相変わらずパッとしない毎日ですが・・・。

明日からまた仕事でうんざり気分を紛らわすために、またまた夜に静かに好きな音楽を聴きます。

 

今日の夜に聴くこの一枚としてチョイスしたのは、

ポール・マッカートニー/タッグ・オブ・ウォー。

 

この作品は、ジョン・レノンが亡くなった後の1982年に出た作品で、当時わたしは中学2年生くらい、初めてリアルタイムで購入したポールのレコードで、思い入れが深い作品だ。

初めて耳にして以来、もう37年くらいの付き合いになるアルバムですが、やはりいつ聞いてもこの作品は、ビートルズ以降のポールがやったことの、ベストの1つに入ると思います。
ポールのソロを聴いてみたいけれど、なにをチョイスすればいいのか・・・と思っている方には、ウイングスでは「バンド・オン・ザ・ラン」、ポール名義ではこの「タッグ・オブ・ウォー」を迷わずお勧めする。
 

このアルバム、聴いていて、ああ、やっぱりいいなぁ~と痛感するのですが、その理由はやはりポールならではのPOPないいメロディーの曲ばかりというのがもちろん第一だ!

とにかく、楽曲が本当にバラエティー豊富で、純粋にいい曲ばかり、全部がシングルカットできそうな出来です。

楽曲、メロディーがいいと単純に言っても、ポールの良さはなんか毎回特別な感じがするんですが、それって何なのか聴きながら考えてみると、専門的にこうだとは言えないんですが、感覚的なものとして、イギリス情緒をどこか感じるところではないかなって思う。

一見ストレートでPOPなロックンロールナンバー「ボールルームダンシング」の最初のAメロなんかが特にそうですが、イギリス人でないと作れないイギリス特有のメロディーという感じがするのだ。

 

 

 

イギリスを濃厚に感じるメロディーラインというと、ザ・フーのピート・タウンゼントが作る曲や、ザ・キンクスのレイ・ディヴィス、少し後ではポール・ウェラーや、オアシスなどの曲などにも感じますが、ポールは彼らの元祖という感じがします。

 

それと、この作品の良さとして、久々に組んだビートルズ時代のプロデューサー、ジョージ・マーティンのプロデュース力もあると感じるし、またわたしが思うのは、外部のゲストたちだ。

この作品には、大ヒットした「エボニー・アンド・アイボリー」という有名曲が入っていますが、これは結構知っている方が多いと思うけれど、スティーヴィー・ワンダーとのデュエット曲です。

スティーヴィー・ワンダーは、エボニー・アンド・アイボリーの他にもう1曲、ホワット・ザット・ユァー・ドゥーイングという曲で共演していますが、この曲なんて、一応ポールとの共作にはなっていますが、スティーヴィー・ワンダー色が強く、あの人の曲にしか聞こえない。

こういうのが、ポールメロディーの渦の中の、自然なアクセントになっていて、多彩で飽きさせない流れになっている感じがします。

 

ちなみに、アルバムタイトルの「タッグ・オブ・ウォー」ですが、これは綱引きの意味だそうですよ。

わたしは子供時代、ジョンが亡くなった直後だし、どうせポールなりに戦争反対的なものを引き継いだんだろ?とか勝手に思っていたのですが、全然違ったわけだ。

その、1曲目に入っているタイトル曲では、人生は綱引きみたいだ的な、たまにポールが見せる、センチな気分になっている哲学的内容の歌詞になっています。

結構重いテーマを歌っているんですが、その割にはポールってボブ・ディランみたいに歌詞を評価されないよなって感じる。

この歌詞カードを読んでみると、ポールの性格なんだと思うんですが、こういう愚痴をいうのはよくないかもしれない・・・みたいな言い訳を挟む感じなんですね。

そういう、よく言えば普通の真面目な感じ、悪く言えば優等生君みたいなところが、もしやジョン・レノンをビートルズ解散前後、イラッとさせたところなのかもしれない。

でもポールは、詩とか方向性とかより、やっぱり音楽、演奏、メロディーの人ですよね。

いい曲があるのだから、そんな主義主張なんて、聴く側からはどうでもいいという感じになってしまいます。

 

この作品、全部好きですが、わたしが特に好きなのは、過去にも取り上げた、いかにもポ-ルらしい名バラード、「ワンダーラスト」。

そしてブラスがドライブする、「テイク・イット・アウェイ」です。

 

 

 

 

なんだか、ポールって全般的にそうだと思うんですが、若い時憧れるジョン・レノンと違って、青臭かったガキの頃より、歳を取ってからのほうがより響くようなところがあるんですね。