なんだか秋なのに、記録的な温かさが続いていますね。

そんな中、コロナ禍の第三波うんぬん言われていて、第一、二波では周囲にいなかったのに、身近にも感染者らしき人がポツポツ現れている昨今・・・。

 

とまあ、今日のこの1枚は、秋の雰囲気にもそれなりに合っていて、少しは気が晴れる気がする、

10CCの1976年の4作目「 HOW DARE YOU 」!

日本タイトルが「びっくり電話」と付いている作品です。

彼らの作品はどれもいいですが、あえてこちらをチョイス。

 

10CCは、よくCMなどにも使われている、超有名なI'm Not In Loveで、ここ日本でも割と知られているグループではないでしょうか。

 

 

このアルバムには入っていないですが、彼らの日本でも超有名な名作I'm Not In Love

この前の「オリジナル サウンドトラック」というアルバムに入っています。

 

この10CC、1972年に結成されたイギリスのバンドで、メンバーはエリック・スチュアート、グレアム・グルードマン、そしてゴドレイ&クレームのコンビで、元々曲作りで活躍していた、コンポーザーとしての才能のある面々が一つになってやっているので、多彩な楽曲が展開するのが魅力となっています。

中でも、グルードマンはヤードバーズのフォー・ユアー・ラヴや、ホリーズのバスストップなんかの名曲を作曲した方です。

 

そんな彼等のサウンドは、どう表現すればよいのか・・・。

ビートルズ中期の華やかさに例えているのを見たことがあるし、クイーンと並べている意見も見たことがります。

確かに、クイーンのボヘミアン・ラプソディーの中盤で、オペラ風にコロコロ展開が変わる感じと、あの華麗でち密に計算高そうなコーラスワークに共通点を感じる曲はありますが、クイーンほどハードロックのニュアンスはないです。

 

個人的には、複雑な曲のはずなのに、その割には分かりにくくないというか、きちんと真剣に向き合わずとも、なんか楽しくポンポン耳に飛び込んでくる雰囲気が、スティリー・ダンに似ている気がして・・・、彼らはイギリス版スティリー・ダンじゃないかと思いますね。

スティリー・ダンも、いろんな音楽に詳しそうで、アマチュアじみた人だと絶対編曲、演奏不可能な高度さがありますが、その割に、姿勢を正さず楽しく聴ける不思議さがありますからね。

 

 

この作品でわたしが一番好きな I'm Mandy Fly Me

非常にムードある雰囲気で始まりますが、しかし、そのままで終わらず途中でコロッとめまぐるしくアレンジが変わる。

 

 

Iceberg

こんな複雑なアレンジと展開、わたしがもし演奏に参加しろと言われたら、絶対覚えられないし、正しくできない・・・というか、こんな曲そもそもどうやって思いつくのだろうと不思議に感じます。

こういうのを作れる人が、ホントのロック&POPの天才なんだろう。

 

 

Art For Arts Sake

 

この人たちは一体何から影響を受けているのだろう?

古いロックンロール、劇場ミュージカル?、ジャズ??

とにかくそんな、いろんな要素ゴタマゼですが、最終的には完成度の高いPOPに仕上げてしまう。

 

あと、このアルバムを聴いていて驚くのは、これだけ複雑な感じの凝ったアレンジなのに、シンセサイザー類がほとんど使われておらず、ほぼギターサウンドだというところが凄いところです。

でも、よくある定番のギタープレイは少なくて、いろいろ仕掛けをかませた面白い音が多いので、あんまりギターギターな感じに聞こえないところがミソなんですが。

それでシンセで盛り上がるようなところを、厚い歌のコーラスで盛り上げるんですね。

彼らのとっつきやすい割には、凝っていて独特のサウンドと感じられるのは、そのあたりの影響が大きいのかもなと思う。

そういえば、クイーンの初期のアルバムも「No synthesizer」のクレジットが誇らしく印刷されていますよね。

 

とまあ、ありがちなロックは飽きた、POPの神髄を知りたい、でも肩が凝るものは嫌だという方にピッタリな、大人のPOPロックです。