今日は休日ですが、新型コロナウイルスの緊急事態宣言でうち籠り。
まあ、元々うちに籠るのは好きで、天気も雨で悪いし、最近は部屋で一日音楽を聴いて終わるなんてことが増えました。
ということで、CDラックをつらつらと眺めると、Led Zeppelinが目についたので、休みで元気なこともあり、久々にツェッペリンでもかけてみようと、1975年発売の6枚目、フィジカル・グラフィティーをチョイスしてみました。
この作品は、ツェッペリンの中~後期の作品で、レコード時代は2枚組の大作だった、それなりに評価が高い一枚だと思います。
わたしは一つ前の、聖なる館/ Houses of the Holyという作品が好きで、でもこれは、不思議不気味ワールドな雰囲気がある、ツェッペリンのステレオイメージとは少し違う作品かもしれない。
フィジカルグラフィティーも、作っているうちに2枚組的なボリュームになってきたので、過去の未発表作をリメイクして挿入し、埋め合わせたということのようで、なんとなく初期~中期のハードなイメージどおりの曲と、いろんなジャンルのスタイルを融合し、新たな幅に挑戦しているものとが混在している雰囲気を感じます。
新たなスタイルを融合した作品は、ファンキーな曲とか、ウエストコーストちっくなものなど、なかなか多彩で面白く、これらの影響か、このアルバムはあんまりハードロックという雰囲気が薄い気がします。
ただ、せっかくボーカル、ギター、ベースなど、フロント陣がいろいろバラエティー豊かにやろうとしているのに対し、ドラムの単調さが気になるというか、やや違和感をもって目立ってしまっているかなと感じる作品だ。
もちろんわかっていますよ。
ドラムのジョン・ボーナムが唯一無二の、ハードロックドラムの基本を築き上げた、世界一、二を争うくらい、ロックドラマーの心酔者が多いカリスマな人ということは!
でもこの人のプレイは、いかんせん特有の個性が際立ちすぎて、パワフル一本調子というか、強弱がなくすべてがおんなじ調子に聴こえてしまう。
なのでパワフルな曲はいいけれど、そうでない曲だと、ドカン、バタンと聴こえてしまうとわたしは感じてしまうんですね。
前作のレゲエに挑戦した、D'yer Mak'erという曲なんか特に、何度聞いてもそう感じてしまうけれど、この作品もやはりメロウな曲ほどそれを感じます。
そういえば、ザ・フーのキースムーンも破天荒で、個性際立つパワフルなドラムなのに、どんなスタイルの曲でもドラムはあくまでキースムーン節!という感じではなく、すごく曲の雰囲気にマッチして違和感なく聴けるのとは対照的な感じがします。
それだけ、ジョンボーナムは、ハードロックドラムとしての破壊力とインパクトが強すぎるんでしょう。
というわけで、なんかジョン・ボーナムをディスるような記事になってしまいましたが、これぞ!といういかにも定番な代表作とは言えないかもしれませんが、フィジカル・グラフィテイ、ツェッペリンのバランスのいい全体像を把握するには、チョイスしてもいい作品ではないかなと思います。
この作品で一番ヘヴィーな感じがする、印象深いイントロを持つ「Kashmir」。
このアルバムの中では一番ツェッペリンの代表的なイメージに近い作品かもしれない。
このアルバムでわたしが一番好きな、ツェッペリンぽくないファンキーな曲、「Trampled Under Foot」。
ウエストコースト系のバンドがやりそうなメロウな Down by the Seaside。
こういうのまでやれるのは、さすが、ただのハードロックで終わるようなありがちなバンドではないと納得するゆえんですが、こういう曲ほどドラムの違和感が目立つ気がする。