今週は仕事がなかなか大変で厳しかったです。

働いていて、緊張感で気持ち悪くなるほど、キャパオーバー!

おまけに今月は連休が1回もないという・・・。

 

というわけで、明日はようやく休みなので、仕事帰りに久々にブックオフに寄ってみました。

なにかいいものはないかと、好きな古い洋楽などをメインにいろいろ見ていて、ふと目に留まったのが、かの

ザ・ローリング・ストーンズ。

 

ストーンズなんて、アルバムほぼ全てコレクションしていて、別に今更なのですが、それなのになんで目に留まったかというと、デジタル・リマスターですよ!

わたし、月収17万くらいのワープワバイトおじさんですので、最新デジタル・リマスターされるたびに、好きなアーティストのアルバムを買い替える・・・というわけにはいきません。

最新リマスターされて、悩むことなく新品で即買いするのは、近年のビートルズ50周年リマスターくらいです。

 

でも、新品で買い替えるほどとまでではないけれど、聴けるものなら、ちょいと聴いてみたい!・・・というものが、ふとブックオフに廉価で置いてあることがあるんですよね。

そういうのを気が向いたとき、1枚、2枚と買って、時々地味に古いCDと交互にかけてみたりして、聴き比べをして楽しんでいます。

 

とはいえ、毎回こういう記事で書いていますが、聴き比べて、「明らかに音が根底から違う!!!!」と感動することは、ホント少ないんですけれどね。

わたしはどうも耳があんまり鋭くないらしく、いつも、「変わったと言えば変わっているような気もするし、あんまりそこまで変わってない気もするし・・・・」みたいな、微妙な感想しか持てない感じになります。

で、しばらく聴き続けてみて、「ああ、確かに、音圧やバランスが新しい方が改善されているかもなぁ・・・」なんて薄々わかってきたかどうか・・・みたいな。

そしてタチが悪いことに、「でも古い聴きなれたCDの音も、やっぱ捨てがたいな!わたしは好きだ!」と感じてしまう。

なので、総入れ替えができず、古い初期マスターのCDも手放せない(モノが増える一方)ということになる。

 

ところで、わたしが1000枚のCDコレクションがとよく言っているCD。

これらを狂ったように買いあさっていたのは、90年代初頭から半ばくらいのことでした。

当初はアナログマスターCDばかりでしたが、90年代半ばくらいから「デジタル・リマスター」を謳い文句にしたCDが出始めるようになった記憶があります。

そんな過渡期にCD収集をしていたので、わたしの所持するCDは・・・例えばイーグルスとかツェッペリン、ドアーズなどは、買ったときのタイミングで、作品によって、デジタルリマスターものだったり、普通のアナログマスターものだったりとバラバラです。

 

ちなみに自分、かつて自分が演奏したり、作詞作曲したりしたものを、4チャンネルのカセットMTRという多重録音機でくまなく録音していて、それを90年代のほぼ終わりころ、パソコンを買ったのでCDーRにして、CDプレイヤーで聴けるようにしたり、保存したり、サイトにアップしたりする作業をしはじめました。

今思うとそれは、なんちゃって自分流デジタル・リマスターだったなと思います。

 

カセットテープの完全アナログマスターを、PC上でWavファイルにすると、とても聞くに堪えないものになってしまう。

それは、わたしが自己作品をデジタル化する時に起こった、最初の予期しなかった問題点でした。

カセット時代は、いい感じのボリュームレベルで、なんの違和感もなく聴けたアナログ音源を、デジタルにすると、Wav音像がまるで魚の骨みたいになるのです。

要は音のピークと、音のベースの差が、どういう理由でそうなるのかはわかりませんが、かなり極端になってしまい、常にCDらしいいいボリュームにしようにすると、音のピーク・・・魚の骨の尖った先端たちが、ダイナミックレンジの枠を超えてしまう。

アナログでは枠を超えると単に音が歪むだけですが、デジタルだと音が飛んだり、固まってしまったりして、とても聴けるものではなくなるのです。

なので、じゃあピークを越えないようにとすると、魚の骨の真ん中の細い幹のような音圧に合わせる状態になるため、異様にボリュームが小さくなってしまう。

まあ、ボリュームなんて、聴く時上げればいいと言えばそれまでなんですが、でも・・・例えば「椎名林檎」のCDをボリューム10で聴いていたとして、続けて自分のCD-Rを聴くと、ボリュームを25くらいにまで上げないと、似たような音の大きさにならない感じなんですよね。

 

まあ、ウン百万かけたプロの最新レコーディング作品と、80年代のアマチュアカセット作品を比較すること自体、無謀にもほどがありますが、でもそこが非常に悔しいというか、同じレベルはまず無理としても、せめて洋楽のアナログマスター程度の音圧で聴けるようにはしたいと思うわけですよ!

 

ということで、ネットでフリー素材の「音源ファイル編集ソフト」をダウンロードし、ファイルの音圧の低いところを上げたり、高いピークを下げて、均一化するというか、ノーマライズしてみる作業をあれこれ5年くらい試行錯誤。

そして、なんとか聞くに堪える状況まで持ってきたという・・・。

(わたしがこのブログで地味にサラッと公表しているオリジナル曲は、実はこうした苦労の末にアップされているのです)

このように、アナログとデジタルの音源というのは、元がそれなりのものであれば、お互いダビングすれば完成!などという簡単なものではなく、もう根本から別物なんですよね。

 

ちなみに、わたしは2000年くらい、結婚直前頃に当時出たてだったデジタルMTRを買いました。

島〇楽器の店員に、不具合のある店頭品の不良ロットをつかまされ、「これおかしいですよ!」と店に苦情を言ったら、「まだ初期モノなのでこんなモノですよ・・」なんて言いくるめられて・・・、で10年くらい我慢してなんとか使って、やはり耐え切れず今度はメーカーに相談したら「これ不良がありますね、もうサポート終わっていてどうにもできず申し訳ありません・・・」なんて言われたという、そんな苦い思い出があります。

 

その、時々フリーズする不良デジタルMTRで録音した作品は、デジタルレコーディングなので、最初から苦労することもなく、いいデジタル音像になり、これがアナログとデジタルの違いかと痛感することになります。

でも難しいのは、だからアナログの音がダメということではなく、アナログはアナログの良さというか、やはり味わいがあること。

 

 

カセットテープでのMTRによる多重録音をリマスターした、自分の昔のバンドのオリジナル曲。

 

 

同じ様な機材を使って2006年頃、わたしがデジタルレコーディングした、権藤忠正さんのオリジナル曲。

 

 

そういえば、世界でほぼ最初のデジタル・レコーディング作品となったのは、ストーンズのアルバムにも一時よくゲスト参加していた、ライ・クーダー「バップ・ドロップ・デラックス」という作品ですが、わたしはそれを聴いて、ライ・クーダーのような渋く、のどかなアメリカントラッドソングみたいなサウンドには、デジタル録音のどこかカチッとした音はいまいち合ってない気がして、あんまり聴いていて心地が良くないというか、この作品はそれ以前のものに比べて、好きではないんです。

やはり、アナログのいい加減な良さっていうのも絶対あると思うのだ。

 

 

ライ・クーダーのBoomers Story、これはアナログ録音。

 

 

デジタル録音、 バップ・ドロップ・デラックスのLittle Sister

わたしのオリジナルも含め、こうして聴くと、やはりデジタル録音って独特のクセみたいなのがありますね。