年末年始繁忙のわたくし、今日は今年最後の休みということで、一日中音楽三昧でのんびりできるのももう今年最後です!
ということで、そんな朝にまずチョイスした今日のこの1枚は、久々の80年代から。
XTCのイングリッシュ・セツルメントという作品をトレイに載せてみました。
XTCは、ビッグヒットはないですが、70年代中盤以降に活動し、マニアックに人気を得ている、イギリスのポストパンクなニューウェーブ系POPバンドで、彼らの作品でよく名盤とされるのは、このひとつ前のブラック・シーというアルバムです。
確かに聴き心地がいい名作なので、いるかどうかはわかりませんが、これからちょっとXTCを聴いてみたいという方は、最初はそれから入った方がいいかもしれません。
そのブラックシーをはじめ、それ以前の作品に対し、さらに創造性(ひきこもり的芸術性)を進化させた、ライブよりスタジオ派の典型みたいな大作が、このイングリッシュ・セツルメントという作品だと思う。
コリン・モールディング作の、中期ビートルズ的でシンプル、しかし独特の神聖な雰囲気を感じるBall And Chain
XTCはエキセントリックでコミカルなギタリスト、アンディー・パートリッジのバンドな印象がありますが、バンドの創造面でのもう一つの顔が、ベーシストのコリンが作る曲です。
わたしは結構コリンの作って歌う曲が好きなんです。
Senses Working Overtime
アンディーらしく、怪しくねじれていながらも、フォーキーでメロディアスになるサビに、ブリティッシュPOP伝統の雰囲気を感じる曲です。
と、この作品、イングリッシュとつくので、いかにもイギリス的な作品かというと、まあそういう側面は当然イギリスの中のイギリス音楽な彼等ですから、あるにはあります。
でも、そんな、ブリットPOP好きが一発で気に入るような雰囲気かというと、意外とそうでもない作品だとわたしは感じていて、ジャケットのアフリカや南米の洞窟にありそうな壁画のデザインに象徴されるように、ちょっと不思議なエスニック実験的空気がところどころにあります。
この時代、ポップグループとかギャング・オブ・フォーなどのダブ、スカといった、アフリカンやカリビアン、ラテンリズムを取り入れた、おどろおどろしいニューウェーブバンドがイギリスで活動していた時期で、XTCもイギリスのそうしたアンダーグラウンドな空気に反応してたのかなと思う。
でもそうしたバンドたちより、やはりXTCはPOPさが基本で、また芸術性やクオリティー(教養)も高く、その点はやっぱり内向的というか、オタク気質のバンドだなって思う。
なので、パンクな若さや攻撃性を求める、外交的な人には、この時代以降のXTCはあんまり合わないだろうなと思います。
実際XTCはこの頃からライブをやめて、スタジオ録音中心みたいな、録音オタク活動になります。
Down in the cockpit
思わずノリノリになってしまいますが、決して陽気ではない、ブリティッシュらしいスカな曲。
エキセントリックなアンディー・パートリッジの作品は、こんな感じのものも多い。
わたしは今でこそ、もっと泥臭いアメリカンロックばかり好きになってしまいましたが、20歳前後の頃は、日本版XTCをやりたいくらい、このXTCというバンドはほんと、フェイバリッドな影響を強く受けたバンドでした。
でも当時の日本で、あれだけBoowyの布袋さんが影響丸出しのプレイをしていたにも関わらず、なぜかXTCって無名で、わたしがXTCうんぬん言っても、メンバーみんなほぼスルーみたいな・・・。
そんなXTCですが、こうして久々に聴いてみても、やっぱりグッときますね。
わたしもアクティヴなライブとかより、録音オタク気質なので、きっと波長が合うんだな(笑)