最近は著作権などに関して、かなりシビアーになったなぁ、と思います。
ネットが広がった事も一因だとは思いますが、ポップ、ロックに関しては、今一つ基準がよくわからなく、微妙な問題に感じます。
バンドやっていた頃、たまに話題になったのが、シーナ&ロケッツとヤードバーズの曲についてですね。
(トレイン~~ってやつね)
フレーズと展開がまるきり一緒という、ロックマニアにはかなり有名な話です。
僕は最初にシナロケ…っていうか、スネイクマンショーの方を聴いて、その後ヤードバーズを聞いたので、その時は一瞬???に。
「え~っ、なんでジェフ・ベックが鮎川誠さんのカバーしてるの???」みたいな・・・。
この話には、ある人は批判的で、ある人はまあカッコイイからいいんじゃない、という反応でした。
僕も最初はどうかなと思ったのですが、
実はその曲トレイン・ケプト・ア・ローリン自体が、元々ヤードバーズのオリジナルではなくカバー曲です。
そして、ヤードバーズ自体が、その曲の歌詞だけを変えただけのバージョンを、自分たちの作詞作曲にして、ストロール・オンというタイトルでやったりしている。
それ以前に、そもそもの3コードのロックンロールやブルース・・・。
いわゆるチャックベリー風のR&Rや、ハウリンウルフ風ブルースに、日本語の歌詞をのせ、ほとんどそのまんまでやっているパターンを、僕はプロ、アマ問わずかなり聞いてきた気がします。
(このパターンは本家の英・米でも多いんじゃない・・・?)
しかしほとんどの場合、作曲:チャック・ベリー、またはウイリ・ディクソンとは書かず、やってるその人になっているのが一般的だと思う。
バンドでもだいたい最初のパターンとして、スリーコードでチャックベリー風なジャムセッションして、それをそのままオリジナルに仕立てたりすることは多いですね。
それに躊躇したり、疑問をとなえるメンバーに会った事がありません!
要は最初のトレイン・ケプトの話も、この例と同じで、そんな大袈裟なものでなく、オマージュ、リスペクトくらいの考えでいいのかなぁ、と・・・。
僕が感じる事ですが、楽器の音数は限られています。
多数が心地よく、またはカッコ良く感じる音となると、更に限られてくる。
ロックやポップは誰でも誰かに影響を受け、いいと思ったフレーズを引き継ぎ、自分なりに改良しやっていると思います。
全く自分が一から発明したオリジナルなど、今の時代ほとんどありえないと思う。
ちょっと前に日本の人気バンドが、盗作を指摘され、クレジットにアメリカ人の元の作者の名前を急遽加えたという話を聞きました。
(グランドファンクもやってた、ロコモーションって曲のパクリ疑惑です。)
僕はその曲を初めて聞いたとき、「おお!うまいアイディアだな」と単純に感心していたので、この盗作騒動には驚きました。
あれを盗作というなら、プロ、アマ問わず、日本のミュージシャンの9割以上は、自分のクレジットで作曲活動できないと思う。
まあ僕が以前に記事で書いた、誰かそのまま物真似みたいなアーティスト、作品はイタイ、という話と、これらの主張はまるで矛盾するようですが、要は、はなから誰かみたいなのを目指すのと、自分を表現するなかで結果的に似てしまう、オマージュとして引用するというのでは、相当な違いがあると思います。
まあ極論すれば、違う人間がやってる以上、コピーだろうと「おんなじ」ってのはありえないと思うんですけどね。
こればかりは、やはり聴き手それぞれがどう思うかですよね。
正しい意見というのは難しいと思います。
作り手側からも、守るべきアーティストの権利ばかり主張されると、
全く唯一無二ってわけでもないクセに、なんだかなぁ~と感じてしまう人がいるのも確かだし・・・。
まあどちらにせよ、権利とか盗作とか、あまりこだわりすぎると息苦しい。
気軽に思うまんまに音楽を作り、楽しみ、演奏できればいいなと思います。