前回はザ・フーについて熱く語りましたが、ザ・フーと来たら、やはりモッズ第二段ということで、

スモール・フェイセズ

この素晴らしいバンドについても、熱く語らさせていただきたいと思います!

 

スモール・フェイセズは前記のザ・フーと同時期の1965年頃、アイドル的ブリテイッシュ・モッズバンドでデビューしています。
オルガンをフィーチャーした、ブラックミュージックからの影響を感じる、ソウルフルなサウンドですが、アイドル度が高くて、3分程度のアイドルポップス的な歌が初期はほとんどです!!
なので、多分凄く聴きやすい歌ばかりだと感じるだろう。
 
そんな初期の彼らは、シングル中心の活動だったらしく、The Whoと違って中途半端なアルバムばかりで、曲の重複などコレクションに困る。
しかしそれらをまとめ、全曲網羅した二枚組CDTHE ANTHOLOGY 1965-1967というのが出ています。
これはお買い得!!(僕は一枚一枚買ってしまったのですが・・・。)

 

 

 

ちなみに、このバンドの僕的にポイントが高いというか、特別に感じる点は、ボーカリストの故「スティーヴ・マリオット」です。
彼のパワフルかつ、ソウルフルでハスキーなボーカルは、ロックの理想であり、明らかに僕の中でNO1ヴォーカリストだ!!!
僕はバンド活動において、長年日本版のマリオットを探してきたと言っても過言ではありませんが、これだけソウルフルに歌える日本人はなかなか見つからず、やはりスティーブは特別な存在なのです。

 

60年代後半になると、彼らはこの時代の他のUKビートバンドと同様、サイケの影響を受け始め、曲調も、基本はポップなままではあるものの、アコースティック基調の幻想的な雰囲気になってきます。
イミディエイトコレクションという、この時期まとめたアルバムがあるのでおすすめします。
サイケ・ソウルとでも呼びたくなるような、「Tin soldier」や「アフター・グロー」など、僕一押しのカッコイイ名曲も入ってます!!

 

 

 

そしてこの後、スモール・フェイセズは二つのグループに分裂してしまいます。

 

僕の憧れのボーカル、スティーヴ・マリオットは一人脱退し、70年代後期に全米1000万枚以上?売る、ピーター・フランプトンと合流!
ハンブル パイというスーパーグループを結成します。
僕はハンブルパイも大好きなので、ここでついでに語ってみます。

 

ハンブル パイはモッズとは無縁な感じの、基本ハードロック色が強いバンドです。
野太く歪んだギブソン系の二本のギターが、ヘヴィなリフを刻む!!
とはいっても、やはり出身が出身だけに、ツェッペリンや、はたまたパープルなどのハードロックとはまるきり違います。
ハードロック的演奏、アレンジですが、歌が完全に主役のソウルフルでブルージー印象なので、ハードロッカーでなくとも入りやすいと思います。

 

ハンブル・パイは、アルバム何枚か出した後、片方の主役的存在であるピーター・フランプトンが抜けてしまう。
そしてマリオットワンマン色が強まり、いきなり「スモーキン」という作品が大ヒットします。
このアルバム以後、ハードロック色はやや後退し、マリオットのソウル趣味が全開になり、ソウル色が前面に出てくる印象!

 

ちなみに僕は、このヒットした「スモーキン」よりも、フランプトンが参加した最後のスタジオ盤、「ロック・オン」か、もう一つ前の「大地の海の歌」というアルバムが大好きで、ハードギターブルース色が強くも、フランプトン由来のPOPな曲が多い、こちらの2枚のアルバムを一押ししたいです!

 

スティーブ・マリオットに興味を持った方は、ぜひハンブル・パイも聴いてみて下さい!

 

 

 

一方マリオットが脱退してしまった後、残されたスモール・フェイセズのメンバーですが、あのロッド・スチュアート、そしてストーンズに入る事になるロン・ウッドと合流し、スモールが取れた「フェイセズ」を結成する。
こちらも、マリオットのハンブルパイ同様、モッズ色の非常に薄いバンドに変わります。
とは言っても、ハンブル・パイのようなハードロック色はなく、カントリーブルースな、渋くて落ち着いたロックンロールを演奏しはじめます。

 

「フェイセズ」も僕は凄く好きなバンドです。
特に70年代の、アーシーで泥臭いストーンズが好きな方は、気に入る事間違いなしな(と思う・・・)、まあそういうサウンドです。
 
彼らの作品で、名盤とされてるのは3枚目の、A Nod Is As Good As a Wink... to a Blind Horse「馬の耳に念仏」という邦題のアルバムですが、これはもちろん、僕は4枚のアルバム全部が好きで、こういう音楽好きには全て聴くことをおすすめします!!

 

 

ちなみに、このフェイセズ、ロッドとロン・ウッドばかりクローズアップされますが(されない?)、スモール・フェイセズ時代からの中心メンバーは、ベースのロニー・レインで、彼の作品が多いです。
そんな彼は1980年前後くらい、難病にかかってしまい、支援コンサートが開かれたり、前線から退きましたが、それ以前に、フェイセズも途中で脱退してしまっています。
脱退後、彼が出したソロアルバムは、穏やかなカントリー調の、なかなかの好盤です。

 

 

で、そのロニー・レイン脱退後、フェイセズの末期、ほんのわずかの期間加入したのが、日本人の「テツ・ヤマウチ」というベーシストです。
以前、ロッドがベストヒットUSAというTV番組のインタビューで、このテツ氏の事を、ボロクソ言っているのを聞きました…。
そんな彼の時代フェイセズは、「Coast to Coast: Overture and Beginners」なるライブ盤1枚のみを出しています。
これを聞く限り、彼のいるフェイセズもなかなかいいものです。
(というか、レイン時代との違いがほとんどないんですが…。)