としまえんが昨日、2020年8月31日で閉園になったそうですね。
わたしも幼少期、西武沿線に住んでいたことがあり、その時は毎年のように行っていたとしまえん!
なんだか名残惜しいなと思いますが、その閉園のニュースを聞いて、個人的にもう一つ思い出したことがありました。
それは、1989年頃、わたし当時組んでいたアマチュアバンドのことです。
そのバンドのリハーサルで、毎回定期的に使用していたスタジオが、「音楽館豊島園店」というスタジオだったんです。
ちょうど、西武豊島園駅のあたりのバス通り沿いにあった気がしますが、今もまだあるのかな?
そんな1989年、バブル全盛くらいでしたが、当時わたしがよく聴いていた音楽が、日本人ではARBとかスタークラブとか、ルースターズとかゼルダ。
そして洋楽では、ザ・ジャム、エルヴィス・コステロ、XTC、そして今日の1枚に選んだ、
ニック・ロウです。
彼の一番有名な曲?1979年のCruel to be kind
日本タイトル「恋する二人」(笑)
わたし、中学生時代、ベストヒットUSAかなんかでこの曲のPVを初めて見て、ニック・ロウという人の存在を知った気がします。
ヒットチャートではなく、過去の名曲みたいなコーナーで確か紹介されていて、当時エア・サプライとかさわやかなPOPSが好きだったわたしは、いい曲だと思いました。
でも、ニック・ロウって売れない、さわやか元アイドルかなにかだろうと、この映像のイメージだけで勝手に勘違いしました。
実はこの人がパブロック界の大御所だったなんて、当時は考えもしませんでしたね。
そして、そのテレビ番組で初めて彼を知った数年後に、豊島園でリハをしていた例のバンドを組んだわけですが、そのバンド、元々わたしがリーダーで、ポリスとかXTCみたいな音を理想としてやっていました。
しかし、後から入ってバンドを乗っ取られた形になった、年上の面倒くさい性格のメンバーが、オシャレだとかパンクとかにこだわるうるさいヤツで、そいつがパブロックに目覚めたてだったこともあり、そういうパブロック路線に強引にバンドを変ようとしている真っ最中でした。
わたしはパブロックと言って思い浮かぶ、エルビス・コステロやジョー・ジャクソンあたりは、大ファンというほどでもないですが、まあ、それなりに好きでした。
でもグラハム・パーカーとかドクター・フィールグッドとか、スクィーズとか、なんかオッサンくさい中途半端で単純なPOPロックな感じの人が多い気がして・・・。
おまけにそのバンドメンバーへの反感もあり、イギリスのパンク前夜みたいな、パブロックといわれる人たちのサウンドは、長年あんまり好きではなく、今でもトレイに乗せることは少ないです。
でも例外として、このキング・オブ・パブロック、パブロックの第一人者?
ニック・ロウという人の作る、POPな3分~4分ロックは非常に大好きです。
パンクロックに影響を与えた??パブロックとか言うと、どれだけワイルドで攻撃的かと思うかもしれませんが、この人はそういう要素は皆無です。
ひねくれた歌詞とかいう評をみたことがありますが、英語を理解できるわけでもないので、歌詞の意味なんか入ってこないし、わたしはあくまで音楽で聴くわけですが、上の映像でもわかるとおり、この人はなんだか、すがすがしい、さわやかな雰囲気が一貫してあるのだ。
I Love the Sound of Breaking Glass
名盤「Jesus of cool」からの曲で、このアルバムはレゲエ風あり、こういう南国風あり、60年代のストーンズがやりそうなロックンロールビートありと、バラエティーに富んだ音楽性の幅広さを感じます。
この人に暑苦しさ、ロックの若く暴走的なエネルギーみたいなのをあまり感じない理由は、多分、ほぼ叫ばない、アイドルみたいな甘いボーカルと、サビがおおむねきれいなコーラスで盛り上がるところではないかと思う。
でもさわやかなPOPと言うと、場合によっては刺激のなさ、深みのなさ、どこか退屈さにつながる部分がありますが、この人の場合は、いろんな音楽の知識があって、アレンジネタが豊富なせいか、全然単純なPOPという感じがしません。
なので、パブロックうんぬんではなく、とても心地よくさわやかな3分POPロックンロールサウンドとして、きちんとアピールする音楽だと思う。
So it goes
この曲なんかもそうですが、ニック・ロウはブリティッシュの人だけれど、アメリカの60年代POPやロックンロールから強く影響を受けている人なのか、全体的にブリティッシュ・ロックというより、アメリカの60年代の良質なPOPを聴いている気分になります。