは所持していましたが、その後CDではこのベストしか所持したことがないんです。

 

この時期のジョージは、クラウド9を除いて、あんまりヒットに恵まれない、何をやっていたのかよくわからない低迷期の印象が正直強くて、さほど積極的に聴く気にはなれなかったというのが本音でしたが、でもこのベストを聴くと、非常に聴きやすい佳曲揃いのいい作品で、決してこの時期のジョージが停滞していたわけではないことが良くわかります。

わたしと同じくジョージは「オールシングス・マスト・パス」くらいしか・・・、他にも聴いてみたいけれど積極的に全部集めるのも・・・みたいな方には、これはホントぴったりの作品ではないでしょうか。