2021年、あけましておめでとうございます。
長い連勤が明けてわたくしは今日ようやく休み。
もう疲労も限界で、みじんも動く気力はないので、自称「アマチュア洋楽評論家」として(笑)、今日は朝からゴロゴロしながら音楽三昧するぞ!と最初から決めておりました!!
というわけで、本年最初に選んだ1枚は、特に理由はないのですが、久々のブリティッシュ、60年代ビートバンド、
ザ・ホリーズの1967年の「バタフライ」というアルバムをチョイスしてみました。
ザ・ホリーズ、古い洋楽ファン、特にブリティッシュ好きなら説明はいらないバンドではないかと思います。
「バスストップ」のヒットで有名な、ビートルズ、ストーンズ、キンクス、ザ・フー、ヤードバーズときて、その幾つか後くらいには入る大物バンドではないかと勝手に思っています。
このバンドには、後にウッドストックで名を上げるCSN(クロスビー、スティールス&ナッシュ・・・ヤング)のグラハム・ナッシュが在籍したことでも有名だ。
今回の作品とは関係ないけれど、一応彼らの代表曲でスタンダード化している、バスストップ↓
そんなホリーズですが、ブリティッシュ・ビートの中でも、コーラスを重視した、どちらかといえばPOPで上品な雰囲気のグループですが、その彼らがサイケ全盛期に出したのが、この「バタフライ」です。
この1967年頃という時代は、ビートルズの「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」や、「サージェント・ペッパーズ」のインパクトや影響力が相当強力だったのか、どのビートバンドもサイケ色の強いアルバムを出しはじめ、そういう流行に乗らなかったのは「キンクス」くらいではないかというくらい、かのストーンズから、デイヴ・クラーク・ファイヴまで、サイケの影響モロ丸出しなアルバムを作っています。
ホリーズもその流れそのままなんですが、この「バタフライ」も内容は、もう典型的なイギリスのバンドの、サイケブームに乗ったものという感じですね。
そんなブリティッシュのサイケは、粗くワイルドでヒッピーにつながる、幻覚的なアメリカのサイケとは雰囲気が異なり、ヨーロッパおとぎ話的な、メルヘンティックな空気と言うのか、どのバンドもそういう雰囲気が強いです。
ハプシコードの旋律や、ファンファーレ的な笛の響きが時々高鳴る、夢で見た不思議な世界みたいなメランコリックな歌が続いていて、元々そういう上品な感じのバンドだし、こうした世界観の雰囲気作りが上手い。
このバタフライは、他のブリティッシュ同系統のバンドのサイケアルバムより一歩抜きん出ている印象がわたしはします。
1曲目のDear Eloise
わたしが上に書いたイメージがわかっていただけるでしょうか。
would you believe
この時代の英国ビートバンドのサイケ化したアルバムで、非常に評価が高い名盤として、ゾンビーズの「オデッセイ&オラクル」という作品があります。
それとこの作品は割と方向性が似ていますが、わたし個人は、結構退屈な曲も多いあのアルバムより、ダレる曲がほとんどなく、各曲のクオリティーが明らかに高い、この「バタフライ」の方が、完成度は上じゃないかと思っています。(こちらの方が半年近く早いリリースだし)
わたしは、メルヘンな西洋おとぎの世界の雰囲気に浸りたい時は、これか、クリームの「Wheels of Fire」(クリームの素晴らしき世界)のスタジオサイドをかけます。
時にはこうした世界に迷い込んで、現実を忘れるのも楽しいですよ。