今日のこの1曲も90年代からです。

ご紹介したいのは1993年の曲で、この当時、まさに時の人みたいな形でムーブメントの中心にいた、Pearl Jamというバンドの アルバムVSより、わたしの大好きなDissident

 

 

 

パールジャムは、90年代前半のアメリカで一大ブームとなった、シアトル発のグランジと言われたバンドの中で、ニルヴァーナと並んで頂点にいた、グランジの代名詞のようなバンドです。

でも、当時から、ここ日本では、アメリカの爆発的人気とは裏腹にあまり話題になっておらず、ニルヴァーナばかりがもてはやされている、みたいな感じがありました。

カレッジパンクやオルタナっぽいニルヴァーナと比べると、ハードロックバンド色が強かったからなのか、なぜここ日本でそれほど人気が盛り上がらなかったのかよくわかりませんが。

 

でも、初期は確かに、あまりPOP色が強くはない、日本ウケしなさそうな曲が多かったかもしれない。

それと、初期の彼らの特徴は、楽曲が重く、暗めな点だ。

従来のハードロックバンドにはあまりない、重い声で渋く歌うというスタイルも、彼らの重暗さに輪をかけていた印象で、これまで華やかさが売りだったアメリカンロックバンドからは、あまり考えられなかった地味さ、シンプルさだったかもしれない。

まあ、グランジというシーン自体が、派手な商業主義、ショーを否定するような空気だったので、当時の時代の雰囲気もあったと思うが、でもその分聞けば聞くほど深くハマるような、味わい深い感じはありました。

そして、パールジャムというバンド自身も、重くヘヴィーなギターロックから、徐々に音楽の幅が広がってゆき、アルバムが出るほど、単純なハードロックバンドではなくなってゆく感じもまた素晴らしかった。

 

このDissidentという曲は、そんな彼らの音楽性の深さを感じる一曲で、一時わたしはこの曲ばかり狂ったように聞いていた時期がありました。

私の中では90年代を代表する1曲の一つで間違いありません。

 

真面目な一貫した姿勢が、本国アメリカで幅広い支持を受けるパールジャム。

グランジという枠にとらわれずに聞けば、良質のアメリカンロックバンドで、このバンドの曲はもっと日本で聴かれてもいいのでは?とわたしは思っています。